サイバーエージェントは現在こそABEMAに代表されるメディア事業や、ゲーム事業のイメージが強いかもしれませんが、実は売上の柱は創業時から取り組んでいるインターネット広告事業です。
そんなインターネット広告事業において肝となる運用に取り組む部署の開発責任者である小林に、今までのキャリアから技術や組織づくりに対する想いを聞きました。
小林 邦明(Kobayashi Kuniaki) SIerにてシステム監視ソリューションの導入に従事後、2012年に当時インターネット広告の運用を行っていたグループ会社であるシーエー・アドバンス東京に中途入社。2019年よりオペレーションテクノロジーDivision開発責任者として従事。
長くサービスの成長を見ていたいという気持ちが大きかった
ーこれまでのキャリアと転職のきっかけを教えてください。
新卒で入社した中小のSIerで、システム監視ソリューションの導入をしていました。
SIerだとお客様に合わせたソリューションを納品して終わりなのですが、それだけではなく、自社でサービスを持っている会社で長くそのサービスに関わりたいと考えるようになり、転職活動を行いました。
ーサイバーエージェントに入社を決めた理由はどのようなところでしょうか?
サイバーエージェント(当時はグループ会社であるシーエー・アドバンス東京)の面接を受けた際、正直たくさんの新規スマホサービスを作っていることは理解できたのですが、他に何をやっているかよくわからなかったのが本音です(笑)
しかし後のオペレーションテクノロジーのプロダクト責任者の方が非常に印象的で、このような方がいる面白い会社で、面白い挑戦ができそうだと思い、入社しました。
実際にサイバーエージェントで自身の価値観の刷新という体験を何度もしました。
日本一のインターネット広告事業を支えるというミッション
ーオペレーションテクノロジーDivisionは現在どのようなことを行ってますか?
日本国内でNo.1の取扱高を誇るインターネット広告事業本部が、弊社サイバーエージェントの売上高の大黒柱で、そこを支えているのがオペレーションテクノロジーDivision(以下オペテク)です。
以下2軸の開発を行っております。
・売上をつくる武器となるシステム開発
・大規模運用を可能にする社内システム開発
ーサイバーエージェントがインターネット広告事業で日本一の売上をたてているのはまさにオペテクの開発力ありきということでしょうか?
基本的に、インターネット広告=システムで戦う領域となるため、洗練された広告運用システムは競争力に直結します。なのでそういう要素はあると思います。
もちろん、営業力や広告配信自体のシステムが欠けても現在の結果にはなっていないと思います。
表にはあまり見えにくいものの、オペテクの運用力や開発力が広告効果につながっており、広告主様とユーザーへ価値を提供できていることは間違いありません。
“最新技術を駆使しても追いつかない”データ量とアウトプット
ートレンドの技術を様々使っているイメージがありますが、その背景を教えてください。
一般的なシステム開発において大規模な環境に用いられるようなマネージドサービスやクラウド技術をはじめとするトレンド技術を扱う場合、実は「(そこまでの環境は必要ないけど)技術的チャレンジのため」・「メンバーみんなが使いたいから」といった理由で選定されることもあり、その場合にはtoo muchになる可能性が高いのも事実です。
しかし、僕らの場合はそれらの最先端技術を使っても処理しきれない課題にぶちあたります。
純粋なデータ量だけであればオペレーションテクノロジーが扱っている何倍ものデータ量を保有しているシステムはたくさんあるのですが、求められるスピードが各段に異なります。必要だからこそトレンド技術を使っている、というのが私たちのチームの特徴です。
ー実際にどのようなスピード感でデータを扱っているのでしょうか?
僕らは媒体から出たデータのリクエスト/データ整形/集計/運用に回すレポート提出というところまで短い時間、例えば1日のなかで、広告運用に合わせた最大効果が出るように開発する必要があります。どんな技術を用いてもほとんどの場合はパワーが足りないという課題を持っています。
ですから、その課題をいかに技術力で解決していくのかというところは腕の見せ所でもあるし、技術だけではどうしようも無い課題に関しては組織としてどうやったらやりたいことが出来るのか、というビジネスに落とし込むことができることも、面白味のひとつだと考えています。
ービジネス側との関係性でいうとどのようなイメージでしょうか?
開発者(僕ら)/依頼者/使用者と、ステークホルダーは多いのですが、社内であることもあり、非常に調整しやすい環境でもあります。
オーダーがあればどうにかして実現可能な形にする必要がありますが、どこかで何か、形にできない難しい課題があった場合、建設的で柔軟な議論に三者が頭を寄せて物事が進んでいきます。
僕の経験のなかで、ゴールの目線をあわせてものづくりが出来るという環境は珍しく、やりがいでもあります。
常識を何度でも壊して、価値観をブラッシュアップする
ーオペテクでプロダクトをつくる面白さを教えてください
もちろん技術的なキャッチアップがかなりできるということも魅力だと思いますね。
あとは、開発リーダーになれるチャンスが多いということもあります。開発にかけるスピード感が速く、約3か月に1件新規の開発案件が立ちます。
インターネット広告業界の日進月歩の技術にいち早くチャレンジしなければいけないということが多いのですが、この様に変化を楽しめる人にとっては非常に楽しい環境だと思いますね。
さらに、開発者として事業売上の伸びをダイレクトに感じられるのも嬉しい瞬間ですね。
ー逆に今まで経験した失敗はありますか?
以前は最少人数で成果を出すことが素晴らしいと考えていて、各プロダクトのリーダーレベルの複数兼務が当たり前になっていたことがあります。今考えると、適正な人数で最大の成果を出すほうがよっぽど健康的なんですよね。
その際は人員の増加にも取り組み、プロダクトの優先順位や判断についてもビジネス側含め大幅に改善しました。なにより、自身の価値観が凝り固まっていたな、という反省があります。
他にも、例えば極端ですけど、経費が1億円かかって、1億100万円儲かるという場合、昔の僕はリスクをとって動けなかったと思います。でも周りには喜んで1億円を出すような方ばかりなんです(笑)そうやって自分のこだわりみたいなものを外していきました。
だからこそ僕が経験してきた「常識を何度でも壊して、価値観をブラッシュアップする」というところを引き続きメンバーの皆さんにも体感してほしいと思いますね。サイバーエージェントには普通周りにいないような判断基準や価値観、スピード感を持っている方がたくさんいます。自分のやれる範囲は各段に広がりますし、やっていけないこと、はありません。お互いに刺激を受けて仕事をするための組織運営に力を入れています。
ー最後に、どんな方と一緒に働きたいですか?
日進月歩の技術をキャッチアップしつつ、ご自身の領域をどんどん広げることを楽しめる方のイメージをもっています。あとは、プレイングマネージャーとして事業のグロースを目指しながら技術力を発揮いただける方ともお話をしたいですね。
とはいえ、カルチャーとしてコミュニケーションを大事にしてチーム開発を行っていますので、僕自身も面談の場で良いこと、魅力に感じていただけるようなこと以外に課題になっていることもすべて詳細をお話しています(笑)その材料で判断いただければと考えていますので、ぜひ色々な方とお話しできると嬉しいです。