資源循環事業のチャンス
やれ椎茸だ、やれイチゴだと言っている私たちですが、廃菌床を使った新しい道筋に対して国目線で見るとどうなのか。
国の会議で使われそうな言葉と、うちの廃菌床の話がどう繋がるのか、今日はそんな話をしたいと思います。
調べてみると、この言葉の裏には具体的な数字がありました。
経済産業省の試算では、サーキュラーエコノミー、つまり資源を循環させる経済活動の国内市場規模は、2020年時点でおよそ50兆円。
これが2030年には80兆円、2050年には120兆円まで拡大すると見込まれています。
世界全体で見れば、2030年に4.5兆ドル、日本円で数百兆円規模になるという試算もあるそうです。
ゼロが多すぎて、最初は感覚として掴めませんでしたが、つまりこの取り組みは十分チャンスもあるということなんです。
農業の分野に限っても、農林水産省の「みどりの食料システム戦略」という計画があって、2050年までに農業から出るCO2を実質ゼロにする、化学農薬をリスク換算で半分に減らす、化学肥料も3割減らすといった目標が掲げられています。
環境負荷を減らす技術に取り組む産地には、補助や融資が優先的に回る仕組みも整い始めているようです。
実際のところ、椎茸のハウスで日々働いていて、こういう国の目標を意識する場面はほとんどありませんでした。でも数字を見ていくと、廃菌床の再利用のように「捨てるはずだったものを資源に変える」取り組みは、今まさに国が本気で後押ししようとしている方向とぴったり重なっているんだと分かってきました。
同じような発想で動いている事例は、椎茸業界の外にもたくさんあります。食品工場の残さを肥料に変える会社や、廃棄されるはずだった木くずをバイオマス燃料にする会社。業種はバラバラでも、やっていることの構造は似ています。捨てる前提だったものの行き先を、もう一度自分たちで設計し直す仕事です。国がこれだけの予算と目標を掲げているのは、裏を返せば、まだ多くの現場でこの設計がされていないということでもあります。
うちが今やっていることは、この120兆円という規模から見れば、まだ点にもならないくらい小さな話です。それでも、この流れの中に自分たちを置いてみると、単なる一農業法人の思いつきというより、時代の方向に沿った挑戦なんだと見えてきます。
とはいえ、政策の後押しがあるからといって、簡単に事業になるわけではありません。
補助金や優遇制度は、環境負荷を減らす技術や仕組みを実際に形にした先にあるものです。
廃菌床をいちごの培地に変える技術を、まず自分たちの手で確立しなければ、どんな制度も使いようがない。
廃棄物を減らすためのコスト削減策として見るのか、それとも新しい収益の柱として育てるのか。
社内でもこの事業をどう位置づけるか、まだ検討の余地はあるでしょう。
見方によっては投資する規模もスピードも変わってきます。
制度や補助金の情報を追いかけるだけでも、今の体制ではまったく手が足りていません。誰かが専任で追いかけないと、せっかくの制度も知らないまま終わってしまいそうな怖さもあります。
国が掲げる120兆円という数字と、目の前の菌床一つひとつの話は、まだうまく繋がりきっていません。
それでも、この波が来ていることを知っているかどうかで、事業の作り方は変わってくると思っています。
今レンチナスが募集をしているポジションも、政策の資料を読み込むのが苦じゃない人や、大きな数字と日々の現場を行き来しながら考えられる人には、向いている仕事だと思います。
専門知識よりも、そのギャップを面白がれるかどうかの方が大事な気がしています。
大きな流れの中で、自分たちの手を動かす。
そういう仕事に興味がある人と、一緒に考えていきたいと思っています。
いきなり求人応募をしていきなり面接なんて考えてません。
まずは一度カジュアルにお互いを知るところから始めてみませんか。