小学校時代に野球を始め、中学、高校、大学と野球一色の日々を送った西尾さん。高校時代には主体的に野球に取り組むようになり「上手くなりたい」と本気で願うも、県大会決勝で敗退。大学では周囲との実力と熱意の差を感じ、野球から退きます。起業を目指してアメリカに渡りますが、そこでも自身の未熟さを実感。帰国した西尾さんを変えたのは、AIとの出合い、そしてGLナビゲーション 代表神田の一言でした。
現在、GLで新たな営業の仕組みづくりに全力投球する西尾さん。今の仕事、そして将来展望について、代表神田と語り合います。
甲子園一歩手前まで行くも、大学入学後、周囲との格の違いを実感
神田:GLに入社するまでの経歴を聞かせてください。大学まで野球をやられており、高校時代には甲子園出場を目前にするほど活躍されたようですね。
西尾:子どもの頃からスポーツが好きで、会社経営をしていた両親も応援してくれました。小学校時代に野球で大阪府の選抜チームに所属して、中学校もプロ野球を目指すような生徒たちが集まるクラブチームに所属していました。けれど自分自身はただスポーツが好きなだけで甲子園やプロを目指す意識はなく、正直、親の期待をプレッシャーに感じることもありました。
高校進学で親元を離れて初めて能動的に野球に取り組むようになり、チーム一丸となって甲子園を目指すことに面白さも感じて熱中するように。ここで人間的にも技術的にも大きく成長できたと思います。しかし、県大会決勝で敗退し、不完全燃焼で終わってしまいました。
親の期待もあって野球推薦で大学に進学したものの、チームには本気でプロを目指す学生が多く、熱量も力量も自分とは段違いで、自分の居場所はここではないと痛感しました。コロナ禍でもあり、社会で生きていくためのスキルを身につけなければならないと焦りを感じ、必死に親に頼んでアメリカに留学に行くことにしたんです。
神田:高校、大学で大きな挫折を経験されたんですね。親御さんとの関係性もあり、野球を辞めるのは大きな決断だったと思います。覚悟を持って留学したアメリカでは、どんな経験をされたのでしょうか。
西尾:起業したいという思いがあり、アメリカでビジネスのヒントをつかみたいと考えていました。しかし現実は甘くなかったです。自分自身の視野が狭いままでアメリカで過ごしても、目新しいものは何もつかめませんでした。
ただ、今まで自分が取り組んできたことは活かしたかったので、スポーツ関連のコミュニティに参加し、もともと好きだった英語について会話力の向上を図ったりしていました。
「熱中するものを探しているのでは?」という神田社長の言葉が心に刺さって
神田:その後、帰国して就職活動を展開されたんですね。GLの存在を、どのような流れで知ったのですか?
西尾:留学で磨いた英語力とコミュニケーションスキルを活かしたいと、最初は「英語×営業」をキーワードにアプローチする企業を探していきました。さらに、日本のものを世界に広めたいと日本酒や和牛を扱う企業をチェックしていましたが、自分の気持ちにフィットする仕事はなかなか見つからなくて。
そんな時に弟から話を聞き、当時出てきて間もなかった生成AIに触れて、世界が一変するほどすごい技術だと驚いたんです。ここに近い領域で仕事をしたいと、企業調べのキーワードを「IT×営業」に変更したところ、GLがヒットしました。
自分自身、人に教えることが好きなので、教育事業を行っていることにも興味を感じてエントリーし、企業説明会で神田さんの話を聞いて衝撃を受けました。
神田:西尾くんを面接したときのことを覚えています。「何か熱中するものを探しているのでは?」と訊ねました。
高校野球で県大会決勝に行くなんて相当な情熱を傾けていたと思うんですが、それと現状との間に大きな差があって悶々としている状態なのではないかと感じたんです。その点、ベンチャー企業の仕事は熱中できる面が多いし、現在進めている営業DXもとても刺激的なので、毎日を一生懸命に過ごしたいならGLに来ればいい、と話したんですよね。
西尾:その神田さんの話がとても自分に刺さったんです。それまで野球しかしてこなかったし、野球を辞めてアメリカに行っても明確な目標もなくダラダラ過ごしてしまっていました。でも、野球一色で毎日を過ごしていたときのように、何かに一生懸命取り組んでみたかったんです。
本当に没頭できるほどの仕事ならやってみたい、と思って上京し、インターンシップに参加しました。そして、実際に神田さんの言う通りだと思いました。今は毎日熱中して仕事に向き合っています。いい会社に出会えたと思っています。
業務へAIの導入を提案。すぐに採用され、その担当者に
神田:2023年8月からインターンシップに参加、24年1月に正式に入社してもらいました。現在、どのような業務を担当していますか?
西尾:コンサル事業の営業職として、インサイドセールスを担当しています。顧客のデータや営業活動で取得したデータを分析してお客様の優先度づけを行い、お客様にアプローチし、売上を高めていくことに力を入れています。
また、知識や経験の蓄積がまだそれほどない人材でも売上を出せるような組織づくりを所属部署全体で目指しており、その実現に向けてAIを活用した営業データの分析などに取り組んでいます。
神田:西尾くんは営業職を希望して就職活動を行っていたそうですが、入社前に抱いていたイメージと、GLで実際に行う営業活動の間には、かなりギャップがあったのでは?
西尾:はい、オフィスにいたまま電話などで営業活動を行い、それで何百万円という商談がまとまっていくことに驚きました。
しかし、それは自分自身の実力というより、Salesforceをはじめとする支援ツールがあってこそのこと。過去の営業活動の内容を確認しながら次のアプローチを行うなど、営業スキルの向上にもつながっており、Salesforceの存在には本当に助けられています。
神田:GLにはどのような特徴があると感じていますか?
西尾:インターン生であっても会社の一員として顧客の前に出していくような、若手に裁量を持たせる会社だと感じています。実践でしか得られないものを、入社後の早い段階からスピーディに獲得していける環境です。最新のツールも実務の中でどんどん使えるので、実践的に理解を深められます。
それから、生成AIをインサイドセールスの業務に取り入れたいと提案したら、すぐに許可が出て対応してくれたことも印象的でした。そういった、若手の意見を積極的に採用する風土もこの会社ならではのものではないでしょうか。
AIで営業活動のさらなる高精度化を図る「日報プロジェクト」に参画
神田:若いメンバーにもどんどん仕事を任せるなど、若手社員の成長を積極的に後押しすることを、GLはとても大切にしています。西尾くんにも、当社の営業活動の基盤として導入しているSalesforceのデータベースに関わる業務に取り組んでもらっていますが、どのような状況ですか?
西尾:Salesforceのデータベースには顧客や商談の情報など当社の営業に関するあらゆる情報を登録しており、お客様へのアプローチや振り返りを行う際、必要な情報にすぐアクセスできます。
行き詰まりを打開したいときなどに、それまでの営業活動がどの位の成果に結びついたのかという数字や、なぜそのような結果になったのかという因果関係を確認し、次のアクションの意思決定をできることが利点の1つです。ここにAIを活用して営業活動のさらなる高精度化を図れないか、という着眼から、先ほどお話しした「生成AIのインサイドセールスへの導入」を提案し、任せてもらいました。現在、AIを活用して、有望な見込み顧客やその企業に対して親和性の高い提案内容のサジェスト、各メンバーのパフォーマンスの分析などを行っています。
実際にAIを活用してみて、営業DXを加速させる存在であることを改めて実感しました。そこで、その活用度をさらに高めるSalesforceのEinsteinのAI機能を活用した「日報プロジェクト」の立ち上げに参画しました。
神田:SalesforceのEinsteinが日報に入力された活動内容を参照し、今まで蓄積してきた営業活動の全データから分析して出したインサイトと比較し、お客様にコールする時間帯は適切か、コール数は目標に達しているか、提案したお客様のポテンシャルはどうか、架電、提案、商談設定の各コンバージョン率はどうか、といったコメントを生成してその営業にフィードバックする仕組みですよね。Salesforceに蓄積された営業データおよび過去の分析から導かれたインサイトを活用して生成AIがフィードバックを行なっているため、より具体的かつ客観的なアドバイスが可能になっていますね。
西尾:このプロジェクトで、AIに送るプロンプトを準備したり、どのような情報をインプットしてどのような情報をアウトプットさせれば売上向上につながるかを日々検証する業務を担っています。
プロジェクトで目指すのは、AIがコーチングを行って、メンバーをハイパフォーマーとして成長させていく仕組みの確立。営業活動の精度を高めるために振り返りをしようにも、そもそも何を取りかかりにすればいいかもわからない、というケースが多いんです。そこで、AIがそのメンバーの行動と数字の因果関係を明確にし、これまで見逃してきたことにも気付けるような分析をしながら次の行動を提案すれば、メンバーはそれをもとに自分で深堀りをして、より高い成果を見込めるアクションを取れるようになります。
神田:それはとてもいい仕組みですね!
重要なのは、蓄積したデータをどのように整理してスモールデータ戦略を突き詰めていくかですよね。ビッグデータの精度を上げるのは情報の「量」ですが、スモールデータの場合は「質」。日報プロジェクトではデータの見方をAIに学習させているから、スモールデータを使ってメンバーが行動をさらに精度高くアップデートしていく仕組みを実現できます。
その構築に入社1年目の西尾くんが主要メンバーとして参画しているのは、かなりすごいことだと思います。
西尾:現在はSalesforceから生成AIにデータを読み込ませて分析させるといった使い方ですが、ゆくゆくはSalesforce自体にAIが搭載されてくると思います。そうなったときには、また状況に応じていろいろな取り組みを行っていきたいです。
「売れる」組織をカタチにする存在としてさらなる成長を目指す
神田:以前、新卒メンバーで合宿を行ったときに将来どういうことをやっていきたいか聞いたことがありましたが、西尾くんが「営業の仕組みづくりのスペシャリストになりたい」「売上を挙げられる組織をつくれる存在になりたい」と言っていたのが印象に残っています。
留学の話のときに出た起業についても、入社前からは考えが変わった点もあるかもしれませんが、今はどうですか?
西尾:自分のレベルに合わせてできるビジネスが変わってくるんだな、と感じています。入社するまでGLがビジネスを展開しているマーケットを知らなかったように、自分にとって未知のマーケットがあり、そこでもいろいろな人がビジネスを展開しているんですよね。それをもっと知ってから起業を考えても遅くないのかな、と。
人生でやりたいことの一つとして起業がありましたが、起業というものを経験したいのか、組織を運営したいのかがまだ自分の中ではっきりしていないんです。
神田:組織づくりは絶対に経験した方がいいし、せっかく今営業などのビジネススキルを身に着けているところなのだから、そういうことを活かしてどんどん新しいことに挑戦するといいと思いますね。
最後に、GLへの入社を考えている人にメッセージをお願いします。
西尾:スポーツや音楽などにどっぷり浸かってきたけれど、結果的にそれで生計を立てていくことができない、という人は世の中にたくさんいると思います。そんなふうにこれまで一つのことに没頭してきた人、そして熱中できるものを探している人に、ぜひ当社に来てほしい。存分に熱中できる対象と環境があることを、自分の経験からも請け合います(笑)。
いろいろな分野からそういうバイタリティあふれる人が来てくれたら、GLはさらに面白い会社になっていくんじゃないでしょうか。
神田:確かに、GLにはいろいろなバックグラウンドを持つ人がいますよね。
スポーツの場合、志向や実力が同じ人たちが一つのチームになっている場合が多いと思いますが、GLには多彩な背景や個性を持つ人たちがワンチームとなって仕事に取り組む面白さがあります。
一方で、西尾くんも所属する営業チームのメンバーは、何かに熱中したい、自分を変えたい、という想いを持っていることが共通している気がしますね。
今日は興味深い話ができました、ありがとう!