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SES業界のイメージはなぜ悪い? 〜SES企業経営者対談 前編〜

こんにちは!株式会社エムズクリエイティブシステム(http://www.mcs-soft.com/)(MCS)の牧野です。SES*企業を経営しています。今回は、今春に収録したYouTube経営者対談のテキスト版を、編集で省いた部分も含めてご紹介します。

対談のお相手は、同じくSES企業を経営されている株式会社エーエスエル(https://www.asl.co.jp/)の平出浩太郎社長。平出さんとは、約1年前にビジネスマッチングアプリ「Yenta」で知り合い、以来、企業コンサルとしても活動されている平出さんに経営戦略のご相談をしたり、アドバイスをいただいたりしています。

今回の対談では、SES業界の現状に対する互いの考えや思いを話し、弊社の魅力や求める人材について引き出していただきました。キャリアや働き方に関心があるエンジニアの皆さんにも役立つ内容を話していますので、よろしければ、ご一読ください!

*「システム・エンジニアリング・サービス」の略。ITエンジニアの労働力を顧客に提供する契約形態。客先へ常駐して仕事を行うスタイルがほとんど。

SES業界のイメージを落としている原因とは?

MCS広報(以下、広報):今日は、SES業界に関心があるエンジニアの方に向けて、業界の現状やMCSの特徴などについてお話しいただく機会を設けました。早速ですが、平出さんと牧野は何をきっかけにお知り合いになったのでしょうか?

平出社長(以下、平出):ビジネスマッチングアプリ「Yenta」で、同業の経営者である牧野さんと知り合い、お会いしました。その後、何度かお会いして話すうちに互いに共感する部分も多く、牧野さんがこれから会社規模を拡大しようとされていることから、弊社ではコンサル事業を手がけていることもあって、お手伝いさせていただくことになりました。


広報:そんなお二人の共通点として、同年代のほかに、SES事業の経営が挙げられますが、業界の現状についてどう思われますか。

平出:SES業界に対し、あまり良くないイメージを持たれる人もいますよね。

牧野:そうですね。常駐先の企業が頻繁に変わったり、案件は異なるけれど作業内容が同じでエンジニアの技術力が上がらなかったり、常駐先に当たり外れがあったりするなどが代表的な原因だと思います。未経験採用と大きく打ち出し、コールセンターのオペレーターなどITとは全く関係のない案件にアサインする企業もあります。SES契約は給料が低いという印象を持たれている方もいますね。

広報:常駐先の当たり外れとは?

牧野:例えば、「常駐先で一緒に作業をする人のスキルが極端に低い」「パワハラの傾向がある」とかでしょうか。あとは、「参画前の面接で聞いていた業務内容と、参画後の業務内容が全く異なる」など。

職場環境の面から言えば、「駅から職場までがバス便で遠い」「セキュリティーが厳しくて、自分のPCからインターネットに接続出来ず、調査に手間がかかる」「常駐先の周辺にお昼を食べる飲食店がない」なども、人によっては「外れ」と見みなすかもしれません。

平出:常駐先の当たり外れは、確かにありますね。牧野さんの会社では、いわゆる「外れ案件」を減らすために、どのような対策をしていますか。

牧野:私自身、20年以上エンジニアとして働いてきた経験から、ありがたいことにさまざまなつながりがあります。そこから、勤務先の職場環境の情報をきちんと共有してくれるお客様や、面白い案件を持っているお客様などを探していますね。

平出:そうした昔からの付き合いやコネが、この業界では重要ですよね。

牧野:大事だと思います。

大企業よりも中小企業の方が給料は高い!?

広報:先ほどSES契約だと給料が低いイメージがあるというお話がありましたが、それはなぜですか?

平出:「SES業界=多重下請け」というイメージがあるからでしょうね。実際に、SES事業は業界に参入しやすく、多重下請けの会社が増えています。その影響で「給料が低い」というイメージにつながっているのでしょう。

牧野:確かにそうだと思います。弊社では、上場企業や従業員数1万人規模の大手企業と取り引きしているので、その間に何社も入る契約はほぼありません。

平出:そんな多重下請けでない、いわゆる一般的なSES契約のエンジニアの給料は、決して安くはないですよね。

牧野:そうですね。もちろん、エンジニアの技術力と経験値にもよりますが、それなりのモノがあれば、SES契約だから安い給料とはなりません。

SES契約の場合、エンジニアの給料を上げるのは営業の仕事だと思っています。営業サイドがエンジニア一人ひとりときちんと向き合い、顧客先にしっかりアピールすれば、本来は相応の対価を得られるはずです。

SES企業を探すとき、そうした営業力がありそうか、エンジニアファーストで、エンジニアに関する知識が豊富かどうかを見極めるのも、1つの手かもしれません。採用面接の短時間で見抜くのは、なかなか難しいかもしれませんが。


平出:私もエンジニア出身で、受託が多かったものの、SES契約でも働いた経験があります。上場企業や非上場企業、大企業、中小企業までさまざまな会社の平均的な給料を知っていますが、実は会社の規模だけで給料が大きく変わることはないですよね。

牧野:変わらないですね。SES契約の場合、同じ技術力のエンジニアなら、小規模の企業で働く人の方が、大企業よりも給料が高いケースが結構あります。

平出:そう認識しておいた方がいいと思いますね。一方で最近、売り上げの80%を給料としてエンジニアに還元するというSES企業をよく見かけるじゃないですか。でもあのスタイルだと、自分が参画する案件によって金額が変わってしまいます。一度給料が上がったのに、案件が変わって下がるという、モチベーションの低下にもつながりかねない状況が起こりうるので、注意が必要だと思います。

異なる企業規模や業界での経験が武器になる

平出:冒頭では悪いイメージにフォーカスしましたが、給料のほかにも、私はSES企業のいい面はたくさんあると思っています。牧野さんはどう思われます?

牧野:もちろん、いい面はあります。例えば、自社開発や受託開発のみの職場で働き続けると、当然ながら仕事や業務の範囲が限られてしまいます。SES契約なら、営業が頑張っていい案件さえ持ってくれば、エンジニアはさまざまな業務にチャレンジできる。経験を積んで成長したい願望がある人ほど、それを叶えてくれる働き方だと思います。

平出:そうですよね。私自身のキャリアを振り返っても、SES契約では企業の規模、そして業界を超えてさまざまな業務を経験できますが、当然ながら常駐先によって設計書の作成方法や作業工程といった、仕事の進め方やお作法が異なる。すると、「こういう場合はこうした方がいい」といった経験値の引き出しがどんどん増えていくんですよね。それとともにキャリアの幅も広がっていく。

牧野:若いときから多様な業務を経験すると、必ず技術力やキャリアにプラスに働くし、エンジニアとして成長していく上で大事だと思いますね。

エンジニアの価値を上げることが会社の成長に!

平出:常駐先とエンジニアをマッチングさせるとき、どんなことを大切にしていますか?

牧野:もちろん、生活の基盤やモチベーションとなる収入の額面も大切ですが、そのエンジニアにとって今どんな経験やスキルを身につければ成長できるかを第一に、仕事選びをサポートしたいと思っています。エンジニアも会社も互いにWIN-WINな関係で、一緒に成長していく方法をいつも模索していますね。

平出:例えば、ひと月の契約料が5万円ぐらい下がったとしても、明らかにスキルアップできそうな案件があるのなら、そちらにエンジニアをアサインしますか?

牧野:もちろんしますね。多少会社で補填することになったとしても、エンジニアの成長につながるのなら、結局それは会社の成長にもなると考えています。

平出:そうですよね。エンジニアの価値を上げることが、SES企業の社長としての使命だと思いますね。

牧野:エンジニアの価値が上がると、取引先からの信頼も得られます。すると、さらにまたいいお仕事が回ってくるという、好循環が作れると思っています。


平出:牧野さんの会社では、フリーランスのエンジニアとも契約していますね。

牧野:私自身が会社員もフリーランスも経験しているので、両方のメリットもデメリットも知っています。だから雇用形態は、エンジニア自身が選べばいいと思っていて、フリーランスで挑戦してみたいという人には相談に乗りますし、応援する気持ちでフリーランス契約もしています。

平出:それはなかなかできないですね。

牧野:ははは。そうですか。

平出:他社には少ない、特徴的ないい方針だと思います。

(後編に続く)

Photo by aiko suzuki

★お知らせ★
上記の対談記事のYouTube動画は、下記からどうぞ!
3回に分けて配信しています。
SES企業の社長が本音を語る!【1回目 SES業界のイメージがよくないのはなぜ?】
SES企業の社長が本音を語る!【2回目 MCSで働くメリットは?】
SES企業の社長が本音を語る!【3回目 MCSが求める人材】

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