これ、知っていましたか。
秋田県の出生率は、30年連続で全国最下位。
2024年の人口動態統計で改めて確認された数字で、出生数の10年間の減少率も全国で最も大きい。出生数だけでなく、婚姻率も死亡率もワーストという状況で、数字だけ見ると、正直しんどい現実です。
私たちはその秋田県の、さらに人口の少ない八峰町で椎茸を作っています。なぜここで、なぜ今、椎茸なのか。伊勢社長に聞いてみました。
人口が減る、ということ。
人口減少は、じわじわと効いてきます。働き手が減る。消費が減る。地域のお店が閉まる。学校が統廃合される。一つひとつは小さな変化でも、積み重なると町の姿が変わっていく。
八峰町も、例外ではありません。若い世代が進学や就職で町を出ていく。
戻ってくる理由が少ない。それが何十年も続いてきたツケが回ってきている。
この現状に対して、伊勢社長は明確な言葉を持っていました。
「当たり前として受け入れたくなかった。人口が減っていく、それは仕方ない、じゃなくて。自分たちにできることがあるなら、やるしかないと思っていた。」
諦めない、というのは伊勢社長の口癖でもあります。火事で工場が全焼したときも、椎茸が全然売れなかったときも、その言葉だけは変わらなかったと聞いています。人口問題に対しても、その姿勢は同じでした。
稼がなければ、雇えない。雇えなければ、残れない。
若い人が地方に残るための条件は、突き詰めると一つだと思っています。ちゃんと稼げるかどうか、です。
農業はきつい。収入が不安定。将来が見えない。そういうイメージが先行して、農業を選ぶ若者が減っています。でもそれは、農業が本質的にそういうものだからじゃなくて、農業の稼ぎ方の設計が古いままだからじゃないかと思っています。
市場に流されて価格を決められる。中間業者に手数料を抜かれる。頑張っても利益が残らない。その構造を変えない限り、農業は「若者が選ばない仕事」のままです。
伊勢社長の言葉を借りると、こういうことです。
「農業で稼ぐ。みんなで分かち合う。それを実現することが、自分の役割だと思っています。椎茸農家で日本一になるというのは、生産量じゃなくて、ビジネスモデルとしての日本一。ちゃんと利益が出て、ちゃんと給与が上がって、ちゃんと次の挑戦ができる。そういう状態を作ることです。」
レンチナスが直販やECにこだわり、帝国ホテルへの採用を目指したのも、この文脈です。価格を自分たちで決められる販路を作ることが、ちゃんと稼ぐことへの第一歩でした。
次の世代に、何を渡せるか。
会社が稼ぐことは、手段です。目的は、この町に残れる理由を作ること。雇用を生んで、給与を上げて、ここで生きていける選択肢を作ること。
廃菌床を使った次世代農業プロジェクトも、いちごの新規事業も、その延長線上にあります。椎茸だけで終わるつもりはない。農業から始まって、地域の産業そのものを変えていきたいという話です。
「百億という目標を持っているのは、大きな数字を目指したいからじゃないんです。それだけ稼げれば、それだけ多くの人に分かち合える。次の世代に何かを残せる。その逆算です。」
この言葉を初めて聞いたとき、私はこの会社に来ようと決めました。規模の話じゃなくて、誰かに渡すための話をしている経営者に、なかなか出会えないと思っていたからです。
簡単な話じゃない。でも、だからやる。
30年連続最下位という数字に、一つの会社が太刀打ちできるとは思っていません。レンチナス一社で秋田の人口問題が解決するなんて、そんな話でもない。
でも、一社がちゃんと稼いで、ちゃんと人を雇って、ちゃんと給与を払って、次の事業を作り続ける。その積み重ねが、地域に残れる理由を少しずつ増やしていくと思っています。
新規事業の立ち上げは、まだ答えが出ていないことだらけです。廃菌床を使ったいちご栽培は実証段階。販路も、仕組みも、これから作っていくことの方が多い。簡単じゃないし、まだ全然足りていない。
それでも、ここでやらなくてどこでやるんだという気持ちで動いています。人口が減り続けている場所だからこそ、新しい産業を作ることの意味がある。そういう覚悟で一緒に仕事できる人を、探しています。
少しでも私たちに興味を持ってくれた方はぜひご連絡ください!