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英語から逃げないソフトウェア開発

Photo by Ivan Shilov on Unsplash

僕は海外留学経験がなく、もともと英語が好きだった訳でもないのですが、ソフトウェア開発を仕事にするようになってからはそこそこの時間とお金を英語学習に投資する必要がありました。オンライン英会話、英会話スクール、”社内公用語が英語"の会社で勤務、TOEIC・英検1級の受験など、様々な角度から色々なことに手を出しました。気合の入れ方に関しては英語学習ガチ勢であり、英語厨と言っても過言ではないです。

というのも、ソフトウェア開発における英語力の必要性をこれ以上ないほどめちゃくちゃに重視していて、そこにこだわっているからです。別の言い方をすると、英語力の低い日本人はそれだけで大きな遅れを取ってしまっているので、まず海外のエンジニアと同じステージに立たないと、生産性も自身の成長も頭打ちになってしまうと思うのです。

ソフトウェア開発において "情報" が極めて重要なのは言うまでもないことですが、最新の情報はすべて英語でやり取りされています。最新技術の標準化仕様の策定からライブラリにおけるGitHub issuesでの議論といったレベルに至るまで、全てです。インターネット上の情報は英語が62%なのに対して日本語は2.4%というデータがあるようです。(これはソフトウェア開発に限らない話ですが)英語での検索結果は日本語の数十倍の母集団があるので、特定の問題を解決したい場合における精度やクオリティが段違いなのは言うまでもありません。ましてITはUSが本場なので、トップレベルの企業やエンジニアからの情報発信は基本的に英語です。

具合の悪いことに、そうした日常的に英語で仕事をしている人が技術情報を日本語で発信する必要性は基本的に無いので、英語でアンテナを張っていないと重要な情報の存在にそもそも気づくことができません。一部のエヴァンジェリスト的な人が日本語で発信してくれるのを待つだけなのはとても危険ですし、不健全です。タイムラグがありますし、発信者のイデオロギーや誤訳を含んでいる可能性もあります。周りと差別化するためにも、自ら情報を取りに行くべきです。



ある難病にかかり、病院に行くとします。最新の論文と研究結果をもとにして診察をしてくれるA医師と、英語を読むのは嫌なので本屋で買った医療本をもとに診察をするB医師、どちらが信頼できるでしょうか?B医師はきっと薬の説明書(=公式Docs)を読んでおらず、ネットの「使ってみた」記事を参考にして薬を処方するでしょう。

「自分は技術(プログラミング)が好きなのだから、それを追求したい。英語は関係がないのでやりたくない」というスタンスすら甘えになってしまうのがこの業界の辛いところです。技術を追求するとは即ち最善の方法を追求することであり、アートや表現の世界とは違って、先人たちの試行錯誤を前提にします。グローバルで行われてきた議論を踏まえずして最善の方法には到達できないからです。

もちろん、趣味でプログラミングを楽しむ人や初学者にとっては、日本語の情報は必要だと思います。しかし、「人生のすべてをエンジニアとしての学習に注ぐぞ!」とまでは思っていなかったとしても、少なくともプロとしてこの仕事で食べていこうと考えるなら、プログラミングのスキルを高める前にまずは(あるいは並行して)英語のリーディング力を一定まで高めるのが戦略的に正しいと思います。基礎代謝を上げてからダイエットをするのと同じで、英語にアクセスするだけで問題解決の速度も精度も上がりますし、学習コストが下がるので、全てにおいて生産性があがります。生産性にこだわるエンジニアがこだわるべき最も重要なポイントの1つだと思います。

いろいろと偉そうなことを書いてしまいましたが、僕もできれば英語は読みたくないし、長文を読むのはいまだに苦痛です。日本語と英語が並んでいたら無意識に英語を読み飛ばしてしまうので、気持ちを強く持たないと難しいです。英語に対する抵抗を減らすために、まずはスマホやMac/PCの言語設定を英語にするのと、Google検索の検索結果を「英語のみ」にしてみるのがおすすめです。また、英語4技能のうちソフトウェア開発において最も重要なのは恐らくリーディングですが、目標を決めてTOEICや英検の勉強をするのがコスパ良さそうです。資格試験では短時間で長文の要点を把握するスキルが求められるため、これらを通じて公式DocsやGitHubの速読力が上がった実感がありました。

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