キャロリン オカベ さん
2019年デル・テクノロジーズへ入社。シニアディレンターおよび日本の人事部門責任者を務める。
前職はモルガンスタンレーにてタレント開発・D&Iのアジア責任者など人事マネジメント領域に携わる。東京、ニューヨーク、香港で勤務後、デル・テクノロジーズでは日本オフィスに所属。
デル・テクノロジーズ株式会社(以下デル)の人事本部長キャロリン オカベ氏に、デルの人事の取り組みや人材に対する考えをインタビューしました。
人事本部長が語る、今のデル・テクノロジーズ
デルはダイレクトモデルでビジネスをスタートさせ拡大してきましたが、決してそれだけではありません。その後何度も変化しています。
特に2000年以降はM&Aを通してポートフォリオの幅を広げ、今はITプラットフォームからソフトウェア、サービスまで提供する総合ITソリューションベンダー。
現在はソリューション提供がビジネスの主軸となっています。
ビジネスの変革に伴い、社員に求めるコンピテンシー(行動特性)も変わりつつあります。
非常におもしろいフェーズです。
― 具体的にどのように変わってきていますか
パソコン分野で先駆者たちを追い越す夢から始まり、世界トップクラスのシェアを獲得。そしてハードウェア市場にとどまらずITサービス市場へ参入しました。
サーバ、ストレージとネットワーク、ソフトウェアなどポートフォリオの幅を広げ、ソリューションとして企業に提供できるようになりました。
2016年には世界最大規模のストレージベンダーであるEMCと合併。
現在は ハイブリッドクラウド、エッジ、5G、AI/ML、データマネジメント、セキュリティーの6つを重点領域として製品・ソリューションを開発しています。
― 事業が変革する中で、今はどんな方々が活躍していますか
活躍する人に共通することは、常に好奇心を持っていること。
テクノロジーという業界特性もありますが、新しいことにチャレンジしたり新しいやり方にトライしたりしてみるなど、学び続けることへの好奇心が必須です。
私たちは社会に変革をもたらすリーディングカンパニーを目指しているので、個人としてもその姿勢が大事です。
次に関係を築くコミュニケーション力。
お客様のニーズが多様化していることで、それぞれの課題を解決するためにはステークホルダーが増えます。社外ではクライアント企業内の複数部門やパートナー企業、社内ではチームメンバー以外にも技術のスペシャリストなど。誰と向き合うにせよ良い関係を築くコミュニケーション力は必須です。
あとはパッション(情熱)ですね!
内勤・外勤営業、プリセールス、コンサルタント、テクニカルサポート、マーケティング、リクルーター・・
どの職種でも、その分野に対するパッションが強い人ほど自ら進んで道を切り拓ける。
イニシアティブをとれる人、オーナーシップを持って物事を進められる人が抜きん出ていると感じます。
出身業界は関係ありません。
経験のダイバーシティ、考え方のダイバーシティが大切。
対峙するお客様がIT担当者だけに留まらない今、お客様の真のパートナーになるためには「ビジネスそのもの」を考える力が求められるからです。
チャレンジを促すデルの仕組み
Job Showcaseという社内向けの職種説明会を定期開催しています。
同じ会社であっても部署が異なれば業務について詳しく知る機会は少ないですよね。
世界中でビジネスを展開するデル・テクノロジーズの中にどんな仕事があるのか?その部署でどんな技術を扱っているのか?
まったく違う仕事もあれば、似ているけれどタイプが少し違う仕事など、様々な可能性があるわけです。
説明会を通して、社員それぞれが自分の望むキャリアを描くきっかけとなるよう現場主導で開催しています。すでに延べ1,000人が参加していますよ。
話を聞いたりセッションへ参加したりしてみて、エントリーしないことも選択肢のひとつだと思います。
こういった機会を活かし、自ら積極的に動ける人がデルという環境を楽しめる人ですね。
ー 外資系企業の多くはポジション採用ですし、そういった制度の存在は意外でした!
Internal Promotion (社内異動/昇格)も活発ですよ。
現在は特に、ここ数年のなかでもInternal Promotionに注力しています。
この下半期は転職による入社者よりも社内昇格者のほうが多かったほど。
確かにひと昔前まではキャリアパスがない、社内異動できないといった声がありました。
クチコミサイトなどでインサイドセールスから外勤営業にキャリアチェンジしにくいといった投稿も見られます。当時はマネージャーが異動したい部下を留めてしまうことも散見されました。そうなるとメンバーが自分の希望を伝えられず、結果的に辞めてしまうという悪循環が起きてしまいます。
会社としてこの状況を深刻に受け止めました。
組織単位で社員を捉えるのではなく、会社として活躍してもらうことを優先しようと。
マネージャーであっても役員であっても、やりたいことがある個人を止める権利は誰にもないですから。
役員会で話すトピックの半分以上は「社員の昇格」についてです。
それくらい重きを置いています。
ビジネスを変革する中で、どのように社員ひとりひとりに一段上の仕事をやってもらうかは経営の重要課題です。
ー 現場マネージャーの意識も変化しているのでしょうか
ポリシー策定やツール導入だけでは現場で機能しないこともありますよね。
私たちは役員レベルで変革を推進することにコミットしています。
たとえば、Tell Dellと呼ばれる全社サーベイが年に1度あります。
社員が回答し、会社とリーダーたちのスコアが可視化されます。
結果によっては役員が現場に関与しますし、会社の改善点は全社向けに発表し、その後の活動報告も発信していきます。
サーベイ結果を見ると毎年、キャリアをテーマに挙げる社員が多くいます。
成長意欲が高い人が多いなと感じます。
会社としてもキャリアディベロップメント(キャリア開発)ための投資にコミットしています。
人事の中にマネージャートレーニングを専任とするメンバーがいたり、営業組織の中にもセールストレーニングを担うチームが存在したりします。
教育に投資している環境だから、IT知識がない未経験の中途入社者も活躍できています。
研修環境も整っています。
Dell Technologies Learning Studioでカリキュラムを選び、オンラインでいつでも受講可能。
業務や学びたいものに合わせて、必要なときに必要なものを自分で選択できる点が好評です。
― カルチャーや社風を表すならどんな表現が当てはまりますか
柔軟性が高い。
例えば、昨年10月に大手町に本社が移転したのですが、担当業務の特性によっても異なるものの、出社は上司と相談の上で必要な回数だけというように柔軟な働き方を実践しています。
決められたルールで縛りすぎるのではなく、個人の裁量に任せる文化があります。
日本法人は3,000名規模ですが、世界に180以上の拠点があり従業員も16.5万人以上います。
まさに「ビックカンパニー」。
デルのなかに可能性がどこにでもあると言えます。
人事システムを介して世界のあらゆる拠点のポジションが確認でき、応募できます。
会社都合で突然辞令が出たり、自分の意志とは無関係に突然キャリアが変わることも基本的にはありません。今の職務にいながら、他の分野に興味があれば自分でキャリアを探索してステップアップに挑戦できる。
自分のキャリアは自分で作るんです。
Drive your career。私たちがよく使うメッセージです。
― キャリアを築くために求めたいことは
キャリア公募制ということもありますが、まずは自分が何をしたいのかを知ることが大事。
そのうえでマネージャーへ伝えれば、組織としてサポートしていく環境です。
― キャロリンは外資金融など他業界の経験もありますが、比較するとデル・テクノロジーズはどんな会社ですか
エシカル(倫理的)な企業です。「w」として9年連続で認定されています。
カルチャーコードに「インテグリティ」(誠実さ)がありますが、誠実であることがデルのビジネスの基本とされていて、社員それぞれのコアコンピテンシーにもなっていると言えます。
― グローバルの力が強い会社ですか
もちろんCEOやグローバルのボードメンバーが定めた方針がありますが、それを踏襲しつつ各地域に合わせた戦略を取るのが特徴です。
特に今、日本は重要なマーケット。
日本には日本に合ったやり方を採用する必要があります。
いちばんお客さまを知っているのは日本の現場です。
デルのカルチャーコードに「カスタマー」(お客様)がありますが、カスタマーファーストも当社で求められる姿勢です。
日本マーケットにおけるDX
私たちのお客さまは、個人事業主から日本を代表するビックカンパニーまで幅広い。
いわばカスタマーダイバーシティに対応する必要があります。
お客さまのフェーズに応じて課題も目指したい未来も異なります。
最先端のテクノロジーで劇的な変化を求めるケースもあれば、一歩ずつ着実に変革を進めたいケースまで様々。やっぱり必要なのはカスタマーファーストの視点ですね。
売りたいものを売るのではなく、カスタマー起点でお客さまと一緒に未来を描ける人が求められます。
少しのストレッチの連続がボリュームを帯びてくれば、日本マーケット全体で大きな変革になると信じています。
そんなビジネス環境のなかで、デルという大きな場所を活かしてキャリアを作っていくことはとても楽しいと思います。
基盤となるハードウェアを武器に、リーディングカンパニーとしてマーケット変革を目指すデル・テクノロジーズ。世界的ビックカンパニーが今、ビジネス変革の真っただ中にいます。
過去に囚われていては成長はありません。タレントの多様性を求めるのもそんな理由。
無限の可能性があるデルの環境でキャリアを描いてみませんか。