今回は、D2C マーケティング&クリエイティブ事業本部の中核を担うクリエイティブチーム「IMG SRC STUDIO」で、「インスタレーションディレクター」として活躍する小原 翔吾さんのインタビューをお届けします。
「インスタレーションディレクター」と聞いても、どんな仕事かピンとこない方も多いかもしれません。Webサイトのディレクションとは一線を画す、その仕事の面白さや難しさ、そしてIMG SRC STUDIOならではの働き方について、熱く語ってもらいました。未知なる「体験」を創造する仕事の裏側を、ぜひご覧ください!

2020年 中途入社。主にデジタルとリアルの境界を超えた体験型コンテンツ制作に携わる。ディレクションに加え、自身でプロトタイピングや映像やサウンド制作を通じてXRやデジタルインスタレーション作品制作に取り組む。ハイブランドのイベントやギャラリー、商業施設でのデジタルインスタレーション、最近では先端技術のPoCやR&D支援を手掛ける。
——本日はよろしくお願いします!早速ですが、「インスタレーションディレクター」とは、具体的にどのようなお仕事なのでしょうか?独自な職種名ですよね。
小原: はい。Webサイトのディレクションと最も違うのは、僕らが向き合うのが「空間」であるという点です。Webサイトのように「このフローで、この作り方をすれば良い」という決まった型が存在しません。
まず取り掛かるのは、その空間のあり方、図面、どこに・どんなサイズで・どんな手法で映像や作品を置くのか、といった「状況把握」です。どの角度から見てもらうのか、あるいは特定の場所から見てほしいのか。「伝える側」がどう見せたいかと、「体験者」がどう見る可能性があるか。その両方を深く理解し、体験を定義するところから始まります。ここが最も難しく、同時に面白い部分ですね。
僕たちが手掛けるのは主にデジタルインスタレーションなので、映像や光(LEDなど)をどう見せるかがメインになります。ただ、僕たちの「こう見せたい」というアイデアをそのまま実現できるケースは稀です。空間や機材の制約、例えば「このサイズでしか出力できない」といった現実的な課題と向き合いながら、施工会社さんや機材会社さんと連携し、いい塩梅を狙っていく。スケッチで描いたものがそのまま形になることはほとんどありません。デバイスや空間の制約を「活かし」、すり合わせながら表現を調整していく。そこをディレクションするのが、インスタレーションディレクターの役割だと考えています。
「何を作るべきか」から伴走する。ビールミュージアム公式アプリ開発秘話
——なるほど。空間全体をディレクションする、非常にクリエイティブな仕事ですね。最近、小原さんが手がけたプロジェクトで、IMG SRC STUDIOらしさが表れているものがあれば教えていただけますか?
小原: ここ1年で大きな事例だと、ビールの工場見学ツアーの公式アプリ開発ですね。これは純粋なインスタレーションとは少し違いますが、僕たちの「体験を作る」という考え方が色濃く反映されたプロジェクトです。
もともとの課題は、ミュージアムツアーの体験価値をさらに高め、SNSなどでの拡散力を強化したい、というものでした。ご相談いただいた当初は、公式アプリを作ること自体は決まっていたものの、「アプリでどんなスペシャルコンテンツを作るか」は全くの白紙だったんです。
——「どう作るか」ではなく「何を作るべきか」から始まったんですね。
小原: はい。そこから伴走させてもらえるのが、IMG SRC STUDIOの強みであり、仕事の面白いところです。現地の展示パネルと連動するアイデアなど、たくさんの可能性を探る中で、「ミュージアムショップで商品を買った人だけが楽しめるARコンテンツ」という方向に絞られていきました。
私たちが特に意識したのは、ブランドメッセージをどうやって体験に落とし込むか、でした。ビールの特徴を洗い出して特徴に似た原体験を探したとき、ふとジェットコースターが思い浮かんだんです。頂上までゆっくり登って、一気に降下するときの「ワーッ!」という感覚。これをARで表現できないか、と。そうして生まれたのが「ジェットコースターAR」です。
——ビールを飲んだ時の爽快感をジェットコースターの体験で表したんですね!
小原: 企画が決まってからがさらに大変で(笑)。映像の絵コンテはもちろん、ジェットコースターのコースそのものをゼロから設計しました。figmaで平面図と立面図を描き、「ここはビールが注がれる期待感を表現するエリア」「ここは泡の爽快さを表現するシュワシュワコース」といったように、意味づけをしながら少しずつ解像度を上げていきました。
僕自身、音楽をやっていた経験を活かして、効果音制作や楽曲のアレンジも担当しました。最終的に、企画からクリエイティブ、テクニカルな部分まで深く関わり、ブランドの世界観を体現する体験を作り上げられたことは、大きな自信になりましたね。

体験設計の鍵は「アフォーダンス」。いかに無意識をデザインするか
——アプリやAR、現地のインスタレーションなど、様々な「体験」を設計する上で、共通して意識していることはありますか?
小原: 「アフォーダンス」を強く意識しています。
少し専門的な言葉ですが、例えば「椅子」を見れば、僕たちは自然と「座るものだ」と理解しますよね。でも、椅子という概念を知らない人にとっては、それは座るものではなく、何かを置く台かもしれません。アフォーダンスとは、モノが持つ形やデザインが、人の行動を自然に引き出す性質のことです。これを体験設計に活かします。例えば、「ここに手をかざしてください」と文字で書くのは簡単ですが、それでは空間の世界観を壊してしまう。そうではなく、デバイスがふわふわと点滅するなど、思わず手をかざしたくなるようなデザインを考える。
Webで言うUI/UXデザインに近いですが、僕たちの場合は空間全体がインターフェースになりえます。体験者が迷わず、ストレスなく「スタートライン」に立てるように、動線を緻密に設計してあげる。でも、一度体験が始まったら、あとはどこから見てもいい、という自由さも担保する。「ここまで誘導するけど、あとは自由に体験してね」というバランス感覚が、非常に重要です。そのためには、空間、ターゲット、体験する状況といったあらゆる情報を正確にインプットし、整理する力が不可欠です。
——なるほど。企画力や想像力だけでなく、情報を整理し、設計する論理的な思考も重要なんですね。
小原: まさにそうです。僕が尊敬するクリエイターの方々も「聞く力」の重要性を説いていますが、本当にその通りで。クライアントやチームメンバーの話を深く聞いていると、「本質はここじゃないか」というポイントが見えてくるんです。突拍子もないアイデアも時には必要ですが、プロジェクトを前に進める上で最も大切なのは、状況を正確に把握し、関係者全員が納得できるように分かりやすく伝え、情報を設計していく力。自分だけが確信していても意味がないんです。
IMG SRC STUDIOは「スタンドアローン・コンプレックス」な特殊部隊
——チームで作り上げることの重要性が伝わってきます。小原さんから見て、IMG SRC STUDIOはどんなチームですか?
小原: 一言で言うと、「スタンドアローン・コンプレックス」な組織ですね。僕の好きなアニメ『攻殻機動隊』に出てくる言葉なんですが。
——スタンドアローン・コンプレックス、ですか?
小原: ええ。「個々が自立した個人でありながら、明確な指示がなくとも、まるで一つの全体であるかのように同じ目的に向かって行動する現象」のことです。IMG SRC STUDIOのメンバーは、それぞれが圧倒的な専門領域を持っているプロフェッショナルです。でも、自分の領域に閉じこもらず、誰もがマルチに動ける。役職に関係なく、後輩に任せきりにせず自ら議事録を取る先輩がいたり、誰かが面白いプロトタイプを作ると、自然とみんなが集まってきて「もっとこうしたら面白いんじゃない?」と一緒に育てていく文化がある。明確なトップダウンの指示がなくても、みんなが同じ方向を向いて、時には良い意味でぶつかり合いながら、面白いものを生み出していく。まるで特殊部隊みたいだな、と思います。一人ひとりが自立しているからこそ、お互いへのリスペクトが生まれ、自然と助け合える。そこが大きな特徴ですね。
——IMG SRC STUDIOは、現在D2C Marketing&Creative事業部内の一チームですが、事業部の他のメンバーと連携したり、大きな組織の中にいるからこその面白さや強みを感じることはありますか?
そうですね。私たちは今までのIMG SRC の歴史で培ってきた独立した文化も大切にしていますが、マーケティングの専門家やデータアナリストなど、事業部の他のプロフェッショナルといつでも連携できるのが大きな強みです。『特殊部隊としての機動力』と『組織としての総合力』の両方を活かせるのが、今の環境ならではの面白さだと思います。

社内にはSTUDIOも完備。大きな組織だからこその設備も
専門性を武器に、チームで大きな挑戦をしたい仲間を待っています
——今後、どんな方と一緒に働きたいですか?
小原: いろんなバックグラウンドを持つ方に来てほしいですね。例えば、何か一つの領域を突き詰めてきた方。そのこだわりやプロジェクトの進め方は、この仕事に必ず活かせますし、思いもよらないアイデアの掛け合わせが生まれるはずです。それから、個人で作品制作などをしてきた方も大歓迎です。個人の活動では、どうしてもスケール感に限界が出てくることがありますよね。「一人でやってきたけど、もっと大きなスケールで、チームで面白いものを作りたい」。そんな想いを持っている方なら、IMG SRC STUDIOは最高の環境だと思います。リモートと出社のハイブリッドで柔軟な働き方ができますし、一人ひとりの成長をサポートする制度も整っています。
——最後に、小原さん自身の今後の展望について教えてください。
小原: この5年間、ディレクターとして独り立ちすることを目標に夢中になって走ってきて、少しずつ俯瞰して、肩の力を抜いてプロジェクトを見られるようになってきました。これからは、自分のルーツである「音」と映像や光を組み合わせたジェネレーティブアートなどにも挑戦していきたいです。
ディレクションだけでなく、自分でも音や映像を作る。そうやって制作にも深く関わることで、最終的なアウトプットのクオリティをさらに高めていけるような存在になりたいですね。
——熱い想いをありがとうございました!
いかがでしたでしょうか?
「何を作るべきか」という根源的な問いからクライアントと伴走し、論理的な思考とクリエイティブな発想を掛け合わせ、未知の体験を創造する。そして、その裏には「スタンドアローン・コンプレックス」なプロフェッショナル集団の存在がある。
この記事を読んで、IMG SRC STUDIOの仕事に少しでもワクワクしてくださった方、ぜひ専門性を武器に、私たちと一緒に「WOWな瞬間」を世の中に生み出していきませんか?ご応募、お待ちしております!