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「自分で考えるな」。エンジニア研修でCTOが放った言葉の意味とは

エンタープライズ向けのクラウドサービスを開発するドリーム・アーツ。そこで行われる新卒向けエンジニア研修は、CTO自らが講師となります。
今年の受講者である3人の新卒エンジニアが研修を通して感じたこととは。
研修内容を振り返りながら思いを語ります。

エンジニア研修の概要

例年同様、CTO石田が講師となり5月から10月までの半年間、開催されました。
ドリーム・アーツにとってエンジニア研修とは、プロフェッショナルとしての一生もののスキルを身につけていくべく、土壌を整えるもの。
仕事で携わった限られた範囲の手グセではない、基礎知識をきちんと体系立てて整理し身につけることが、持っている知識を抽象化して活用できるようになるために重要と捉えています。
具体的には、TCP/IPのネットワークを使った通信の仕組みやデータベース言語SQL、iOS/Android開発など幅広く学ぶことのできる内容となっています。(研修の内容は記事の下部に記載)

今年からの取り組みとして、製品開発に携わっている先輩エンジニアが講師を務める回もありました。

過去のエンジニア研修記事はこちら

プロフィール

今堀 由唯
営業部署を経験後、サービス&プロダクト開発本部Shopらんグループ所属
南山大学大学院理工学研究科ソフトウェア工学専攻卒業。大学ではソフトウェア工学を専攻し学会などでも発表。学生時代はハッカソンに研究室のメンバーと出場、Hack U 2019 NAGOYAにて最優秀賞を受賞。
山本 将大
サービス&プロダクト開発本部Shopらんグループ所属
九州工業大学大学院学際情報工学専攻卒業。研究は制御工学系。学生時代はロボット製作部に所属し、レスキューロボットを製作。チャットシステムを作る会社でアルバイトを経験。趣味は体を動かすこと。学生時代は合気道を6年間続け、現在は週3日程度ジムに通う。
和田 明夢
CTサービス本部CT3グループ所属
法政大学理工学部経営システム工学科卒業。大学3年時に経営数理工学研究室に配属され、研究テーマはディープラーニングを用いた消費者物価指数の予測。大学時代に知人の美容院にサブスクリプションの決済システムを個人で開発。主にWebエンジニアとして活動していた。趣味は筋トレとサウナ。

学び方が大きく変わった、CTO直伝のエンジニア研修

―エンジニア研修全体の感想を教えてください

山本 研修では、あまり経験のない分野の知識を学ぶことができました。これまで学んでこなかった分野だったこともありますが、例えばUI/UXの回では未知の学問に入門したような感覚がありました。また、研修全体を通して技術の学習に対する態度が180度変わったように思います。

和田 学び方の土台が作れたと思っています。知識不足は仕方ないとして、学び方が間違っていたと感じました。学び方を教わることでキャッチアップのスピードが大いに変わりました。エンジニアとしての一種の勘が少し身に付いた感覚がありましたね。

今堀 全体の感想は2人がだいたい話してくれたので、私は石田さん(CTO)から教わったことにフォーカスした感想を話します。半年間、週1回、CTOの時間を使って教わるのはあまり聞かないかと思います。講義形式でただ教わるのではなく、どのようにコードを書くか、情報にどう行きつくかなど間近で見られるというのがとても貴重な経験です。
また、自分たちが作る過程を見守ってもらいながら、「どう調べるか、どう書くか」というプロセスの部分を指導してもらえました。

和田 確かに、石田さんが実際にどう手を動かしているのかはすごく参考になったよね。エンジニア研修が終わった後に石田さんがやっていたことをマネして、復習する回もありました。

―今までの学びと何が違いましたか?

山本 先ほど和田も学び方について触れていましたが、これまで何かを作る上で、場当たり的に調べて身につけていた知識が多かったと感じています。例えばフロントエンドの開発をしていたころは、まず動くものを作りたいからYouTubeやQiitaを参考にして開発しました。入り口としてはいいと思いますが、やはり体系的に知識を身につけた上で開発していくことが重要だと感じました。

今堀 研修を通して「企業で製品を作るとは」という視点が身につきました。学生時代はハッカソンなど、短期間でみせるものを作る経験が多く、その当時は「とりあえず動く」ことが重要で場当たり的な知識で凌ぐことができました。しかし、「企業で製品を作る」ではそうはいきません。たとえば、企業で製品を作る場合はどうしても「改修」が必要になります。改修といっても不具合を修正するだけではなく、機能の追加や削除もあります。機能が増えても減っても動き続けなければいけない。そうなると、場当たり的な知識だけではダメだと感じました。

山本 「長期的に使うことができるかどうか」も、企業ならではの視点だよね。学生の時って長く使ってもらうって視点あまりないパターン多いよね。

今堀 企業の製品ってことだと開発する人の入れ替わりもあるよね。チーム全体でお互いのコードが常に読み解ける、読み解いてもらえる状態にしておかなければいけない。この視点も個人開発だと忘れがちになってしまうなと。

エンジニアとしての土台づくり

―印象に残っている回はありますか?

山本 私の場合は最初の感想でも言ったようにUI/UXの回が衝撃でした。これまではデザインには「センスが必要」みたいに片付けてしまっていましたが、UI/UXの研修では「デザインにはルールや法則性がある」と教わって、かなり衝撃を受けましたね。研修内の課題制作を通してルールを具体的にどう使うかというところまで指導してもらったので学習のスタートとしてとてもいい経験になりました。

和田 「センスが必要」に片付けてしまったという点だと、僕はセンスじゃないのは分かっていたけどどう調べたらいいか、どう勉強したら良いかが分からなかったんだけど、そういう感じ?

山本 まさにそう!デザイン本を図書館とかでパラパラめくってみても、全く活かせる雰囲気を感じられなくって。何から始めたらいいかわからなくて、挫折してしまったんです。だから都合よく「センス」に押し込めていた感じ。そういう意味でも研修を通してデザインの入門ができたなって感じかなあ。

和田 すごく分かる。自分も「とりあえず動く」ことを優先して勉強を後回しにしてきましたね。デザイン面で同じコンセプトを持ったアプリを参考にするけど、なぜそうなっているのか、そのデザインを実現するためにどういった実装が必要になるのかを事前に考えることができなかった。いつもその場しのぎで問題を解決してしまっていましたね。

今堀 2人の言っていることに近いですが、私は、研修全体を通して「自分のできていなかったこと」に気付けました。たとえば、いままではすぐ手に入る情報に目がいきがちで、ドキュメントのような公式の情報から探せていなかったです。すぐ手に入る情報で事足りることもありますが、汎用性・効率性の観点から、公式の情報を確認すべきでした。全体を通してそれじゃダメだという意識改革ができたと思います。

―エンジニア研修を通してどういうところが変わりましたか?

山本 研修を通して石田さん(CTO)から「自分で考えるな」ということを何度も言われました。自分で編み出した方法でコードを書いてしまうと、そのときは満足できるかもしれません。ですが、それでは、他の人は読めなくなってしまったり、時間が経ったら読めなくなってしまったりします。
また、今堀も言っていましたが、公式ドキュメントを重視するなど「自分で考えない、やり方を編み出さない」という意識が強くなりました。

和田 「自分で考えない、やり方を編み出さない」。この意識を持つことがものすごく大事だと思った一方で、これを実現するのって結構難しくない?

山本 そうだね。今すぐに石田さん(CTO)みたいになれるとは思っていないけど、さっきも言ったとおり公式ドキュメントを読むとかは今すぐにできることなんじゃないかと思う。小さいところから始めていきたいよね。

和田 小さいところから始めるっていう話だと、“引き出しを増やす”ことも大事だよね。公式ドキュメントを読むだけではカバーしきれない部分は当然出てくるので、調べても出てこないような情報をどれだけ持っているかがポイントになると思います。

大企業を支えるエンジニアとしてどう向き合うか

―「自分で考えない」意識が、エンジニアとしてだけではなく企業として製品を提供する上で非常に重要だという印象を受けます。

今堀 そうですね。石田さん(CTO) が実際に手を動かしている場面を見て、自分の考え方の違いや実力不足を目の当たりにしました。まだまだ「自分で考えない」を無意識的にできるようになるまでの道は長そうです。

和田 「自分で考えない」意識が重要である一方で、「自分で考えない」を実現するには意識と知識の2軸があると思います。「意識」は今すぐにできることかもしれないですが、「知識」を身に付けるには長い年月を要します。「自分で考えない」意識と「知識を蓄える」習慣を持って、日頃10分でも知識を身に付けることから始めていきたいですね。

今堀 あと、「自分で考えない」意識はエンジニアリングだけではなく普段の業務でもすぐに活かすことができました。今の部署に配属される前は営業の部署に所属していたのですが、先輩の面談動画を見て、真似しながら面談練習をしていました。参考にできるものがあるのに参考にせずに自分で考えていたらと考えると。。。これも、自分で考えない意識を持てたからできたことだと思います。

―今後どういうエンジニアになりたいですか?

今堀 具体的にこうなりたいというものがあるわけではないですが、興味・勉強を絶やさないようにしたいと思います。今までにも何に役立つかわからないけど、ある時ふと役だったなと思える場面があった気がします。引き出しを増やすじゃないですけど、今すぐに役立つからやる、役立たないからやらないではなく、興味を持ったことや分からなかったことなど、何ごとにおいても興味・勉強を絶やさずに行きたいと思います。いつかこうなりたいと思うものができたときに、やっておいてよかったと思えるようなことをしていきたいですね。

山本 お客さんにとって本当に必要な製品を作れるエンジニアになりたいと思っています。導入することで「日頃感じていた煩雑さから解放された」とか「仕事が楽になった」と言われるような製品、あるいは「これなしではやっていけない」と言われるような長く愛される製品を作っていきたいです。

和田 自分はこれから開発がメインではなく、お客さんと話しながら要件定義をすることがメインの業務となります。長く使ってもらう製品を作っていくためには、お客さんの目の前の要望をただ叶えることがすべてではありません。ずっと使ってもらうためにも、“開発側からの視点”を持ち合わせる必要があります。お互いが妥協できる点を探りながら納得するような平均値を取る形ではなく、双方の「どうあるべきか」を考え譲れない点を探りながらお互いにとっての最大公倍数を見出だせるのが理想のエンジニア像です。あとは実践あるのみ。たくさん失敗して、小さな成功体験を積み重ねて、大きな成功を掴みたいですね。

いかがだったでしょうか。
ご覧の通り、エンジニア研修は、ただ技術をインプットするというよりも、エンジニアとしての土台を作る貴重な経験になっています。直接役立つ技術だけでなく、これから先スキルアップしていくための考え方を学べる研修はドリーム・アーツならではだと思います。

■研修の詳細はこちら

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