サイボウズがkintone開発者向けのコミュニティサイトを開設
サイボウズは2014年4月10日、同社が提供する業務アプリケーション開発用PaaS「kintone」の開発を支援するためのコミュニティサイト「cybozu.com developer network」( サイトURL)を開設すると発表した( 写真 ...
https://xtech.nikkei.com/it/article/NEWS/20140409/549422/
最近、エンジニアだけでなくユーザー利用者でも、オンラインで活発な意見交換がされているようになってきましたね。その手段は、SNSやブログはもちろん、コミュニティまで広がっています。
わたしはというと、日頃からkintoneやクラウドサービスのAPIを叩きつつ、プログラムを書いたり、ブログを書いたり、エンジニア向けイベントやコミュニティに精を出してるエンジニアの端くれです。企業を超えたエコシステム作りに関われるのって楽しいんですよねー。
ということで、オープンな開発者コミュニティ「cybozu developer network」を作り上げた話を紹介していきます。
2014年4月に誕生したオープンな開発者コミュニティ「cybozu develoepr network(当時はcybozu.com developer network )」は、2020年4月現在で 2万人近いの登録者数、最大で月間 7.7万人(MAU)が訪問してくださるサイトに成長してきました(cybozu developer networkの1年を振り返る 2019 より)。
今に至るまで、APIドキュメントやTipsなどのコンテンツをどんどん公開し、デザインや構成を変え、日中英の専用サイトも作り、海外からのスパム攻撃にも耐えてきました。(それって世界的に認知されてるってことかな?と思った時期もあった)
2014年前後、開発者コミュニティを作るために考えた3つのことを取り上げてみます。
お金がないとは極端ですが、当時あまり知られていないkintoneを面白そうと思って予算にしてもらいづらいんですよね。30日間のお試し期間はありますが、せっかく作ったものが消えるのは切ない。
そこで、開発目的に限り、APIもカスタマイズもできる開発者ライセンス制度を作りました。その代わり、この開発者コミュニティ(5ユーザー、1年間無料)に入ってねという流れ。
ここで気をつけたのが、開発者コミュニティに入る際に会社名は聞かないことを徹底しました。kintoneは、会社やチームで使うものなのですが、開発の時って自分だけの環境って欲しいじゃないですか。しかも、営業されたくないし。kintone触るから、そっとしておいてーーーという心理です。
サイボウズにはテクニカルサポートチームがあるので、そこで聞けば解決できるのではと思われがちですが、多種多様な業務をIT化してくれる魔法のツール?であるkintoneをサイボウズだけで、解決できるわけがありません。
悩みもノウハウ、アドバイス(回答)もノウハウだと考え、いつでもどこでも同じ悩みや解決方法を共有しあえるオンラインコミュニティ化にしようと考えました。しかし、どうしたら良いのか・・・
そこで、参考にしたのが海外のサイトです。そこではいろんな人たちが書き込んでいて、ベストアンサーを競ってるかのように思えました。しかし、なんで惜しみなくいろんな人が答えるのか謎でした。
海外の数名にヒアリングした中では、「会うことなく案件を対話できるよ」という当時では衝撃的な発言だったのを覚えています。こういう世界を日本でも作りたいなーと思った瞬間であり、developer network に取り入れたいと思えました。
APIやTipsをどんどん公開、悩みはオープンなコミュニティで聞けるサイトを作るわけですが、ここまでは仕組みやシステム的な話です。コミュニティでは悩みばかり増えて無回答だと意味がありませんね。そう、誰が悩みを答えてくれるのか。。。
そこで、kintoneプロダクトマネージャー時代からのツテや、同僚とともに共感してくださるエンジニア探しをしました。その多くは立ち話で即答に近い形で承諾をいただきました。
承諾をいただいた彼らをサポーターではなく、kintoneを一緒に広げてくれる同志という気持ちを込めて、kintoneエバンジェリストとしてサイボウズから 13名を公認とさせていただきました。(当時はエバンゲリオンと言い間違えられたのも思い出)
コミュニティサイトと共に誕生した「kintoneエバンジェリスト」の記事
写真)2014/4/11に、「kintone エバンジェリスト KICKOFF」にてライトニングトークを披露し親睦を深める会を開催。
今思えば、この即答こそがコミュニティやイベントなどで真摯にすぐ対応してくれる方の証なのかもしれません。また、kintoneエバンジェリストがサイボウズ社外の方々で構成されているわけですが、その背景には kintoneをエコシステムとしてビジネスできる、かつ半永久的なkintone愛を持っているところにあります。
「エンジニアが完全オープンな開発者コミュニティを作り上げるまで」の想いや背景を紹介させて頂きました。オープンな開発者コミュニティは、システムを持ってきて構築すれば成り立つわけではなく、
無料の開発者ライセンスの提供、悩みとアドバイスはオープンにしてノウハウに、そして何よりも一緒に盛り上げでくださったkintoneエバンジェリストのお力添えがあって、今の成長に至っているのかなと思ってます。
APIドキュメントや仕様に沿ったサンプルだけを揃えるだけでなく、エンジニア個人の視点に立った多様な実践Tipsがあり、多くの人で支え合うオープンなコミュニティがもっと広がれば良いなと思います。
オープンなコミュニティで、エンジニアをもっとハッピーに!!