立ち上げ期のマーケティングチームに加わることは、確実にキャリアにプラスになる──。
今回インタビューをしたのは、独立や起業などの経験を経て、2023年にGoodpatchに入社した後藤信次郎。
クライアントワーク部門のマーケティング責任者として日々業務に携わる彼に、入社の経緯とGoodpatchにおけるマーケターの醍醐味を聞きました。
― まずは、簡単にこれまでのご経歴を教えてください。
Webディレクターとしてキャリアをスタートした後、独立し、フリーランスで中小企業向けのWebサイト制作・SEOマーケティングなどを行っていました。同時にデザインコンサルティングファームにも参画し、大企業向けのWebプロジェクトのフロントエンジニア・制作ディレクターなどを経験しました。
新卒から8年以上、Web制作やWebマーケティングを通じ、中小企業から大企業まで、さまざまな会社を支援する中で、だんだんと「自分で事業を起こして、自らのスキルで事業を伸ばしていけたらもっと面白いんじゃないか」と思うようになり、起業しました。
― 行動力があるというか、本当にパワフルですね。
起業については若気の至りというか、勢いでしたね(笑)。シェアオフィスを借りていたので自分の周りも起業家だらけでしたし、自分の力だけでどこまでできるのかチャレンジしたいという思いもありました。
結局、自分の会社は5年ほどで閉じてしまうのですが、経営者として自らが矢面に立つことの大切さや、自身の至らなさなどさまざまな学びを得られましたし、そこで手がけていた事業のつながりで、前職でBtoBマーケティング組織の立ち上げに従事することになりました。
いろいろと挑戦する中で何とか結果を残すことができ、その経験を買われて、2023年からはGoodpatchにマーケティング責任者として携わることになったという形です。
― 転職をしようと考えたのは、なぜなのでしょうか。
前職ではマーケティングや事業部門単位では成果を上げていたものの、会社全体の業績が伸び悩む中で、マーケティング予算やメンバーが減ってしまう状況にありました。自分の力不足を痛感する一方で、組織構造上変えられない点も多く、新しい環境で挑戦した方が個人としても、社会に対してもプラスになると考えて転職活動を始めました。
― 転職活動では企業のどのような部分を見ていましたか?
転職先を選ぶ軸はいくつかあったのですが、特に「企業の成長可能性」は重視していました。
結局、会社が成長しないと給料も上がりませんし、マーケティングの予算もメンバーも増やせず、自身のキャリアにもつながりません。会社が成長するためにマーケティングは重要ですが、それは自分が結果を出せばいい。それ以外の部分、つまり、自分が直接関われる以外の部分で後悔がないように「会社や事業の成長性」を判断軸としていました。
次に働く企業では少なくとも5年〜10年単位でコミットして、会社を通じて大きな成果を残したいと考えていたので、外せない条件でしたね。
― その点、Goodpatchはどうだったのでしょう。
先ほどお話しした「成長可能性」を判断するために、具体的なポイントとして見ていたのは以下の3つです。
1.事業が伸びそうか
2.採用が強いか
3.経営者の質
事業については、明確に強みとなる領域があり、マーケティング次第でまだまだ伸ばせる余地があると思いましたし、選考を進める中で、Goodpatchの採用の強さや代表の土屋の人柄を感じられたのも良かったです。
― 具体的に、どのような点が印象に残りましたか?
スカウトでの日程の押さえ方から、面談前に候補者に共有する情報、面接時の対応など、採用全体を通じて、良い候補者体験が設計できていると感じましたし、役員や人事、代表の土屋が履歴書や職務経歴書をしっかり読み込んでくれて、真摯に向き合ってくれたのも好印象でした。
マーケティングだとリード数や商談数などを目標とすることが多い中、前職時代は売上を目標として追っていたのですが、面接の時に「マーケティングで売上を追っているのはすごいですね」と言ってくれて、書類だけでそこまで気付いてくれる人は他にいなかったのでうれしかったです。
私自身は、経営者に誠実さを求めています。背中を預ける存在でもありますし、健全な議論をするための条件ですから。その点、土屋は裏表なくフラットなコミュニケーションができる、信頼がおける人物だと感じました。
他の会社から内定をもらっており、迷った場面もありましたが、最終的には「より経営と近い距離で働ける環境」を優先してGoodpatchを選んだ形です。
― 後藤さんが入社してから数ヶ月が経ちました。入社して印象が変わった点などはありますか?
「優秀な人材が多い」というのは、改めて感じている点ですね。社員一人ひとりのプロフェッショナルとしての意識が高く、本質を追い求めて自律して動けるのはもちろん、アウトプットの質が本当に高くて、チームワークも非常にうまい。
「この人は自分よりも仕事ができる」と思えるような人がゴロゴロいる環境の中で仕事ができるのはとても幸せですし、いい刺激になっています。それでいて皆良い人なので仕事がしやすく、恵まれた環境だと感じています。
一方でマーケターとしては、デザイナーの能力や仕事レベルの高さ、結果として提供されるGoodpatchのサービスの質の高さとその価値をいかにうまく伝えるかというところに責任があるので、気が引き締まる思いで日々仕事に取り組んでいます。
― Goodpatchにおける「BtoBマーケター」は、どのような職種なのでしょうか。
今は社内のクライアントワーク部門で、顧客となり得る企業を開拓するのが主な役割です。具体的には、新規商談を目標に見込み顧客(リード)を集めることですね。
Webサイトの運営やホワイトペーパーの作成、広告運用、ウェビナーやイベントの企画・運営もそうですし、各施策で得たデータを分析して改善につなげるなど、求められるアクションは多岐にわたります。
現状施策の分析や改善、新規施策の検討・実施などはインサイドセールス、営業(アカウントマネージャー)と連携しながら行いますし、新たなホワイトペーパーや事例コンテンツを作成するときは、社内のデザイナーや開発チームと進めていきます。どの部署のメンバーも「協力し合うのが当たり前」という認識があるので、仕事はしやすいです。
― Goodpatchでマーケティングを担当する醍醐味はどこにありますか?
Goodpatchはデザイン会社としてしっかりとした実積がありますし、強みのある領域でエンタープライズ企業を中心としたマーケティングを地に足つけてしっかりと経験できるのは、BtoBマーケターにとってはかなり魅力的なのではないでしょうか。
また、マーケティングチーム自体が2022年後半に立ち上がったばかりなので、立ち上げ期ならではの経験ができるのも大きいですね。裁量もありますし、改善と拡大をハイスピードで回し続けることになります。現状は「The Model」型のBtoBマーケティングを遂行しながら、インサイドセールス・フィールドセールスチームと連携してのABMも着手し始めています。
会社としても変革期にある中で、マーケティングの重要性はますます高まっていきますし、注力領域であるのは間違いありません。しっかり数字を追う厳しさはありながら、責任を持って仕事をしていくことは、確実にキャリアにもプラスになるはずです。
― マーケターとしてキャリアを積みやすい環境だということですね。
Goodpatchのマーケターは、役割としては自社のマーケティングでありつつ、会社が行っている事業としてはクライアントワークなので、事業会社と代理店、両方の視点でのビジネスを見ることができるのも、他社にはない面白い点かなと思います。
また、自社の提供するサービスの価値が高いというのは、マーケティングの後押しになります。クライアントの本質的な課題解決につながるため社会貢献性があり、実際にクライアントからの評価も非常に高い。自社のサービスに自信を持てるというのは、マーケティングを行うにあたって大切なことです。
― 組織として価値を生み出すのはこれからだと思いますが、現時点での課題などがあれば教えてください。
マーケティング部門としては、まず新規開拓の部分で大きな役割がありますので、短期的にはそれが目標です。GoodpatchはUI/UXデザイン領域を中心に取り組んできて、2020年にデザイン会社として初の上場をしました。そのため、「デザイン会社」や「UI/UXデザイン」という領域では、ある程度の認知が取れていると考えています。
一方で、「開発」「新規事業」「リサーチ」「組織デザイン」といった、実積もあるにも関わらず、まだ世の中に認知されていない領域もたくさんある。Goodpatchが持つケイパビリティを、マーケティングを通じて適切に世の中に伝えていく必要があります。
中長期的には、それらをより発展させる形で「UI/UXを武器にソフトウェアをデザインする会社」という認知から「イノベーションをデザインする会社」のように、会社自体の認知を変える施策にも関わっていきたいですね。
― 改めて後藤さんがGoodpatchで挑戦することは、何なのでしょうか。
マーケティングチームとして売上が上がる仕組みを作り上げ、会社をドライブさせること、まずはそれが第一です。課題はたくさんありますが、マネージャーとしてしっかり優先順位を立てながら、成果に向けて最短距離を駆け抜けられるよう、戦略実践やチーム組成に取り組んでいきたいと考えています。
個人としては、より視座を上げ、経営にも関わり、影響を与えられるようになっていきたいです。普段の業務でも、マーケティング業務を加速させるため、私から経営陣に提案することもあります。今後はそういった動きをさらに増やしていきたいです。
より本質的な活動をすることで、マーケティング組織は事業企画や経営などに近づいていくと思っています。まずはやるべきことを当たり前に行って実積を出し、将来的にはマーケティング組織から事業創出の動きをしたり、経営判断に良い影響を与えられるようにしていきたい。マーケットそのものに対して、ビジネス自体をプロデュースできるようなマーケターになるのが目標です。
― ありがとうございました。最後に、Goodpatchを検討している方へのメッセージをお願いします。
クライアントワークはSaaSのように決まった機能があるわけではないので、「無形商材の価値をどう形にしたらお客さまに届けられるか」「それが伝わる事例はどのように作れば良いか」など、常に試行錯誤が求められます。
逆に言えば、マーケティング次第でいろいろな見せ方ができるので、自分で考えて成果を出せる人にとっては腕の見せどころですし、面白いと感じる部分はたくさんあるでしょう。
社内を見渡すと、実積としても機能としてもあるのに外部に出せていない情報や事例、サービスなどはまだまだありますし、一つひとつの施策をとっても、内容や見せ方のクオリティアップもできる状況です。改善点と打ち手は見えているものの、課題の数に対してマーケターが足りていません。
マーケティング組織自体が立ち上げ期なので不確定要素は多いですが、そうした環境に対して主体的に取り組める方や、次々生まれる課題に対して前のめりに楽しめる方にはきっと良いフィールドを提供できると思います。ご興味がある方と共に挑戦していけたらうれしいです。
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