【後編】全社員が自分の業務を変えられる未来へ|ジオコードのAI推進リーダーが描くDX | 株式会社ジオコード
AIツールは、日々進化しています。しかし、ツールがどれだけ優れていても、使う人と使わない人の差は開く一方です。ジオコードでAI推進を担う近藤さんが直面しているのは、まさにその"浸透"という壁でし...
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地方で働いていた近藤さんが、「最後に東京のベンチャーで挑戦したい」とジオコードへの入社を決めたのは約10年前のこと。当時はHTMLのコーディングやWordPressの実装が中心でしたが、いまや全社のDX推進を担う"AIプロジェクトリーダー"として、業務改善の最前線に立っています。
ChatGPTの登場をきっかけにAI活用の可能性を感じ、自ら手を挙げてつかんだこのポジションで、近藤さんは何を変えようとしているのか。制作部のエンジニア・デザイナー・ディレクターそれぞれのAI活用事例とともに、現場のリアルを聞きました。
「AI活用って実際どこまで進んでるの?」「自分の仕事もAIで変わるの?」そんな疑問を持つ方に、ぜひ読んでいただきたい内容です。
※後編では「AI時代に価値が上がる人の条件」「AI導入でぶつかった壁」「経営層の本気度」「近藤さんが目指すDXの未来像」について詳しく紹介します!
ー まず、ジオコードに入社した経緯を教えてください。
入社したのは、もう10年くらい前になります。当時は関東近郊の地方で働いていたんですが、30歳を超えてからの転職ということもあって、「最後に東京のベンチャーで挑戦してみたい」という気持ちがありました。
地方から都内の職場を探していた中で、一番ベンチャー色が強くて、「これから盛り上がっていきそうだな」という雰囲気があったのがジオコードでした。
実際に選考を通じて社員の方々とお話ししてみると、良い意味でイメージとのギャップがありました。活気や成長意欲がある一方で、とても温かく親しみやすい方ばかりだったんです。
「この環境なら挑戦しながら成長できそうだ」と感じ、入社を決めました。
ー 入社当時はどんな仕事をしていましたか?
当時できたことといえば、HTMLのコーディングとWordPressがちょっと触れるくらい。会社としてもその領域はまだこれからという状況だったので、まさに一緒に成長していくような感覚でした。
入社後しばらくは、Webサイトの制作や保守・運用対応を中心に担当していました。まずは目の前の案件を一つひとつこなしながら、実務を通じて経験を積んでいった時期でしたね。
ー そこから現在のAIプロジェクトリーダーになるまで、どんな経緯がありましたか?
最初はコーダーとして手を動かすだけでしたが、徐々にできることが増えていきました。お客様との打ち合わせにも参加するようになって、技術面での判断を自分でしたり、提案に入ったり。ホームページの更新だけでなく、お客様の業務をヒアリングして形にするようなところまで、キャリアを伸ばしていきました。
大きな転機になったのは、ChatGPTをはじめとする生成AIの登場です。実際に触れてみたときに、「これから仕事の進め方や業界そのものが大きく変わっていく」と感じました。
そこからは、社内でもっとAIを活用できる環境を作りたいという思いで、自ら情報収集や検証を進めながら、上席にも継続的に提案を行ってきました。そうした取り組みが少しずつ形になり、昨年から本格的にAI活用を推進する役割を任されるようになりました。
現在はAIプロジェクトリーダーとして、社内業務の効率化や新たな活用方法の検討・推進に取り組んでいます。
ー 現在はどんな役割を担っていますか?
「AI活用」というよりも、「企業のDX推進」というイメージの方が近いですね。目的は大きく二つあります。
一つ目は、業務品質の標準化です。例えばメールの返信や議事録の作成などは、どうしても個人によって品質や進め方に差が出てしまいます。そうした業務を仕組み化し、組織全体の品質を底上げすることが重要なミッションの一つです。
二つ目は、業務の無駄やムラをなくし、社員が本来注力すべき仕事により多くの時間を使える環境をつくることです。業務効率化による工数削減や外注費の最適化なども、この取り組みに含まれています。
そのため、全社で共通化・標準化すべき業務と、各事業部ごとに最適化すべき業務を切り分けながら、業務フローを見直しています。そのうえで、「ここにAIを活用すればもっと効率的になるのではないか」という視点で改善を進めています。
AIそのものを導入することが目的ではなく、より良い業務プロセスを実現するための手段としてAIを活用している、というイメージです。
ー 具体的にはどうやって各部署に落とし込んでいくんですか?
部署や課題によってアプローチはさまざまです。
例えば、各部署にAI活用の推進担当を設け、その担当者を中心に業務改善や活用方法の浸透を進めてもらうケースがあります。
また、既存ツールや新しいサービスを導入することで課題を解決できる場合もありますし、Google Apps Script(GAS)などを活用して業務そのものを自動化するケースもあります。
重要なのは、AIを使うこと自体が目的ではなく、それぞれの部署が抱える課題に対して最適な方法を選ぶことです。
そのため、組織体制の整備、ツール導入、業務自動化など、さまざまな手段を組み合わせながら改善を進めています。
ー SEO、広告、制作の各事業部では、実際にどんな場面でAIを活用していますか?
SEOでは、大きく二つの用途があります。一つは調査・分析業務です。検索トレンドや競合サイトの調査、情報整理などに活用しています。
もう一つは、お客様へのコンサルティング支援です。提案資料の作成や情報解析に加え、「こう改善すると成果につながるのではないか」という施策のイメージをモックアップとして可視化することもあります。アイデアの創出から分析、提案まで幅広く活用していますね。
広告運用では、とにかくスピードが重要です。広告文やクリエイティブのたたき台を複数パターン作成したり、画像や動画の制作を効率化したりすることで、PDCAをより早く回せるようにしています。
例えば広告文は、あらかじめ複数のパターンを作成・蓄積しておき、その時々の商材やターゲットに合わせて最適なものを選択・調整しています。AIを活用することで制作スピードを高め、より多くの検証を行えるようになっているのが大きな変化ですね。
ー 全社的に見て、「これで業務効率がすごく上がった」と感じた事例はありますか?
一番わかりやすいのは、私自身も長く所属していた制作部の事例ですね。
制作部は大きく、ディレクション・デザイン・開発(コーディング)の3つの領域に分かれていますが、AIの活用方法はそれぞれ異なります。
まず開発(コーディング)では、AIはすでに欠かせない存在になっています。以前のように0から100まで自分一人でコードを書くことは少なくなりました。まず方針や構成を考え、サンプルを作成し、それをAIで展開・補完していく。そして最後に人が品質を確認するという流れです。
体感としては、実際に自分の手でコードを書く作業は全体の30〜40%ほどになっています。AIと協力しながら開発を進めるのが当たり前になりました。
デザイン領域では、企画やヒアリングの段階からAIを活用しています。例えば、お客様の商品やサービスのターゲットとなるユーザー像(ペルソナ)を具体化し、その人物がどのような行動や価値観を持つのかを整理したうえでデザインへ落とし込んでいきます。
また、テキストだけでなく、デザインの方向性や雰囲気が伝わるモックアップの作成にもAIを活用しており、初期検討のスピードは大きく向上しました。
ディレクション領域でも変化は大きいですね。サイト設計の土台となるワイヤーフレームのたたき台をAIで作成したり、デザインイメージのラフ案を作成したりしています。
以前であれば、ディレクターがアイデアをまとめてデザイナーやエンジニアに依頼していた工程の一部を、自分たちで完結できるようになりました。その結果、意思決定のスピードが上がり、より本質的な企画や提案に時間を使えるようになっています。
ー デザインの領域では、フルでAIに振り切らないんですね。
そうですね。AIでできることが大幅に増えているのは、チーム全員が実感しています。
一方で、最近ではユーザー側もAI生成のデザインに慣れてきていて、「これはAIで作られたものだな」と感じ取れるケースも増えてきました。
だからこそ、人が時間をかけて考え、作り込んだデザインには、まだ大きな価値があると考えています。それが私たちのデザインチームの考え方です。
実際、たたき台やモックアップの作成など、スピードが求められる工程ではAIを積極的に活用しています。一方で、細かな表現やユーザー体験、ブランドらしさといった部分は、人のクリエイティブや感性が欠かせません。
AIを活用して効率を高めながらも、最終的なクオリティは人が責任を持って仕上げる。そのバランスを大切にしています。
コーダーとして入社し、約10年かけてキャリアを広げてきた近藤さん。ChatGPTとの出会いをきっかけに自ら手を挙げ、今では全社DXの旗振り役を担っています。制作部のリアルな事例が示すように、AIは「魔法のツール」ではなく、現場ごとの業務特性に合わせて使い方を最適化していくもの。その調整役として、現場を知り尽くした近藤さんの存在はとても大きいです。
後編では、AI時代に価値が上がる人の条件、「便利だから使ってね」では人が動かない理由、経営層の本気度、そして近藤さんが目指す「数字で見せるDX」の未来像に迫ります。全社的なAI導入のリアルな壁と、それを乗り越えるヒントが知りたい方は、ぜひ後編もご覧ください。