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2017年6月、freeeに入社した手向。入社以来、関西支社にて士業の方向けのセールスチーム、アライアンス、エンドユーザー向けのセールスチームで活躍してきました。そんな手向のキャリアとfreeeを選んだ理由、freeeでの取り組みについて紹介します。
仕事を通して日本の成長に貢献したい
2011年、就職活動を開始した手向。当時はまだリーマンショックの余波があった就職氷河期でした。
「大学のキャリアセンターから『最低でも100社にエントリーしてください』のようなメッセージが来たのを覚えています。先輩方の中には内定をもらっても取り消されてる方もいたので、保険もかねて。いかに内定数を多くできるかが勝負だとずっと言われていました。
また3月には東日本大震災があり、日本全体がどんよりしている時期でした。私は大阪の大学に通っていましたが、関東の大企業の説明会や面接はたくさん延期や中止になりました。
自分の将来がどうなるかもわからないなか、とにかく行動することだけを意識して、説明会も面接も行ける限り全て足を運んでいました」
手向は大量のエントリーシートを書くなか、自分を見つめ直すことを決断します。
「100社もエントリーしてると、書けば書くほどエントリーシートの内容が薄っぺらく感じてきてしまいました。そこでいちど我に帰って、本当に自分が好きになれそうな会社はどこだろうかと考えたんです。
目に止まったのは大手総合人材サービスのキャッチコピーで、転職を煽らない内容のものでした。転職させればさせるほど儲かる会社が、あえて転職を止めるようなメッセージを出しているのはなぜだろうと気になったんです。
調べてみると良い人材を本当に活躍できる職場に紹介することで、日本の中小企業を元気にしたいという理念が伝わってきました。freeeの『マジ価値』と似たような価値観です。
私は仕事を通して日本社会に貢献したいという思いが強くあったので、エントリーして面接に進みました」
見事、内定を勝ち取った手向。2012年に大学を卒業し、5年間セールスとして働きました。
「法人向けに求人広告の営業をしていました。最初の2年間は新卒媒体を扱っている部署に配属され、3年目からは非正規領域の派遣・アルバイト媒体を扱っている部署に異動したんです。リーダー・マネージャー業務も経験させていただき、営業として学んだことは多かったですね」
freeeの事業内容と熱量に触れ、入社を決めた
手向が転職を決意した理由を語ります。
「前職では『どこでも活躍できる人材になれるように』ということを掲げていましたが、それこそ会社の看板を外して、自分自身が今までの経験を生かしてどこまで通用するのか試してみたいという気持ちが湧いてきたんです」
手向はスタートアップを中心に転職活動を開始しました。それには次のような理由がありました。
「人材業界の健全な姿って『良い人を採用できたので、また貴方の会社にお願いしたい』という状態だと思うんです。ただ当時は『良い人材が採用できなかったので、またお願いします』というケースがちらほら出てきていました。売上は上がるので嬉しいですが、何か腑に落ちない気分でした。当時、有効求人倍率が上がりすぎてたというのも原因だと思います。
そのときに初めて『企業の支援方法は、人材という側面だけなのか?』と疑いを持ち始めました。
現在の日本は少子高齢化社会へと進み、労働人口が減り続けていることを考えると、『生産性を上げる』ことや『人材採用に左右されない組織作り』に携わったほうが、今後のお客様のため、日本社会のために良いのではという考えが湧いてきました。生産性を高めることに尽力している会社を調べたら、スタートアップに行きついたんです」
自分自身のチャレンジと、『生産性向上』『人材採用に左右されない組織作り』に携わるための転職。数あるスタートアップの中からfreeeを選んだのには、事業内容含め、大きく3つの理由がありました。
「まずはfreeeのミッション『スモールビジネスを、世界の主役に。』が、日本社会に貢献したいという思いに直結していたこと。この点は前職に応募した理由からもブレていません。その上で『freee会計』など自社サービスの販売を通じて、お客様の生産性向上のご支援ができるという事業内容も魅力的でした。
2つ目は、関西支社の立ち上げフェーズで、自分の力をゼロから試せる環境があったことです。当時の求人は『シェアナンバーワンを目指し、今後2000人規模になる予定の組織の関西支社の立ち上げをしませんか?』のような触れ込みでした。そんなに伸びることが見込まれてる会社の支社の立ち上げなんて、ワクワクするじゃないですか。
またSaaSビジネスの売り上げが雪だるま式に上がっていくことも理解していたし、関西支社が梅田のグランフロントに入ることが決まっていたことも信用に繋がりました(笑)」
3つ目は、freeeで働く人に感銘を受けたことでした。
「面接で会った方々が優秀で、熱量も高く、率直に一緒に働いてみたいと感じたんです。
面接官だった士業向けセールスの責任者は、セールスを科学し、言語化していました。その解像度が高かった。当時の私はとにかく足を動かすスタイルだったので『今のままでは全然勝てない、追いつきたい』『ここで働けばセールスを極められそう!』と思ったんです。
また当時の採用責任者が『世の中をこう変えたいんだよ!』と、freeeのビジョンを熱量高く語ってくれました。『マジ価値』という言葉や、freeeのカルチャーについても丁寧に説明していただき、こんなにカルチャーが浸透していて、ワクワクして働けるならfreeeに入社したいと思ったんです」
お客様のビジネスモデルを根っこから理解することが重要だった
2017年6月、freeeに入社した手向。以後、一貫してセールスに携わっています。
研修を終えて、所属することになったのは、士業の方向けにfreeeのプロダクトを販売するチームでした。
「2017年6月から2019年6月まで関西を中心に西日本エリアを担当し、事務所の課題をfreeeのプロダクトで解決できるような提案を行いました。
業務は研修1週間の間にリストを渡されてアポイントを取り、その後1人で会計事務所にセールスに行くところから始まりましたが、当時のfreeeはまだ創業5年目で上場もしていませんでした。社内も整っておらず、知見の蓄積も少なかった。おまけに関西支社の立ち上げフェーズだったので、かなり大変でした。
税理士の方と喋るのにも苦戦しました。東京ではfreeeは割と有名でしたが、関西では知名度も低く『フリー? 無料の会社ですか?』と言われたり……。私の知識とfreeeの知名度、どちらも全くゼロの状態からのスタートでしたね」
手向が初めて受注するまで、入社して3ヶ月かかりました。
「セールス力には自信があったのですが、入社して最初の2ヶ月間まったく売ることができませんでした。これまでの成功体験が通じなかったので、それ自体を疑い、お客様の声を聞き、何がフィットしてないのかを細かく分析することを始めることにしました。簡単に言うと、アンラーニングです。
具体的に戸惑いを覚えたのは、人材の営業では『このポジションに何人採用したい』などある程度ビジョンやニーズが顕在化しているのに対し、会計事務所はニーズが潜在化していることでした。『効率化できたらいいけど、別に今じゃなくても良い』と考えているお客様に対して、freeeのプロダクトの良さをいくら説明しても売れるはずがありません」
手向はお客様のビジネスモデルを理解すること、それを踏まえて潜在的な課題を発見することに尽力しました。
「事務所ごとにお金の流れや細かい日々の作業など、ビジネスモデルを根っこから理解していきました。そのとき会計事務所ごとのキャッシュフローや業務内容、顧客に求められていることに共通点が多く、大差はないことに気がついたんです。また会計事務所業界の現在と、今後求められそうなことも理解しました。
それにより『未だに顕在化していないニーズを掘り起こし、それに対してfreeeのプロダクトがどのようにフィットするのか』というアプローチをするに至りました。以前なら作業に対しての表面的な提案になってしまっていましたが、ビジネスに対して深い提案ができるようになった結果、少しずつ受注いただけるようになりました。
なぜ上手くいってないんだろう——前職のマネージャー時代、そうやって1人で定量分析をしてきた経験が、数字に対するセルフマネジメントに繋がったと思います」
自分のペースを掴んだ手向は売上を伸ばし、2019年2月には新規獲得件数が評価され、社内の表彰イベント『SalesAwards』でベストセールス賞を受賞するに至りました。
手向は、それから1年間、会計事務所のエンドユーザー(顧問先)向けにfreeeのプロダクトを販売する部署の立ち上げに携わったあと、2020年7月からアライアンス事業部に異動することになりました。
「freeeを共に拡販してくれるアライアンスパートナーを開拓・サポートすることも、会計事務所向けにfreeeを販売するのと同じく間接販売なので、これまでの経験を考慮して異動を打診されたのだと思います」
お客様の生の声を聞き続ける
手向がアライアンスでの業務を振り返ります。
「異動を打診された時は『そもそも税理士と銀行の他に、freeeを販売する会社があるのか?』と疑問に思っていました。しかし蓋を開いてみると、相手にもfreeeと協業するメリットがあることに気がつきました。
商社が多かったのですが、彼らはお客様とより長く付き合っていくためには物売りからコト売りへの転換が必要だという意識がありました。その上でどんなものを商材とするかに悩んでいたんです。彼らが取り扱っているサービスには単発で売上計上されるものが多く、安定した収益を図るためにはSaaS型の商材を取り入れないといけないという意識がありました。
また世の中的にもDXの促進やデジタル庁が発足、インボイス制度の開始が近づいてきたこともあり、協業先も、もっとお客様の役に立つためにご時勢に合うサービスを取り入れていきたいと考えていたのです」
手向は異動して1年後、ジャーマネ(※)となりチームのメンバーの成長を見守りながら、自身も現場で活動し続けました。
その結果、2022年4月~6月期のARR / Annual Recurring Revenue(年次経常収益)が大幅に伸びました。(2022年4月~6月 ARR1億超え)
「アライアンスパートナーの開拓と、アライアンスパートナーからご紹介いただいたエンドユーザーに対するセールス、どちらも担当していました。協業先ごとに提案件数や獲得率などを細かく分析し、一緒になって戦略を立てていました。やることは多かったけれど、充実していましたね」
手向はその後、自ら希望してエンドユーザー向けのセールスチームにジャーマネとして異動します。
「アライアンスで一定の成果を出すことができたので異動を希望しました。freeeに来てから間接販売しかやったことなかったので、今度は一番大きいセールスの組織で挑戦してみたくなったんです」
手向が間接販売と直接販売の違い・共通点を語ります。
「間接販売はパートナーさんのご意向を認識しながら、お客様にご提案することが求められていました。パートナーさんはfreeeのサービスだけを販売したいわけじゃなかったり、別のKPIを持っていたりするので難易度は高かったですね。直接販売はシンプルにお客様とfreeeでのやりとりなので、そこが違いますね。
かといって、本質的には何も変わらないと思っています。
結局、freeeの世の中へのコミットメントでもある「マジ価値(ユーザーにとって本質的な価値があると自信を持って言えること)を届け切る」ことを実現するためには、お客様の生の声を聞くこと。聞いて深く理解した上で、セールスとしてお客様に大切なお時間を頂く以上『とても良い時間だった』と思ってもらえるように努めること。この二つをやり切るしかないですね」
2023年現在、手向は、これまでのセールス・マネージャーの経験を活かして、SET(セールスイネーブルメント)として、部署のセールス力の中央値をあげること、トップセールスを輩出させること、及びマネージャー育成をミッションに日々活動しています。
最後に手向が今後の目標を語ります。
「freeeが事業を拡大していくことがダイレクトに日本社会の進化に貢献していると思ってるので、freeeで成果を出すことを目標にしています。
求められている期待値やミッションを深く理解して、期待値以上の成果を出し続けること。成長を通して影響力の範囲を広げ、マーケットにインパクトを残せるような事業を任せられる人材になることが短期的な目標です。
また日本をもっと誇れる国にしたいという想いはずっと持ち続けています。前職とfreeeを通して、日本には素晴らしいスモールビジネスがたくさんあることを認識しています。スモールビジネスがもっと輝けば、日本はもっと良くなる。そのために生産性が悪い現在の状況を打開することと、誰もがやりたいことにフォーカスできる環境を作ることに尽力していきたいです」
※マネージャーのこと。freeeでは単にメンバーの上に立つ者のことではなく、“タレント”であるfreeeのメンバーを叱咤激励し、成長・活躍をサポートする役割だと考え、ジャーマネと呼んでいる