インターネット業界は特に変化や競争が激しい業界として知られている。その中にあって、事業を共に進めていく社員は、最も大事な存在でもある。しかし、私たちは「同質化」することを良しとしていない。むしろ「多様化」こそが大切と考えている。それはなぜなのか?「多様性を推し進めるワケ」を前回に引き続き津元社長に聞いた。
イノベーションは「武器」にも「盾」にもなる
――そもそも多様性を実現することによって何が生まれると思っているのですか?
端的に言えば「イノベーション」を生み出すものですね。今までになかったもの、これまでに存在してこなかったサービスは決まりきった考えや価値観からは生まれません。性別、年齢、価値観、生まれ育ってきた環境などに関わりなく、多様な者同士が集まるからこそ、「社会にインパクトを与えるもの」を生み出せるのだと思っています。そしてイノベーションこそが会社を守る盾にも、攻める武器にもなりうるものだと考えています。
――イノベーションは今のDiverseになくてはならない要素なのですね。
そうですね。
LINEとYahoo!の経営統合からもわかるように特にインターネット業界は、本当に変化と競争が常に激しい業界でもあります。明日世界が変わってしまう破壊的なサービスが、いきなり発表されるかもしれない。国内外問わず、巨大プラットフォーマーががマッチングサービス領域に秀逸なストーリーを持って参入し、シェアを奪われてしまうかもしれない。
私達はその不測の事態を考え、いつも「仕掛けて」いく必要があります。手元にどれだけ強いカードを持つことができるか。
それは、イノベーションを実現することにかかっている、といっても過言ではありません。
多様性の醸成がイノベーションには不可欠である
――イノベーションがDiverseの競争優位性を高める、ということはわかりました。ただ…いきなりイノベーションを起こすって難しいことですよね?
はい、昨日までなかったものが今日いきなり現れるなんていうマジックはありませんから(笑)、その仕掛けを生み出すには「イノベーションを起こせる」下地が必要です。下地の原料となるのが「多様性」だと思っています。
――多様性とひとくちにいってもさまざまな捉え方がありますよね。
そうですね。もちろん人種や性別、言語の違いといったことも多様性に含まれますが、実は表面的なことに過ぎません。より本質的な多様性の理解が必要です。「イノベーションを起こす」ための多様性に限定して話をすると、2つの段階があると考えています。
STEP1:意見が違っても良い、自由な価値観を認め合う
STEP2:失敗しても良い、チャレンジに価値を見出す
ここで間違えてほしくないのは、STEP1の時に「自分の意見とは違う他人の意見を、無理して受け入れなくて良い」ということです。
――えっ、受け入れなくてよい?
はい、受け入れる必要はありません。あ、そういう意見もあるんだ。ふうん、そうなんだ。という「知る」程度に留めれば良いのです。競争戦略で著名な楠木建先生の言葉を借りれば「尊重するけど無関心」という感じ。1つの意見を「良い/悪い」と自分で勝手に翻訳しないでほしい、ということですね。
――なるほど、まずは出た意見そのものを尊重するということですね。それができたらSTEP2に進めば良いのですか?
そうです。前の段階で「こういう考え方もあるんだ」という見識が深まったと思います。見識が深まったところで、「自分だったらこう考える」「こういう風にしてみたい」といった具体的な施策を行動に移していく。それがSTEP2であり当社のバリューでもある「Fail Fast」です。
チャレンジすることが評価になる。失敗こそ宝物、の精神で
――多様性があるからこそ「Fail Fast」できる。ようやく見えてきました。
ただ率直に言ってみんな失敗したくない、という気持ちがあるのだと思います…!
バリューに掲げているとはいえ、難しいことだとは思います。こればかりはもう経験していくしかない。実際私もいろんな新規事業をやっては、ことごとく失敗してきました。。ジョインしてくれたメンバーには大変申し訳なかったと思いつつ、ただ結果として、「自分の抽象度がまだまだ低かった」という検証ができ「成功するにはこういうものが必要」という経験ができました。本当に宝のような経験だと思っています。スタッフの方も頭で考えすぎずに、「ゲーム感覚」で良いので、新しいことにどんどんチャレンジしていってほしいですね。
チャレンジした際の仮説検証等の振り返りはマストですが、Diverseは小さい失敗は気にもしていません(笑)。それが評価に響くこともありません。むしろ失敗したら加点するぞ、くらいの勢いです。「失敗こそ宝物」の意識で取り組んでほしいですね。
――改めて多様性の重要性がわかった気がします…!
私、改めて「Diverse」ってすごく良い社名だなって思ってるんです。だからこそ早く社名に追い付かないといけないな、って。今いるメンバーと、そしてこれからジョインして来てくれるであろうメンバーとどんどんチャレンジしていきたい。
今はそんな気持ちでいっぱいです!
ーー津元さん、ありがとうございました!
次回以降もDiverseの「今」をお伝えしていきます。
どうぞお楽しみに!