「あらゆるデータを安全に利活用し、価値に変える」という事業コンセプトを基に、秘密計算を中心としたセキュアコンピューティングと、AIアルゴリズム設計・解析等を扱うEAGLYS株式会社には、多くのインターンがいます。
そんなインターンは、EAGLYSにどのようにたどりついたのでしょうか?
第1回の今回は、先日リサーチエンジニア インターンを卒業したばかりのMizogamiさんに聞いてみました。
<Mizogami Mariko>
早稲田大学創造理工学部経営システム工学専攻。学部2年時に早稲田大学グローバルリーダーシップフェローズプログラム5期生としてUniversity of California, Berkeleyに交換留学し、データサイエンスとビジネスを学ぶ。その他、Rice University研究留学、早稲田大学アントレプレナー育成海外武者修行“No Venture, No Victory Program"イスラエル派遣、学生団体Waseda AI Lab共同創設など。
_EAGLYSのインターンを始めたきっかけはなんでしたか?
はじまりは大学の先生の紹介でした。先生が呼んでくださったベンチャーカフェのロケットピッチの場で、有難いことにEAGLYSの取締役の丸山さんに引き合わせて頂きました。その後、丸山さんや他の社員の方と色々とお話をさせて頂き、インターンが決まりました。
他のインターンの皆さんの話を聞いてみると、Wantedlyで「暗号」や「AI」などのキーワードを使ってEAGLYSを見つけた人や、ピッチコンテスト等の受賞ニュースから捜し当ててきた人が多いようなので、私はちょっと変わったルートで入ったタイプだったのかなと思います。
_どんなことをやっていたのですか?
それぞれのインターンが少しずつ違うことをしていると思うのですが、自分の場合は情報系の学科出身ではないため、ずっとコーディングをしているというよりは、プロダクトに使えそうな機械学習の手法を調査したり、そうやって見つけた手法の論文を読みながら実装したりすることが多いです。また、プロジェクトに関わる社会情勢の簡単な調査を行うこともあります。
もう少し具体的に業務内容について話すと、プロダクトに使えそうな手法の調査では、まず初めに丸山さんから「今回のプロダクトで〇〇を達成するために□□というアイデアを試してみたいと思うので、それに合うような手法を探して欲しい」などといった概要の説明を受けます。この時点で目指すべきゴールを明確に理解していないと、せっかく調査したのに自分たちのケースには関係なかった、などといった悲劇が起きてしまう可能性があるので、しっかりとコミュニケーションをとってゴールの共有をすることを意識しています。
実際に手法を実装するときには、論文に載っているモデルをそのまま使うことはほとんどなく、大抵の場合は自分たちのプロダクトにあった形にチューニングする必要があります。ここでは、論文のモデルのアーキテクチャや使われている関数を理解し、論文の目指しているところと、自分たちの目指すところの違いをきちんと把握することが大切だと思っています。
_元々、理系ではありますよね?
所属は創造理工学部経営システム工学科なので、自分では文系よりの理系だと思っています。大学でビジネス、情報技術、生産工学などを幅広く学ぶ中でC++やJAVAに触れ、情報学に興味を持ちました。その後、UCバークレー留学やライス大学での研究インターンを通してデータサイエンスは学んでいたのですが、EAGLYSでの業務はより高度なコンピュータサイエンスに関するものが多く、最初は色々とわからないことだらけでした。入社当初は、カラー画像が赤・青・黄の3色のチャンネルからなるという、画像処理の分野では誰もが知っている常識すら知りませんでした、、(恥)
_そんな状態からどうやって学んでいったのですか?
スタンフォード大学での授業動画を観たり、まとめサイトを読み漁ったりして自分で勉強し、わからないところは情報系学科所属の他のインターン生や社員のエンジニアの方に質問する、の繰り返しでした。周りのエンジニアの皆さんはスキルがとても高いにも関わらず、ひよっこエンジニアの私にも親身になって色々と丁寧に教えてくださり、本当に有り難かったです。
この勉強法でもなんとなくの知識は身に付いたのですが、仕事で論文を読んでいく中で、モデルに関する数学的バックグラウンドを基礎からしっかり理解する必要を感じ、他のインターン生と社員さんにお勧めして頂いたディープラーニングの本を買いました。このようにEAGLYSでは、周りのエンジニアの方が勉強の道しるべとなって、おすすめの教材やちょっとしたエンジニアとしてテクニックなどを共有してくださることがよくあります。また、十分にレベルが高いにも関わらず、常に新しい手法や言語を勉強し続けているエンジニアの皆さんに囲まれていると、自分も頑張らなくてはと良い刺激をもらえます。こういった意味で、EAGLYSにはエンジニアとして成長できる環境が整っていると思います。
情報系のバックグラウンドがあまりなかった入社当初は、先輩が高速でターミナルを操ってパソコンの環境を整えてくれる姿を見て、私ここでやっていけるのかな?とだいぶ不安になったりもしましたが、今ではプライベートで自分のデータを管理する時でもターミナルを使うようになりました(笑)普段の業務のメインは機械学習に関するものですが、EAGLYSで働く中で、自然とその他のパソコン周りのスキルも身に付いていたのだなあと思うと、ささやかな成長ではありますが嬉しい気持ちです。
_1年でとても大きな変化ですね。
_インターンは、EAGLYS以外にもしていたのですか?
企業でのインターンはEAGLYSが初めてでした。これまで、大学でリサーチインターンとして活動したことはあったのですが、企業でのインターンでは会社内のダイナミクスを肌で感じることができる点が大きな違いだと思います。
_具体的にはどんなことですか?
EAGLYSはベンチャーだということもあり、オフィスで仕事をしていると、社員の方々がどのように技術をビジネスに落としこんでいるのかや、それぞれの役職の人がどのように関わって会社が回っているのかなど、いるだけで学べることが沢山あります。ここで働きながら会社というものの在り方をみることで、将来自分がどのような仕事をしたいのかを考える際に、より具体的なイメージを持てるようになりました。
また、リサーチインターンでは研究に集中してましたが、EAGLYSでのインターンを通して、技術を学ぶだけでなく、それをどのように実社会で活用し、ビジネスとして成立させていくのかというところまでを意識するようになりました。エンジニアとしてもビジネス的視点を持つことは大切だと思うので、よりビジネスへの意識を高めてくれるEAGLYSでのインターンはとても貴重な体験になっています。
_EAGLYSのインターンってどんな感じですか?
EAGLYSでのインターンは、もちろん仕事ではあるのですが、勉強させてもらっているという感覚が大きいです。大学の友人と話していると、スタートアップのインターンは働きすぎて大変だとか、大企業でのインターンだとなかなか融通がきかないなどのエピソードを聞くことがよくあります。EAGLYSでは、一方的に業務を振られるというよりは、課題として興味のあるなしをしっかり聞いて、選択肢を与えてくれていると感じています。また、あまり経験のないことであっても、やる気があればなんらかの形で挑戦させてもらえると思います。
例えば私の場合は、エンジニアとしてはまだまだ未熟ですが、留学経験のおかげで語学は得意なので、英語論文のリサーチや翻訳だけをさせるのが、会社として一番“効率の良い使い方”だと思うんです。でも、ここでは今ある実力でできることだけではなく、そこからより成長するための業務を沢山与えて頂きました。最近ずっと取り組んでいる画像処理関連のプロジェクトも、3チャンネルすら知らないのに「興味があればやってみてよ」と声をかけて頂いたところから始まりました。結果として、今ではGANやセグメンテーションモデルの実装ができるところまで育てていただくことができました。
他にも、EAGLYSでは勉強会に参加することができます。今は、機械学習系の新しい手法などをインターン生を中心に共有する勉強会や、カナダ出身の博士による暗号についての勉強会などが毎週開催されています。私は暗号の勉強会に参加していますが、数学が得意な人や英語が得意な人など、色々なバックグラウンドを持つ人たちが参加しています。英語のテキストを毎週読んで予習し、勉強会当日はより発展的な内容を学んだり、ディスカッションをしたりする形式です。テキストの予習はバークレー留学時代を思い出すくらい大変ですが、参加者同士で集まって行うカジュアルな事前予習会が楽しいので、なんとか頑張れます(笑)
こんな風に話すとさぞかし大変なインターンという印象を与えてしまったかもしれませんが、EAGLYSでは「常に学問が優先だから、大学が忙しければ無理しすぎないように」というのが鉄則なので心配はいらないです。勤務のスケジュールを組む際に非常にフレキシブルに対応して頂いたおかげで、大学やその他の活動と両立して続けることができました。
_かなり自発的に頑張る必要もありますよね。辛かったですか?
人によっては本当につらいかもしれませんし、今持っているものだけで勝負したいというこだわりが強すぎる人は向いていないかもしれません。また、EAGLYSでは、必ず使うかわからないけれど、どんどん新しい手法を研究して試してみるということがよくあります。やったことが必ず結果に結びつくとは限らないけれどチャレンジし続ける必要があるという点で、大学での研究のような部分があり、それが受け入れられない人には難しいと思います。
_去年はインターンでQiitaのアドベントカレンダーにも取り組んでいましたよね?
はい、EAGLYSのインターンは結構仲がよく、2019年、2020年と2年に渡ってQiitaの記事をみんなで書いていました。2020年はTensorFlow kerasを使ってSubclassing APIで機械学習モデルを構築したい方向け記事と、「今日から使える!エンジニア向け英語表現50選&メールテンプレ https://qiita.com/mm_918/items/e8a9eedc0fe30267097b」という記事を書きました。英語表現の記事は、社員のアメリカ人の方に助けて頂きながら仕上げました。
_EAGLYSってどんな会社でしたか?
EAGLYSは日本の会社ではありますが、なんだかんだかなりグローバルな会社だと思います。業務をしていても、英語を使うことが多いですね。
_英語が話せないとだめでしょうか?
そんなことはないと思います。ただ、怖がらずに英語を使ってみる姿勢は大事だと思います。特に理系の学生だと、普段英語を使う機会はあまりないと思うのですが、そんな人にこそ、EAGLYSは良い環境だと思います。英語スピーカーのエンジニアの方々が同じ空間にいたり、英語開催の勉強会があったりと、英語を使ってみる機会は沢山用意されています。また、周りにはバイリンガルの日本人エンジニアインターンや社員さんがいるため、必要なときにはサポートをしてくれます。この“程よいグローバルな環境”は、将来グローバルに活躍してみたい人にとって、良いスタート地点になると思います。
_どんな人にインターンに来て欲しいですか?
今後入られるインターンの方とは、勉強会等でご一緒することがあることもあるもしれませんが、EAGLYSは、自分のやりたいことがある人には沢山チャンスを与えてくれますし、「何か」がないけれど、いろんなことを来るもの拒まず夢中でやってみたいという人にも向いていると思います。ビジネスの現場を体験してみたい人、エンジニアといてスキルを伸ばしたい人、グローバルな環境に触れてみたい人など、誰でもやる気があればあたたかく迎え入れてもらえる場所だと思います。
_ありがとうございました!
EAGLYSでは、インターン、正社員をまだまだ募集しています。
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