【Holmes 司法修習エントリー #1】スタートアップのビジネスに触れる醍醐味 山上大貴さん | Holmes CEO Office
はじめまして。Holmesで2019年10月から司法修習の一環で2週間インターンをしております、山上大貴です。 ...
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こんにちは!司法修習生の山上です。以前のフィードでも書いた通り、司法修習の一環で2週間Holmesでインターンをしています。
今回は、先週金曜日に行なった「弁護士×BizDev Meetup」のイベントレポートをお伝えします!
Holmesでは、弁護士出身者や現役の弁護士が、法務ではなくビジネス面で経営に関わっています。
一方で、世間では弁護士はまだまだ外部の法務アドバイザーとして見られており、ビジネスサイドに飛び出す人は多くありません。
そこで今回は、「弁護士が法務を飛び出し、ビジネスの「主役」として活躍するには」をテーマに、ビジネスの最先端で活躍するラクスルCFOの永見さんをお招きし、弁護士出身者の笹原さん・酒井さんと共に、弁護士・法務パーソンのビジネスサイドでの活躍の可能性についてパネルディスカッションを行いました。
酒井さんから簡単に今回のイベントの趣旨が説明された後、パネルディスカッションがスタートしました。今回のディスカッションでは、slidoというツールを使って、参加者からの質問がリアルタイムでディスカッション内容に反映され、参加者からたくさんの質問が寄せられました。
まず最初の話題は、パネラーである永見さんと酒井さんがどのような仕事をしているのか、について。酒井さんは、弁護士として働くこととビジネスサイドで働くことは全く違うと語ります。
笹原:酒井さんはHolmesに入って1か月半くらいですが、弁護士として働くこととビジネスサイドで働くことの違いってなにか感じますか?
酒井:本当に、すべてが違うと思います。弁護士のころと違う筋肉使ってて、毎日筋肉痛みたいな感じで(笑)。特に違うと思うのは,弁護士はプロフェッショナルとして常に「完璧」が求められたのに対して,ビジネスはそれでは回らないということ。毎日とにかく走りながら,考えながら、失敗したら手当して、やっていくしかない,という感じです。やることが頻繁に変わるので、より柔軟性が求められていますね。
次に、会場から「前職での経験はビジネスサイドで役に立ったか。」という質問。これに対し、酒井さんは、専門知識以上に弁護士というプロフェッショナルとして働いたことがビジネスにおいても役に立っている、と話します。
笹原:前職での経験や知識がビジネスサイドに移って役に立った,というようなことはありますか?
酒井:「弁護士」という一人のプロフェッショナルとして,仕事をやりきる力,というのはとても役に立っていますね。弁護士はどんな無理難題であっても投げ出せない,必ずやりきらないといけない。これはビジネスにおいても共通です。最後まで踏ん張る力,根性というのはビジネスでもそのまま生きています。
一方、永見さんは、前職の経験をどう生かすかという観点よりも、いったんその経験をアンラーニング(意識的に棄て去り、新たに学び直すこと)することが重要だと語ります。
永見さん:私は,それまでの経験がどう生きるかという観点も重要だと思いますが,それよりも、過去の経験をアンラーニングすることこそが重要だと思います。それまでとは全く違う世界に行くので,自分のことを、少し法務に詳しいプロフェッショナル,くらいに思った方がいいですね。その方が長い目で見れば活躍できるはずです。
続いて、会場から、「ビジネスサイドで活躍するのに弁護士資格やLLMは役立たないか」という質問。これに対し、永見さんは弁護士人口のデータをもとに、資格自体は何の役にも立たない、と厳しく返答します。
笹原:弁護士資格とかLLMとかが,ビジネスサイドで活躍するのに役立つことってあると思いますか?
永見さん:資格自体ははっきり言って全く役に立たないですね。10年、20年という長期的な観点で見れば、弁護士がこれだけ増えて,人口が減って,企業も減っていく中で,これまで通りの仕事をしていれば稼げるはずがありません。資格をとってこれで安泰だと思っている人はだめですね。
一方で、永見さんは、法務の素養自体はビジネスサイドで活躍するのにとても役立つ、とも話します。
永見さん:勘違いしてほしくないですが、私は弁護士資格を取る過程で得た法務的素養は役立つと思いっています。既存のゲームルールを理解していることは,新しいイノベーションを起こすためには必ず必要なことで,この点で,めちゃくちゃビジネスの素養があると思っています。これだけ複雑なビジネス環境では,ルールを理解して企業を進むべき方向を決めることは必ず必要です。
最後に、キャリアで悩む弁護士、法務パーソンに対してパネラーのお二人からメッセージを頂きました。
酒井:私は弁護士しかやったことなかったですけど,こうして意外と何とかなってます。皆さんも必ず活躍できると思いますので,一度ビジネスサイドで働くという選択肢をもって自分のキャリアを考えてみてください!
永見:資格自体にどんどん価値がなくなっている時代だと思います。一方で,法律的素養をもって意思決定することができるということそのものは,ビジネスにおいて大きい価値があります。優秀な皆様には正しい分野で活躍できるよう,社会も含めて変えていかないといけないと思います。
パネルディスカッションの後,懇親会が行われました!
弁護士や現役の法務部員の方からロースクール生まで,さまざまな背景の人々が集まり,お酒を交えながらキャリアやビジネスについて自由に意見を交わしました。時間が遅いにも関わらず、ほとんどの参加者の方々が残ってくださり、懇親会も大変盛り上がりました!
今回のイベントは、約60名の弁護士・法務関係者がビジネスサイドでの活躍の可能性について考えるという非常に珍しい会でした。私個人としても、これから弁護士としてのキャリアを考えるにあたって、大変参考になりました。
Holmesでは、今回の反響を受けて、「第二回弁護士×BizDev Meetup」を、ゲストにマネーフォワード取締役の金坂さんをお招きして、11月11日に開催予定です!
今回、満席ということで残念ながら参加できなかった方も、ぜひ第二回にご参加ください!(詳細については近日公開予定です。)