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事業の未来にフォーカスするために──FP&Aの知見を強みに、経営を支える萱原の挑戦

2023年1月現在、freeeの財務企画(FP&A、Financial Planning & Analysis)チームで活躍する萱原 正崇。経営数値の本質的な意味を考えながら、freeeの非連続な成長を支えるための取り組みについて、萱原のこれまでのキャリアを交えながら紹介します。

ビジネスを通じて社会の進化に貢献したい──進路に悩んだ学生時代

将来は国家公務員として働きたいと考えていた萱原。

萱原 「社会のために意義のあること、社会の進化につながるようなことがしたい。そんな漠然とした気持ちは持っていたものの、両親が医療関係の職に就いていたということもあり、大学に入るまで企業でビジネスに携わるというイメージが持てませんでした。

今では『ビジネスを通じた社会への貢献』を理解できますが、当時は大学進学後に国家公務員になること以外に、具体的な選択肢を思い浮かべることができませんでした」

転機が訪れたのは大学1年の夏。サマーインターンに参加したことがきっかけでした。

萱原 「大学1年のときに、リクルートのサマーインターンに参加しました。サマーインターンが就職活動の一環とは知らなかったのですが、とても刺激的で楽しい経験でした。この経験からビジネスを通じて社会に貢献することをイメージできるようになりました」

新卒入社する先にリクルートを選んだ理由を萱原が語ります。

萱原 「リクルートに入社すれば『ビジネスを通じて社会の進化に貢献したい』という私の想いを実現するのに、最適な環境があると考えました。就職・転職、住まい、教育など、さまざまな事業領域があり、それぞれの領域で社会課題の解決を目指しているところにおもしろさを感じました」

FP&Aへの異動と、挫折を乗り越えて得た成功体験

入社後最初の1年半で、萱原は営業と事業開発を経験します。

萱原 「営業時代は中小の不動産会社を対象に、自社HP制作のSaaS型プロダクトの提案活動をしていました。ところが、私にはまったく適性がありませんでした(笑)。先輩とのロールプレイングも最後まで合格できず、苦労しましたね。

半年後に異動した事業開発でも、賃貸オーナー・マンション管理組合向けのサービスを企画・検討しましたが、ここでもうまく成果につなげることができませんでした。

振り返れば、この時期はベースとなるビジネススキルが不足していました。自分の強みをちゃんと持たないといけないなと痛感しました」

その後、萱原はFP&Aに異動となります。結果的にこの異動が萱原のキャリアのターニングポイントとなるのですが、異動したときの心境は複雑なものでした。

萱原 「正直なところ、自ら希望した異動ではありませんでした。当時は、事業やサービスづくりに携わっていたいと思っていました。

ただ、数字を使ってビジネスをドライブするFP&Aは、ある程度適性があるかもという期待もありました」

FP&Aで任されたのは、賃貸系サービスの事業計画策定・収支管理でした。そこで萱原は最初の成功体験を得ます。

萱原 「競合環境が厳しい時期で、事業計画達成に向けたリカバリーが必要なタイミングでした。そのような厳しい事業状況から、1年半でV字回復を実現することができました。

FP&Aは、追加投資やコスト削減といった経営の意思決定を支える立場です。正しい財務データを集めて分析し、適切なタイミングで経営者や事業責任者へ意思決定の材料を提示することで、価値が発揮できると感じました。業績の回復を目の当たりにし、FP&Aという立場から事業成長に貢献できたという実感を持つことができました」

そのとき初めて、営業と事業開発の経験が活きたと振り返ります。

萱原「FP&Aが普段接している数字は、営業活動やプロダクトの進化など、事業における一つひとつの営みが積み重なったものです。当時のマネージャーには『財務データをただの数字として見るのではなく、その背景を考えられるのが良いFP&Aだ』と言われていました。

営業と事業開発でビジネスの難しさを身をもって知り、実際にどうやってビジネスが動いているか、経験を踏まえてFP&Aに携わることができました」

チームの立ち上げから携われる好機に恵まれた。30歳を機に挑んだキャリアチェンジ

2018年4月から1年間、萱原は国内事業全体の経営企画として、経営会議の事務局や各種プロジェクトの経験を積みます。

その後、リクルートグループの上場持株会社である株式会社リクルートホールディングスに出向し、2年半にわたって財務として経験を積みました。

萱原 「経営企画では、会議中に見聞きしたことがない言葉が飛び交う中、経営視点に立って大きく視座を上げる経験を得ることができました。

その後、財務では、リクルートグループ全体のキャッシュフローマネジメントが主な業務でした。グループ会社が多岐にわたる中で、財務管理システムの導入により、効果的・効率的なキャッシュマネジメントの実現を目指しました。そのほか数千億円規模の海外機関投資家向け株式売出しプロジェクトのPMOにも携わりました」

リクルートで充実した日々を過ごし、成長を実感していた萱原ですが、30歳を目前にキャリアを考え直します。

萱原 「次第に成果につながる機会が増えてきた一方、成長痛を感じるようなヒリヒリするような場面が減ってきたように感じたんです。周りを見渡すと、同世代の友人はスタートアップで経験を積んだり、起業をしていたりで、私も何か大きなチャレンジをし続けないと、5年先・10年先に大きな差になるなと感じていました」

そのタイミングでfreeeからスカウトメールが届きました。萱原は何人かと面談をするうちに、「freeeはおもしろい会社かも!」と感じたと言います。

萱原 「上場して数年が経ち、これから新規事業やM&Aを通じて、さらなる非連続な成長を目指しているというおもしろいフェーズだとわかりました。

また、『スモールビジネスを、世界の主役に。』というミッションを掲げ、社会の進化を大切にしているカルチャーにもとても共感しました。新卒の就職活動で大切にしていたことにもマッチしていました。

さらにスカウトを受けた財務企画(FP&A、Financial Planning & Analysis)ポジションについて、これからチームを立ち上げていくフェーズだと知ったことで、これまでの経験を活かして、試行錯誤しながらいろいろなチャレンジができそう!とワクワクしました」

こうして2022年1月、萱原はfreeeに入社し、財務企画チームの2人目のメンバーになりました。

萱原がfreeeの財務企画チームの役割を語ります。

萱原 「全社事業計画の策定と、事業計画に基づく全社予実(予算/実績)管理の2つが主な役割です。そのほか、M&Aへの関与や、全社経営戦略の検討に必要な分析なども行います。

事業計画は、3〜5年の中長期計画と、単年度予算の2つに分けられます。ミッションの実現に向けて、中長期的にどのような戦略で何を目指すのかを決め、“事業計画”という財務数値での表現に落としていきます。その後、中長期計画に基づいて単年度予算を策定していきます。

事業年度が始まると、策定した予算に対する進捗を確認すべく、予実管理を行います。予算と実績のGapは何か、Gapを踏まえると将来の見通しは予算を上回るのか下回るのかについて、各事業部とコミュニケーションをしながら明らかにしていきます。また見通しをもとに、年度内の機動的な追加投資やコスト削減の提案も行います」

より未来にフォーカスするために導入した「見通しアップデート」

上場した後、freeeでは「予算」と「実績」のGapを把握するだけでなく、「将来見通し」をリアルタイムに可視化することで、よりスピーディーに適切な経営判断を実現しようと試みていました。

萱原は入社後、その取り組みを実装する体制づくりから業務を始めました。

萱原「これまでの経験を参照しながら、どのようなプロセスが良いか議論を重ねました。案が固まり、当時のCFOである東後 澄人に伝えると、『まずはその案でやってみましょう!』と背中を押してもらえました。

各事業の予算オーナー・担当者とミーティングを行い、将来見通しをリアルタイムにアップデートすることの意義・重要性を説明し、関係性を構築していきました。その後全社ミーディングでの告知を経て新プロセスの運用を開始しました」

財務企画チームは、各方面からのフィードバックをもとに改善を繰り返しながら、「見通しアップデートプロセス」を進化させてきました。

萱原が1年間の取り組みを振り返ります。

萱原 「さまざまな関係者と協力して、将来見通しのアップデート・可視化を行うようになった結果、事業のコンディションをリアルタイムに具体的な数字で経営陣にレポートできるようになりました。また、追加的な投資余力も可視化でき、機動的に新たな投資を行うことも可能になりました。

今回の取り組みが、未来の事業成長のために、必要な意思決定を促すためのものだという趣旨を、さまざまな方々に理解いただけたことが、導入&運用を進めていくのにとても大切だったと思います」

萱原が入社からこれまでの日々を振り返り、FP&Aとしての今後の目標を語ります。

萱原 「入社後1年間で、将来見通しのアップデート・可視化のほか、事業計画策定にも関わってきました。freeeのビジネス・組織ともに大きな変革期にある中で、日々新しい挑戦ができているので、転職して良かったなと感じています。財務企画チームは、これからさらに仲間を増やしていくフェーズなので、グループダイナミクスでより大きなインパクトを作れるようにしたいですね。

財務企画チームの仕事は影響範囲が大きいので、小手先ではなく、本質的かどうかを考え抜き、いろいろな観点を考慮しながら、最適解を導く必要があります。これからも財務数値が意味する背景を大切にしながら、業務を通じて事業成長をレバレッジさせ、社会の進化を加速させていきたいです」
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