今回は、UI/UXデザイナーとして入社し、現在はVRコンテンツの3Dも手がけるデザイナーに話を聞きました。スマートフォンゲームの2DイラストやUI/UXデザインの制作を行ってきた中で、VRは新たな挑戦。「どうすればユーザーにとって最適なUI/UXになるのか」研究し続けた熱意の源は、これまでの経験で身についた「おもてなし」の心でした。
■プロフィール
学生時代から趣味として絵を描くことが好きで、ゲーム業界にてイラストレーターとしてのキャリアを歩み出すことに。イラストレーターとしてスキルを着々と積み上げ、有名IPを扱ったゲームではUIに挑戦。その後はUIデザイナーとして転職し、海外ゲームのUI/UXデザインにも携わる。ダズルにもUI/UXデザイナーとして入社。得意なUI/UXデザインはもちろん、新たなチャレンジとして3Dデザインを学び、現在では「ワンオペバーガー」「ワンマンバーガー」をはじめ、新規案件でもVRコンテンツに積極的に取り組む。
■文字通り「ゼロ」からスタートしたデザイナーとしてのキャリア
デザイナーとしてのキャリアの出発点は2Dイラストレーターでした。趣味で絵を描くことがずっと好きで、それを活かしていける環境に踏み出すことができたのが始まりです。しかし、学生時代はデザインとは無縁の学校に進学していたので、当時はまさにゼロからのスタートでした。
2Dイラストレーターになってからは、一つ一つ着実にスキルを学んでいきましたが、大きな転機は某有名IPゲームにてUI/UXに携わらせてもらったときです。元々2Dイラストレーターとしても一つ一つ実務でスキルを覚えていったので、UI/UXに関してもゼロから始めることに抵抗はありませんでした。むしろ、新たなチャレンジができることにワクワクしていたことを覚えています。
その後はUI/UXデザイナーとしてスキルを磨きたいと考え、同じくゲーム業界の会社にUI/UXデザイナーとして転職。そこでは海外ゲームに多く携わってきました。海外ゲームだと、当時は箱庭系やパズル系のゲームが多かったので、UIの雰囲気もゆるいものが多かったです。新規案件にも複数携わり、落ち着いてきた頃、ネイティブアプリのゲームに携わってみたいと考えるようになりました。当時は、ネイティブアプリがゲームでも徐々に増えてきていて、ブラウザゲームでは実現できなかったことにも挑戦してみたいという思いがあったんです。
そこで、ダズルのメンバーとの出会いもあり、UI/UXデザイナーとしてダズルに入社しました。
■「おもてなし」の気持ちが、ユーザーにとって最適なUI/UXを創る
ダズルに入社してからは、そのときの状況に応じて足りないところをやっていきました。案件次第で2Dイラストを描くこともあれば、UI/UXデザイン制作をすることも。時にはディレクションも担当しました。そうした中で、ダズルで「VRコンテンツを作ってみたい人」を募る場面がありました。ダズルでは2015年末からVRの研究開発をはじめ、2016年4月にVR市場へ参入しましたが、まだまだ社内でも手探りの状態。そのときに手を挙げたのがデザイナーで私一人だったんです。VRに元々興味があったので、「ラッキー!」と思いました!そのときアサインされたのが「ワンオペバーガー」のプロジェクトです。
ワンオペバーガーでは元々UI/UXを担当していました。VRのUI/UXは、スマートフォンゲームのそれとも異なります。デバイスにもよりますが、タップや目線しか使えない中で、配置がスマートフォンと同じで良いわけがありません。「VRでの最適なUI/UX」を研究するために、当時は社内でGearVRを使いながらひたすら研究をしていました。
中でも、行動心理は研究しましたね。「困ったときに、人は目線をどこに向けるだろう?」「日常生活で時計を確認するとき、VRでも同じ動作だったら分かりやすいかも?」など、実際に自分でも動きながら研究しました。
こういった研究は、最適なUI/UXデザインの設計のためはもちろん、「ユーザーへのおもてなし」が根底にあると思っています。「思いやり」に近いかもしれません。もてなす気持ちをもっていれば、「この状況のときに、ユーザーはこんな気持ちになるから、こう設計しよう」というものが見えてくる。けれども、もてなす気持ちがなければ、ユーザーにとって面白い、あるいは親切なUI/UXはデザインできないのではないでしょうか。
これは仕事全般でも大切にしている考え方で、フォルダ整理の仕方などの細かい部分でも、次に使う人のことを考えるようにしています。その結果、「頼みやすい」と思ってもらえるようになったり、実際に頼んでもらえると嬉しいですね。
■やってみたいから、やってみる。そのチャンスを掴める環境がダズル
今後は、3Dデザイナーになりたいと思っています。 前述のワンオペバーガーでは、メンバーの人数不足から初めて実務として3Dを経験しました。当時、内装のモデリングを初めて自分で作ってVRで体験したとき、「自分で作った世界に、今いる!」と感激したことを覚えています。GearVRで初めて体験したときはもちろん感激しましたし、HTC Viveの高い解像度で体験したときはさらに感激しました。今は新規案件でフィールドのモデリングなどを制作していますが、まだいろんな人に聞きながら作っている状態です。
ダズルでは、チャレンジしてみたいことに対して、しっかりチャンスがある点がありがたいと思っています。新たなスキルも伸ばせますし、分からないことはメンバー同士教え合う文化もある。なので、ストレスは全くと言っていいほど感じません。
今後は、自然が多いフィールドなどこれまであまり作る機会の多くなかったものも含め、様々な3D制作にチャレンジしてスキルを磨いていくことが目標です。