皆さんの周りにも「ネガティブ」な人はいるのではないでしょうか。
休憩時間には会社の不満、会社が終わった後には上司の愚痴で盛り上がるという風景を少なからず目の当たりにしたことはあるかと思います。
残念ながら、経営者がネガティブである場合も無きにしも非ずです。
いわゆる一般的な「ネガティブ社員」の弊害というのは、他者へ悪影響を与えてしまうことです。
自己他者を問わず批判や非難が多いのはもちろん、言動のすべてで周囲全体の士気を落とし、時には攻撃的にもなります。というのもネガティブな感情はポジティブな感情より「7倍」の感染力があると言われているので、その影響力は見過ごすことが出来ません。
当然、職場では「ポジティブ」「前向き思考」であることが、良いとされていますが、実は、ネガティブとは本来「悪」ではないのです。
単にポジティブの相対にあるだけのもので、ポジティブとネガティブは表裏一体、両方あってひとつの物事が存在するものです。ひとりの人間も、大きな職場も同様なのです。
表裏一体にあるものだからこそ、微妙なきっかけで、ポジティブもネガティブも良質のものか危ないものかに姿を変えてしまいます。
では、職場においての良質のネガティブとは、何を示すのでしょうか。
それは「配慮あるブレーキ役」のことであり、
「常にアクセル全開」になりがちな危ないポジティブに対しても、落ち着いて向き合い、冷静な判断で絶妙なブレーキをかけることが出来るのがネガティブの存在です。
良質なネガティブ思考は、危険管理や想定外に立ち向かえる能力を高めることを指します。
ネガティブ思考が良質に働くかどうかは、その人の感情が良質であるかが重要となります。
ネガティブ言動の基盤が「怒り」や「攻撃」「批判」「妬み」「悪口」といったものでなければ、良質なネガティブによる言動は人を傷つけるものではなく、ガティブが良質になるか危険になるかの鍵は、「人生の目標が明確であり、自身の幸福感に責任を持っている」ということにあります。
つまり、会社内のネガティブとポジティブは、その質とバランスにかかっています。
ようやく日本でも会社経営のノウハウや社員教育に、幸福学やポジティブ心理学の導入が行われるようになってきました。
幸福学の基盤は、そもそもネガティブとポジティブを差別化したり、どちらかに優劣をつけるものではありません。どちらも良質に保つこと、そして人生でも職場でも、あらゆる場面で活かすことのできる意識バランスの習得が非常に重要です。
ネガティブ社員を無理やりポジティブ社員にしようとするより、幸福学を通して良質なネガティブとは何かを学びとること、人生や仕事での目標達成を明確に行えるように導く方が、発展的なのではないでしょうか。