こんにちは。空き家買取専科インターン生の川合です。本日は弊社で活躍する犬塚さんの育休取得時にご自身で書かれた記事をこちらに掲載したいと思います。以下本文になります。
こんにちは。働き方改革発信委員会の犬塚です。
今回のブログでは、私が実際に育休を取得し、体験することで学んだ事を書いております。
スイーツ社の働き方改革を発信する身として「男性育休」というのは、取り上げるべき大きなテーマだと思っています。
育休とは厚生労働省より「1歳に満たない子どもを養育する男女労働者は、会社に申し出ることにより、子どもが1歳になるまでの間で希望する期間、育児のために休業できる」とされています。
やはり、産休という言葉も相まって、男性よりも女性が取得するものというイメージが強いのではないでしょうか。
かつて私もそう思っていた1人でした。
男性が取得できる休暇としては、出産直後の数日だけ…現状はそんなところが多いと思っています。
■育休取得のきっかけ
男性育休取得100%を誇っているスイーツ社。
もともと、私自身育児に関わりたい気持ちがありましたし、スイーツ社の門を叩いたきっかけでもある育休。
幸いにも入社から1年が経つタイミングで子どもを授かり育休取得の話をいただきました。
会社から打診をしてくれることも本当に有難いものです。
実は2人目だったので、夫婦ともに1人目のときの経験もあってか精神的には落ち着いていました。
しかし、2人目となれば、産まれたばかりの赤ちゃんのお世話に加えて、上の子のお世話も加わるわけだし、食事づくりから家事全般の作業も増えることは目にみえていました。
それらすべてを出産直後でボロボロの妻一人が担うのはあまりにも大変なことです。
さらに、下の子の離乳食が始まれば、さらに負担がかかるため、私が積極的に育児を担おうと決意していました。
そんな中での話だったので本当に助かりました。
■育休にも多様化を「半育休」という選択
まず、考えなければならないのは普段の業務との兼ね合いです。
営業職である私はどうしても対人対応が欠かせず、完全なるお休みはかなりハードルが高く感じていました。
取得予定日までに、育休についての制度について調べたり、育休中のスケジュールを会社と話し合った結果、私は「半育休」という選択肢をとりました。
育休中は家事育児に専念し、仕事は一切しないというのが一般的な考え方ですが、実はもともと育休の制度では、育休中に業務をすることも可能になっています。
半育休という言葉自体はオフィシャルなものではありませんが、育休のオプションのような位置づけとなるため男女関係なく利用することができます。
半育休のメリットとしては…
・育児休業を取得しつつ、通常より短い時間働くことができる。
・通常の育休制度と別扱いではなく、育休の制度内に含まれている。
・月80時間までの業務であれば、育児休業給付金が給付される。
あくまでも育児休業期間中であるので、雇用保険から育児休業給付金が支払われる状態であるので、短時間勤務というのが基本です。
しかも勤務時間の制限が、以前は「月10日まで」だったのが「月80時間まで」に変更されたのも大きなポイント。
日数の制限がなくなったことで、例えば1日2〜3時間だけ毎日働く、そんなスーパー時短勤務みたいなこともできるようになりました。
在宅勤務も普及してきている昨今、環境が整っているのであれば通勤時間もカットして必要な業務だけに時間を割くというやり方も可能です。
(※制度内容に関しては2020年の情報です。最新情報は随時、関係各所に確認ください)
■男性の育休取得へのハードルが少し下がる!?
男性育休取得率が上がらない理由の一つとして、「業務の属認化により代替要員がいない」という点が挙げられますが、半育休は、業務の引き継ぎを完璧に終わらせなくても大丈夫なので、この要因に対応しやすくなります。
更に属人性の低い業務を優先的に引き継ぎ、どうしても本人にしかできない業務については、育休中も本人が担当するというやり方をすることで周囲の負担はかなり軽減されますね。
また、仮に緊急事態が起きても「育休中も一応は連絡を取れるし対応もできる」という状況になるだけで、会社若しくは部署としては大変助かると思います。
■育休生活がスタート!
前置きが長くなりましたが、ドタバタ育休がスタート!!
週に3,4日ほど2~3時間の勤務時間を確保しながらの生活が始まりましたが、事前に妻との話し合いをし、ある程度の家事の役割分担を決めていたので、特に混乱はなかったです。
私が偏頭痛持ちということもあり、夜間の対応は妻が行うに対して、上の子の幼稚園への送迎やお風呂、買い物、掃除、洗濯、食事の準備、片付けはほぼすべて私が担当しました。
それでも最初の1週間は、細々した家事や育児の多さにとにかく驚かされました。
1人目が産まれたとき、妻は実家に帰っており、ほぼ育児はノータッチ。
家事はそれなりに得意だったので抵抗はなかったですが、育児に関しては、とにかく時間が足りない、予定通りになんか以ての外で、想定外の連続にかなり大変さを感じました。
手が4本欲しいと何度思ったことか…(笑)
やりながらですが、どちらが担当と取り決めをせずに、空いている時間にどちらか気がついた方がやるといった具合にざっくりと分担する方法に変えていきました。(改善の意識!!)
■パートナーの精神的な支えとして
妻との会話で「1人で2人の子どものお世話をしているお母さんはたくさんいる。やろうと思えば1人でできるかもしれない。でもパートナーがそばにいるかいないかでは、精神的な安心感には雲泥の差があるよ」というのが印象に残っています。
1ヵ月半ほど育休を取得させていただきましたが、育休生活を通して、1人目のときには感じられなかった我が子の成長と家事育児の大変さを痛感するとともに、日々の妻へ感謝を忘れないようにしようと思いました。
それらしい言葉で纏めていますが、これは本当に私が育休を取らなかったら妻は精神的にも厳しかったのではと思います。
育児に正解は無いですが、間違えたら命に関係する可能性だってありますからね。
本当に責任の大きいことをやっているんだなと思います。
■「育児休業」に関する世の中の動き
突然ですが、日本の男性育休取得率ってどれくらいか知っていますか?
厚生労働省が出している最新の情報では、7.48%(2019年度)に留まっています。
10年前なんて1.72%という数値でしたし、結果10年経っても1割に満たしておらず伸び悩んでいます。
ちなみに女性の取得率はここ10年で83%まできています。
この結果を受けて厚生労働省では、男性も積極的な育休取得を促すために子どもの出生直後に限定した父親向けの休業制度を新設する方向で検討を始めています。
そんな中2020年12月に大きな動きがありました。
■男性の育休取得が積極的に行われる世の中に
厚生労働省の審議会で、男性の育児休業を促進するための制度改正が話し合われ、子どもの出生直後に最大4週間とれる「男性産休」を新設されました。
更に、分割取得も認めるほか、働いて1年未満の非正規雇用の方も育休を取れるようにし、企業には育休対象者に取得を個別に働きかけることを義務づけていくとのこと。
大企業に至っては、育休取得率の公表も義務化する方針です。
これらは大筋で了承され、来年の通常国会に育児・介護休業法の改正案など関連法案を提出とのことで、2022年度からの実施を目指すみたいです。
どんな制度もそうですが、制度さえ整えれば勝手に上手く回るわけはないと思います。
どうしても同調文化の根強い日本の職場だと、取得しにくい雰囲気に結局は悩んでしまうかもしれない。
そういった状況下での男性育休取得「義務化」は非常に大きな期待ができると思います。
私もそうでしたが、義務化するならば、「育休期間が1年のうち、最低何カ月間は父親が休む」といったルールがいいかもしれません。
現実的に考えると、1年間のうち1,2カ月ぐらいに落ち着くような気がします。
■男性の育児参加についての覚悟
これは個人的な見解ですが、仮に育休を取得できたとしても、当の本人が家事・育児スキルを学ぶ姿勢がないと駄目だなと思いました。
私は一人暮らしの経験があるので、ある程度の家事はできます。
でも育児に関しては素人同然。
1人目で経験したおむつ交換も久しぶり過ぎて最初は大変でした(笑)
「旦那も自然と家事育児をやるようになるだろう」と妻側が思っていたら実際は…なんてこともあるかもしれないですし、おそらく意外にやれないでしょう。
旦那側も何も勉強せずに気軽にやれると思っていると、現場ではそうはいかないはずです。
男性の家庭進出にあたっては、ある程度の勉強と訓練の場があることが理想なのかなと思います。
■どんな時も広い心と助け合い
困ったことがあれば、インターネットで何でも調べられる時代ですが、男性も女性も、お互いに対して広い心でやっていくことが大事かと思います。
こだわりを持ってやっている家事があった場合、夫婦で方針が対立するかもしれない。
実際私はこれで何回も妻と揉めました。(苦笑)
妻側からしてみれば、今までいなかった旦那が家事の領域に介入することで、細かいところでやり方が食い違い、結果イライラに繋がってしまう。
これが仕事なら、対立した時に第三者が自然と仲裁に入りますが、夫婦二人ですとそれができません。
今後男性の家事育児への介入が増えていけば、事例や情報も増えて共有されてくると思います。
それまでは、お互い広い心を持って家事育児を楽しみながらできることが理想ですね。
家事育児に「正解」はないと強く思わないといけません。
■育休取得で得た事は多い
あっという間の1ヵ月半、本当に1日1日が一瞬で過ぎ、色々な事に追われてあまり記憶がありませんが、たくさんの経験ができました。
仕事面に関しては、少ない時間の中、何とか対応することで時間を意識する癖と新たな営業手法を試せたこと。
家事育児面では、授乳以外はほぼすべて経験し、何とかできるレベルまでいけたかと思っています。(まだまだですが…)
■育休取得をぜひ「機会」と捉えて欲しい
これは、育休取得時に黒田部長から言われた言葉です。
ただ休みを取るのではなく、休みを取るためにどうするのか。
業務との兼ね合いを考えるにも、まず自分の業務を改めて整理して、準備しておくこと、変えなくてはならないことを考えるよい機会になった。
日々の業務に関しても改善の意識は非常に大切です。
育休中も家事育児をする上で、段々と効率よく動けるようになる。
今、妻がこういう作業をしているからこちらではこの作業を進めておこう、とか、
きっとこの後これが必要になるから近くに置いておこう、とか家事の動きを追う癖を養う機会になりました。
時短にもつながるし、気持ちに余裕も生まれる。
「先を見越しながら動く」これって職場復帰しても仕事で活かせる!と強く感じました。
せっかく取得するのだから、色々な事がプラスに働くようにする機会として捉える。
振り返れば得たものは多く、非常に有意義な経験だったと思います。
いまでこそ女性の社会進出は当たり前な時代ですが、男性と同じ条件で働く女性が増え始めたのは、1990年代になってからだそうです。
家事育児を女性が中心に担う時代は終わってきています。
男性の家庭進出が必須になる時代が既に来ていることを受けて、男性の育休取得が義務化され、男性も必ず休むという流れができれば、企業は働き方を見直す契機となるはずです。
不安定な状況が続いていますが、この貴重な経験で得られたことを男性育休取得者の1人として色々な方面に伝えていければと思っています。