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世間をにぎわせがちなサイボウズの法務って、大変じゃないですか? ―知られざる「法務統制本部」のリアル。


2020 年、サイボウズは「がんばるな、ニッポン」というメッセージを打ち出しテレビCMを放映しました。新型コロナウイルスの影響が拡大するなかでテレワークの普及を訴えたこのCMには、さまざまな賛否の声が寄せられています。「サイボウズって思い切ったことをするなぁ」という印象を持った方も少なくないかもしれません。

当然ながら、どんなメッセージを打ち出すにしても、上場企業であるサイボウズには相応の責任が求められます。その砦となる部署が「法務統制本部」。部長を務める我妻未沙子さんは「(社内のアイデアに)できる限りノーとは言わず、一緒に社会への説明責任を果たしていくアグレッシブな仕事」だと説明します。

とはいえ、新しいチャレンジが好きな会社の法務・ガバナンスを担う立場には苦労も多いのでは……? 知られざる「サイボウズ法務」の裏側を聞きました。

(話を聞いた人)

我妻未沙子(あがつま・みさこ)さん。法務統制本部 部長。大手IT企業で薬事法(現・薬機法)に関するリーガルチェックを担当した後、子会社での監査や法務担当を経て2008 年にサイボウズ入社。社会人になって以来ずっと法務・ガバナンス畑を歩み続ける。



サイボウズの中でもかなり「硬派」な部署

――法務統制本部は、どのような役割を担っているのでしょうか。

我妻:サイボウズの法務とガバナンスを幅広く担っています。契約法務、機関法務のほか、社内のコンプライアンス教育や法定監査なども行っています。海外展開に力を入れていることもあり、最近では多国籍な法知識が必要とされる場面や多言語でのコミュニケーションも増えていますね。活躍できる領域はどんどん広がってきています。


――サイボウズは「働き方改革に関するお詫び」「がんばるな、ニッポン」、最近では「取締役の社内公募」など、世の中で議論を呼ぶ話題を次々と発信してきました。法務・ガバナンスを担う部署としては、苦労も多いのではないかと思うのですが……。

我妻:そうですね(笑)。

たしかにサイボウズは、チャレンジングなことが大好きな会社です。技術的には日々イノベーションを追求していますし、既存の社会の枠組みに不備があると思えば、コンプライアンスを重視しつつ、一石を投じていく役割を担っていると思います。


そうした活動において、法務統制本部としては「世間がどのように受け止めるのか」を冷静に考えていかなければならないと考えています。上場企業の法務部の責任として、社内では法律以外においても正論を言わなければならない場面が多いです。とにかくオープンに、率直に議論するサイボウズの中でも、かなり「硬派」な部署だと思います。


できる限り「ノー」とは言わず、社会への説明責任を一緒に果たす

――「正論を言わなければならない」というのは?

我妻:サイボウズは、悪しき心で行動することはありません。だけど世の中にはいろいろな価値観を持つ人がいます。当然、サイボウズの考え方に反対する人もいます。

例えば「がんばるな、ニッポン」のCMを制作している過程では、「発信する内容について説明責任を果たすことができますか? 」と関係者に問いかける場面がありました。盛り上がっているところに水を差す形でしたが、それでもこれは、社内で議論しておくべきことだと思いました。

ブランディングやマーケティングが達成したいことと、法律やガバナンスの面で大切にしたいことが相反することもあります。ときには社長の青野の考えに正面から意見することもあります。

つい先日も、法令違反の疑義がある事案について粘り強く議論したばかりです。経営者に対し、反対意見を申し述べるのは決して簡単なことではありませんが、それでも最後まで議論から逃げず、一緒に最適解を探していくことが、私たち法務統制本部の役割なんです。


――法律に照らし合わせて事務的に判断し、処理していくだけの仕事ではないということですね。

我妻:私は他社の事情を熟知しているわけではありませんが、伝統的な日本の大企業では、「法務=事務処理部署」のようになってしまっているケースもあるかもしれません。他本部から問い合わせを受けて、前例に当てはめてイエスかノーで答えるような。

でもサイボウズの法務統制本部は、法令違反でない限りは、「できる限りノーとは言わない」というスタンスを大切にしています。どんなことでも、法律の抜け道を探すような解決策ではなく、社会への説明責任をしっかり果たせる方法を一緒に考えています。法務統制本部を頼ってくれた社内のメンバーには「相談してよかった」と実感してほしいと思っています。

そんな意志を込めて、2020 年には社内向けに法務統制本部の「Code of Conduct」(行動指針)を発表しました。



――あえて「行動指針」として表明したのはなぜですか?

我妻:事業の成長とともに、営業部門や開発部門、運用部門など他本部の人数はどんどん増えています。新しくサイボウズに入った人たちにも法務統制本部の役割や存在意義を知ってもらいたいという思いで発表しました。

もう一つ、法務統制本部も13名と少しずつ人数が増えている中で、チームのメンバーにプライドを持って働いてほしいという思いもありました。規模が拡大しても「法律を笠に着た紋切り型の法務」という存在にはなりたくないと考えています。

時代の変化とともに事業会社の法務の重要性は高まり続けていて、それに応えるためにスキルと知見のあるメンバーが集まっています。「理解する」「想像する」「提案する」「ビジネス感覚を持つ」という軸を通して自分たちの存在意義を伝え、いつまでも謙虚な気持ちを持って働かなきゃいけないと思っています。





「困ったら相談してね」→年間1000 件の相談が寄せられるように

――法務統制本部での働き方についても教えてください。

我妻:本部内では分業化はしておらず、本部内の業務ならなんでも、自分がやりたいと思う仕事に挑戦できる環境です。まずは興味・関心のある業務を2 〜3 年ほど担当し、「こんなこともやってみたいな」という思いがあればどんどんお任せしていきます。


――全体の業務量は増え続けていると思いますが、どのようにして進めているのでしょうか。

我妻:自社サービスのkintone上で社内の法務相談を受け、必要に応じて電子押印で対応できるようにしています。

ここ数年は外部サービスのクラウドサインなどのサービスも導入して、業務の効率化やマニュアル化を進めてきました。外部との契約書のやり取りについても、一部の取引先を除いては出社せずに押印できる環境があるので、コロナ禍でもほとんど混乱はありませんでした。契約を結びたい営業部門など、現場の担当者の手間も効率化できていると思います。


――サイボウズならではの特徴や強みはありますか?

我妻: kintoneで作った「法務相談アプリ」ですね。法務への相談のハードルを下げ、気軽に相談ごとを書き込めるように運用しています。年間では1000 件を超える相談があるんですよ。



「こんなキャンペーンを企画しているが、景品表示法に抵触しないだろうか」「既存のフォーマットにはない、3 社間契約の契約書を作ってもらえないか」など、日々さまざまな内容が寄せられています。

法務統制本部からは全社向けに説明会も行っていて、「困ったらこのアプリで相談してね」とカジュアルに打ち出しています。たくさん相談してもらうことで他本部のトレンドを勉強することができ、私たち自身もビジネス感覚を磨くことができるので、この取り組みを始めて本当によかったと思っています。


――法務は高度なスキルや知識が求められる一方で、業務が属人化しやすかったり、担当者が孤独を感じがちだったりという側面もあるのでは。チームワークを発揮する上では、どのようなことに気をつけていますか?

我妻:たしかに、前職以前の会社で私が法務担当をしていたときには、1 人きりで課題に向き合わなければならないことも多々あり、とても辛かった記憶があります。

そうならないように、法務統制本部では必ず案件を2 人1 組で対応しています。相談し、相手の意見をちゃんと聞く。これはサイボウズが大切にしている文化でもあります。責任を1 人で背負い込むのではなく相談しあって、不安があれば顧問弁護士の知見も借ります。

また、週1 回の本部定例会議や、マネージャーとの週1 回の1 on 1で業務以外のことでも互いの状況を把握し合い、テレワーク環境でも1 日に1 回は全員で困りごとをシェアし合う時間を設けています。


法務は、もっとアグレッシブに仕事をしてもいい

――中途入社の不安を和らげてくれる体制があることがよく分かりました。改めて、サイボウズの法務統制本部には、どんな人が向いていると思いますか?

我妻:自分次第でいくらでも成長できる環境だと思いますが、逆に「やりたいこと」がない人は厳しいかもしれません。思っているだけではなく、「これがやりたい! 」と言えるかどうか。

担当できる領域はたくさんあります。多言語での契約書レビューに海外の法律調査、国内での監査関係の知識を生かせる業務もあります。また、現行会社法の範囲でハイブリッド方式のバーチャル総会を行うなど、サイボウズでは新しい株主総会の形にも挑戦しています。世界的にも規制強化の動きが活発化しているデータ保護法制への対応もありますね。

海外子会社を束ねる日本のヘッドクォーターとしてのやりがいもあります。場合によっては経営陣に苦言を呈する局面もたくさん。注目を浴び続けながら仕事を進めるという「緊張感」も楽しめると思います。


――人によっては、「法務・ガバナンス」という仕事へのイメージがガラリと変わるのかもしれませんね。

我妻:大きな組織で、ひたすら降ってくる業務を打ち返すのも、法務のあり方なのかもしれません。でも私たちは降ってくる業務だけではなく、「もっと自分の責任や裁量でいろいろやってみたい! 」と考えている人に応えられると思います。

ミスが許されない法務やガバナンスは、保守的であることを求められる仕事なのかもしれません。実際、法令違反の疑義がある場面では保守的なアドバイスをすることはあります。それを理解してはいても、担当者としてモヤモヤする瞬間はあると思うんです。戦略的なアドバイスをする専門職として、もっとアグレッシブに仕事をしてもいい。そんな「法務の新しい常識」を一緒に作っていきたいですね。



編集後記

法務統制本部の三浦です! サイボウズといえば最近ではテレビCMや新聞広告など色々な形で世の中にメッセージを発信しており、中にはチャレンジングなものも少なくありません。そんな斬新、見方によっては「危なっかしい」会社の法務統制本部はいったいどんな現実に直面し、何を考えながら仕事をしているのか。今回の記事では、マネージャーの我妻からできる限り具体的に語ってもらいました。

社歴がそこまで長くないメンバーも多い中、我妻は一番長くサイボウズの変化を見て、感じて、それに伴って法務部を進化させてきたキーパーソンです。今回の記事を通し、言うべきことは言う硬派な側面もあれば、依頼者やチームメンバーに寄り添う姿勢も大切にする、そんな法務統制本部の働き方が伝われば嬉しいです。

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企画:サイボウズ採用育成部/取材・執筆:多田慎介

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