茨木のりこさんという詩人はご存じですか?
とても印象的な詩人です。1926年生まれの詩人、エッセイスト、童話作家、脚本家です。
「わたしが一番きれいだったとき」「倚りかからず」など多くの作品を残しています。彼女の代表作である、「自分の感受性ぐらい」という詩は当社の社長のお気に入りでもあります。
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ここから引用
この詩を知ったのは、大学時代でした。
その頃のわたしは怖いもの知らずで、
妙に自信満々でした。(苦汗)
若さゆえに言葉も素行も荒く、
ときに、人を傷つけてしまうような
言動も多かった頃でした。
そんな時に、この詩に出会い
ハンマーで頭を殴られたような衝撃を得たことを覚えています。
最近、連続して起こっている高速道路でのバス事故等々、
悲しい事件の本質的な原因は、
すべて 「 人の心 」にあるような気がします。
ニュースを見ていて、
茨木のりこさんの詩をふっと思い出しました。
「 自分の感受性ぐらい 」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
こんな混迷の時代だからこそ、先人の言葉が輝きをまして映る。
この詩を読むと、頑張ろう!と思えるのです。
引用ここまで
https://enbridge.jp/post-0-19/より
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https://www.vogue.co.jp/lifestyle/article/the-beauty-of-language-noriko-ibaragiより
茨木のり子さんの言葉は現在の人々にも響く
白黒写真で見ると、とても昔の方のように思ってしまうかもしれませんが、茨木のり子さんはつい2006年までご存命でいらっしゃいました。
私たちと同じ時代を共有されていたという事ですね。
若いころ戦争・終戦を経験し、現在のように女性の権利もそれほど認められていなかった時代であっても、悲観に暮れることなく責任転嫁をせず、自らの在り方を内側に問うことができる。これほど強い意志のこもった言葉だからこそ、現代でも多くの日本人、世界中の人の心にささるのだと思います。
写真を見ても、時代を超えて美しく、かっこよく、それでいて優しそうな女性ですね。
私は個人的にこの詩を知ったのは社長のブログではなく、中川五郎さんが歌をつけた曲を歌手の沢友恵さんが歌っている詩でした。
中川五郎さんの歌う「自分の感受性くらい」 https://youtu.be/DMR8CJ4SM2M
中川五郎さんも、沢友恵さんも、凛として芯の通った力強いアーティストですね。茨木のり子さんを好きな人の特徴と言えるかもしれません。(社長もそうかもしれません)
理不尽でやりきれないこと、自分の思うようにならないこと、自分認めてもらえないことなどでフラストレーションを感じたときは、この詩に背中を叩いてもらえます。
自分の心に水をやって、今日一日も精一杯生きましょう!