「ITエンジニア」と聞いて、あなたが思い浮かべるのは男性ですか?それとも女性でしょうか?
経済産業省の「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」によると、IT関連産業における女性の割合は24.1%です。
つまりIT人材の4分の1は女性ということになります。
さらに、今後IT人材の不足が懸念される中、女性エンジニアの数は今後も増加が見込まれており、彼女たちの活躍がますます期待される状況です。
今回は、そんな女性ITエンジニアの働き方や実態に焦点を当ててみました。
ITエンジニアを目指す女性にとって、参考になる情報をお届けできると思います。
IT業界の女性比率はまだまだ少なく2割ほど
日本全体の労働人口における女性の割合は42.2%です。これに比べると、IT業界の女性比率24%はかなり低く、女性が少ない業界といって差し支えないでしょう。
女性がIT業界で少ない理由には、歴史的、文化的、社会的な要因が複雑に絡んでいます。
まず、歴史的な観点から見ると、コンピューター技術の初期段階では、軍事技術や大規模な企業向けのシステム開発が主軸でした。当時、技術職は主に男性が担うものとされていました。
さらに、IT業界の黎明期には、コンピューターやハードウェアの設計・製造が主な業務であり、肉体的なタフさが求められる場面も多かったため、自然と「男性に適している」という認識が広まっていたのです。
教育面でも、コンピューターサイエンスは男性が多数を占めており、この分野を学ぶ女性は少数派でした。
また、日本では職場の文化が男性中心であることが多く、男性的な価値観やコミュニケーションが強く反映されています。
加えて、IT業界は長時間労働や厳しいプロジェクトの締切がつきもので、家庭との両立が難しいと感じる人が多いです。
特に、出産や育児などのライフイベントとのバランスを取ることが難しく、それが女性の業界参入や定着を妨げる要因の一つとなっています。
社会や企業の意識が女性活躍を推進
近年、女性エンジニアの活躍が増加し、IT業界の古い価値観や文化も少しずつ変わりつつあります。
日本でも女性エンジニアの割合が増加している背景には、企業の意識改革や女性の社会進出を促す政策が導入されたことが大きく影響しています。
企業は男女を問わず採用を進め、フレックス勤務やテレワークなど、誰もが働きやすい環境を提供しています。
特に2020年からのコロナ禍により、リモートワークが急速に普及し、出産や育児といった家庭の事情にも対応しやすい働き方が広まりました。
IT業界の中でも、ソフトウェアやWeb関連、企業システムの運用・サポートといった職種では、体力を要する仕事が少なく、性別による向き不向きがほとんどありません。
さらに、スキルや成果が重視される業界の特性上、実力次第でキャリアを築くことができるため、女性が活躍しやすい環境が整ってきています。
また、学校教育にプログラミングが導入されたことも、男女が平等に技術に触れる機会を提供し、IT業界に関心を持つ女性が増加する要因となっています。
・社会や企業側の意識改革
・働く環境の整備
・スキル重視の業界文化
これらの要因がうまくかみ合い、IT業界における女性比率は少しずつ増加しています。
ちなみに雑学的な話ですが、世界初のプログラマーは19世紀のイギリス貴族である女性、エイダ・ラブレスだと言われています。
また、汎用機のプログラミング言語「COBOL」を開発したのも、グレース・ホッパーという女性です。
このような歴史に名を刻んだ女性たちの活躍も興味深いので、気になる方はぜひ調べてみてください。
多様性社会の現実とこれからに向けて
IT業界で働いていると、女性だからとか、逆に男性だからという性別による固定観念が徐々に過去のものになっていると感じます。
もちろん「適材適所」という考え方は存在しますが、それは性別によるものではなく、個々の適性によるものです。
時代とともに価値観は変わっていきますが、現実問題として、社会全体が急激に変わるのは難しいものです。
それでも、IT業界では性別に関わらず平等に就業機会が広がってきており、今後も女性エンジニアの増加が期待されます。
さらに、これからは男性や女性だけでなく、LGBTQや外国人労働者、年代の違いなど、より広い多様性を受け入れることが、企業が人手不足を解消するために求められる重要な要素となるでしょう。
多様性を取り入れる中で新たな課題が生じるかもしれませんが、政策や企業だけでは解決できない問題もあるかもしれません。
実際に働く私たちが協力して、こうした課題を乗り越えることで、誰にとっても働きやすい社会を築いていけるのではないかと考えています。
シーエスコミュニケーションでも、多様性を積極的に受け入れ、新卒・中途を問わずITエンジニアの採用を行っています。
ITエンジニアのお仕事をお探しの方は、ぜひ募集要項をご覧ください。
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