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「シンプルに、本質的に、社会貢献したい」。そんな想いに突き動かされ、憧れのスーパーゼネコンを新卒1年目で飛び出し、スタートアップに挑んだ26歳がいます。
建設業界をデジタル化し、技術の価値と取引を可視化するクラフトバンク株式会社で、カスタマーサクセスとして働く前田さん。社内では「ビジョンを体現している存在」と言われるほど、真摯に仕事に向き合い価値貢献をしている人物です。
転職当時の不安と、それを乗り越えた今の気持ち、そして今後の目標などを、リアルに惜しみなく語ってもらいました。大手からの転職に悩んでいる方、必見です!
道づくりでみんなを笑顔に。シンプルな貢献こそ僕の原点。
自己紹介をお願いします!
前田紘人です。クラフトバンクでは、カスタマーサクセスとして工事会社の業務サポートを行ったり、経営課題の解決案をご提案したりしています。
昔からものづくりに興味があって、大学では工学系に進んで、土木分野の研究をしました。勉強するうちに「土木と社会貢献の繋がりを実感したい」と考えるようになり、学生としてNPO団体に所属して、ミャンマーで1年間働きました。当時のブログもあるので、興味があったら見てみてください!
ミャンマーでは、舗装された道路のない地域がたくさんあります。そういった場所では、雨の日に道が水没してしまったりして、買い物や学校はもちろん、病院にも行けずに亡くなってしまう方もいます。そんな状況を解決すべく、現地の人々と一緒に道路を整備する「道直し」に取り組みました。
みんなで石を運んで、砂を撒いて、固めて……。道が完成した時には、雨の日にも安心して通ることができるようになりましたし、それを自分たちがやったんだという達成感で、村の人々も僕たちもみんなで笑顔になりました。「土木は社会の役に立つ」とリアルに感じられたこの瞬間は、忘れることのできない経験です。
地質の地域差、少しの傾きなど、さまざまな要素が複雑に絡む道づくりの設計に携われたことで「大きなスケールの仕事も、職人の緻密な技術が積み重なって成立するんだ」と実感することができました。そうした技術を持つ元大手ゼネコン技術者への憧れが募り、僕もスーパーゼネコンに新卒入社しました。
入社後に配属されたのはトンネル工事の現場。大きな重機を使って、1日4mを掘り進め、何年もかけて10数km掘る仕事です。スケールが大きく、地図に残る魅力的な仕事ですが、見える景色はいつも同じ断面です。進んでいるのかもわからない仕事を続けていった先で、開通の瞬間、風が吹く。その一瞬に達成感があるんです。
とはいえ、大きい会社ではひとつの仕事に関わる人数も多いので、自分の発揮した価値は見えにくいですし、長い工程の一部分しか担当できなかったりします。安全や売上のためとはいえ、形式的なルールやその付帯作業など、回りくどい仕事も多い大企業のフィールドでは楽しみきれないと感じていました。
ミャンマーで道を作った時のように、よりシンプルなアプローチで社会貢献をしたい。大きな裁量で、自由に楽しく仕事がしたい。そんな思いもあって、イキイキ働ける職場を求め、転職も視野に入れ始めました。
クラフトバンクとの出会いは?
Wantedlyで、代表の韓さんからスカウトをもらったのがきっかけです。職人の技術に惚れ込んでいる僕は「建設業にスポットライトを」というビジョンを見て、「考えていることが似てる!」と惹かれ、会ってみたいと思いました。
韓さん曰く「面談開始10秒で採用を決めた」らしくて、最初に話してから1週間で内定が出ました(笑)。クラフトバンクの魅力を韓さんが余すことなく話してくれたので、すごく輝いて見えましたね。職人のすごいところや、建設業の魅力を発信していこう!という発想にも共感しました。
憧れのゼネコンで挫折を覚えたからこそ、ジョブチェンジも選択肢だなと考えていたし、土木建設に関わり続けられるのも嬉しいポイントでした。それに、今まで関わってこなかったITというジャンルで働くことで、キャリアもステップアップできそうだなと期待が持てました。
でも入社の理由は「楽しそうだと思ったから」。クラフトバンクの多様なメンバーと話すうちに、この人たちとなら楽しく続けていけそうだ、と思ったんです。バックグラウンドが多様だからこそ、人の考え方に対する寛容さや配慮があって、プライドや立場に関係なくどんな意見も受け入れるスタンスが自分に合っている、と思いました。感覚的な決断でしたが、正しい判断だったなと思います!
大手からベンチャー、施工管理者からカスタマーサクセスへ。
転職するにあたって、不安はなかったですか?
正直、施工管理者からカスタマーサクセスへのジョブチェンジには不安もありました。職能としては知らないことだらけでしたから、未知へ飛び込むことへの怖さがありましたね。不安払拭のために、先輩たちに「入社前に勉強しておいたほうがいいことを教えてください!」とお願いしながら、コミュニケーションを多めにとって質問していました。
実はカスタマーサクセス(以下、CS)という職種を知ったのも、転職を考えてからだったんです。韓さんや他のメンバーと面談を重ね、考え方などを擦り合わせた結果「CSが一番、前田くんの気質に合っているんじゃないか」という話になったのがきっかけでした。実際にCSをやってみたら、その意味がよくわかりました。
本質的な価値をしっかりお届けできれば、お客様のためになり、会社のためにもなる。だからこそ、本気で価値に向き合うことができるし、その努力がお客様の喜びとして現れる。これって、道作りをして村人たちと一緒に喜んだ体験と、すごく近いと感じるんです。
現在のお仕事内容は?
提供している工事会社向けSaaSの、導入/活用支援を行っています。お客様によって管理したい項目や課題はさまざまなので、ヒアリングを通じて各社に最適な活用方法をご提案するイメージです。課題の整理に始まり、お客様が言語化できないこともうまく棚卸して、形にしています。
形を作って終わりではなく、運用面でのサポートも行います。より職人さんが使いやすいよう、日々の業務や現場の課題、ありたい将来像など、すベての観点を総合的に考えた上でソリューション提案をしています。
システムで実現できないご要望には「できないなりに、一緒に方法を考える」のもCSの仕事です。CSはお客様とずっと寄り添っていく立場なので、誤魔化さずに真摯に向き合って、その上で対話ができるのは気持ちがいいですね。
SaaSサービスの月額契約では、価値を感じてもらえたら売り上げが上がるし、逆に価値がないと思ったら解約されてしまいます。これってすごく真っ当で、わかりやすい仕組みだなと思っていて。その「価値」をしっかりお届けする仕事が、CSなんですよね。
お客様と話すことは緊張するし、やるべきことはたくさんあるけど、楽しいです! 頑張ることは自分のためでもあるし、仲間や目の前のお客様のためにもなる。裁量が大きく、やればやるほど良い結果が出るからこそ、楽しい苦労です。僕にとってCSは、すごく幸せを感じやすい職業だなと思います。
入社前後でギャップはありましたか?
メンバーに対するイメージがちょっと変わりましたかね。入社前は、少数精鋭の超優秀集団!って感じがしていたんですが、ビビるほどじゃないな、と思うようになりました(笑)。
すごいメンバーなのは間違いないけれど、それぞれの領域で能力分布が尖っているだけなんです。約束の時間に大体遅れてくるとか、ペットボトルが捨てられないとか、変なところで抜けてたりするから人間味があって面白いです。代表の韓さんとかも尖りに尖ってるタイプなので、よくいじられてますね(笑)。
それから、大手とスタートアップはもっと違いがあると思っていましたが、そこまで変わりなかったです。大手でもスタートアップでも「自分で考えて動く力」が求められるし、それがあれば活躍できるという点で同じだなと感じています。自分でわからないことを調べたり聞いたり、フットワーク軽く、言われてないことまで手を伸ばしていかないと、自分も会社も成長できないという感じ。
大手なら「言われたことをやっていればいい」という人もいるけど、優秀な人ってプラスアルファの提案ができるじゃないですか。大手で能動的に動けている人ならば、どこでも活躍できるはずだと思います。
頭を使うから面白い。自分の仕事が、お客様の反応に直結する幸せ。
これからやりたいことは?
もっと建設業を魅力的な業界にしていきたいです。これはクラフトバンクのミッションでもあるので、すごくワクワクします。いい職人・いい会社が正しく認知されて、報われる世界になるように、業界構造の変革までやりたい。
建設業界では会社の評価がデータベース化されていないので、どの会社が、何をできて、どんな実績があって……という情報が見えにくいんです。だから、広報や営業がうまい会社だけが成功して、より質の良いものを求めて愚直に技術を伸ばし、誠実に働いている職人さんが日の目を見なかったりする。それは分かりにくいし、あるべき姿じゃないなと思うんです。
だからこそ、クラフトバンクが提供するような、適正価格でいい会社と結ばれるマッチングや、実績をためて与信確認ができるようになる業務支援サービスが必要です。将来的にはこの2つのサービスが交差して、質の高い仕事のできる職人が単価の高い案件を受けて、ちゃんと報われるシンプルな構造にしていきたいです。
僕は職人さんや建設業が好きだからこそ、もっといろんな人に魅力的な職業だなって思ってもらいたくて。世間のイメージを変えて、なりたい職業ランキング1位!ってくらい花形の業界にできたらいいな。
個人としては、業界変革を目指すクラフトバンクのCSチームをより強いものにできるよう、組織作りで価値提供していきたいです。1+1+1+1+1が5になるのではなく、10になるようにするにはどうすればいいか、考えていきたいと思っています。
カスタマーサクセスの魅力と、向いている人を教えてください!
めちゃめちゃ頭を使う仕事だという面白みがあります。お客様の状況を踏まえて、各社それぞれに最適なソリューションを提案するのはとても難しいんですが、お客様に喜ばれる提案ができた時は、難しいゲームをクリアしたような達成感があります。プロダクトの価値や可能性を、一番感じられるポジションだと思いますね。
また何より、自分の仕事がお客様のためになっていると実感できるところにやりがいを感じます。自分が頑張って価値提供できれば、お客様が「売上が伸びた」「業務が楽になった」と喜んでくれます。まあ逆のときもあるのですが、自分の仕事の価値がお客様の反応に直結していると感じられるので、「幸せだな、もっと頑張ろう」と思います。人を喜ばせるのが好きで、誰かの幸せが自分の幸せに繋がる人にはピッタリの職業なんじゃないでしょうか。
あとはコツコツ積み上げていくのが苦にならない人におすすめ。ビジョンは大きなものを掲げつつ、お客様のためには地味な作業も一生懸命工夫しながら取り組むようなバランスが大事です。自由な裁量がある会社なので、変化を厭わず、楽しみながらできる人に合っていると思います。
建設業界は魅力ある場所ですが、その魅力がうまく世間に伝わっていないことを歯痒く思っています。デジタル化もかなり遅れていて、業界にはたくさんの課題がある。でも、市場規模と伸び代はとてつもなく大きなフィールドです。愚直に仕事に向き合う職人たちを幸せにしつつ、自分達も幸せになる。ハードルは高いけれど、ここでしか味わえない痺れる経験ができると思います。
人の役に立っているという実感がほしい方、業界を変えるようなでっかいことをしたい方、真面目に働く人に寄り添って支えたい方! ぜひ一緒に働きましょう!
(執筆・撮影:青柳ゆみか)