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消費で社会を変えたいと願った代理店時代から政治・行政にアプローチするIT系スタートアップに転職するまで

はじめまして、山下です!

新卒でSNS運用をメインとした広告代理店にてキャリアを積んだのち、2022年2月にPoliPoliの行政事業部にジョインしました。

入社後はカスタマー(行政担当者)サクセスを担当しています。

広告代理店からIT系スタートアップへ。大胆なキャリアチェンジをして、約8ヶ月が経ちました。

転職活動でPoliPoliを選ぶまでのプロセスと、PoliPoliで感じたこと、これからの抱負をとどめておきたいと思い、記事を書きます。

この記事が、社会課題へのアプローチ方法に悩んでいる方やキャリアチェンジに悩んでいる方、PoliPoliが気になっている方に少しでも参考になれば幸いです。

国連を諦め、国内で頑張ることを決めた大学時代

「いや、急に国連ってなに(笑)」とのツッコミが入ってしまうかもしれませんが。

実は大学受験に失敗して浪人を始めた時に、『緒方貞子という生き方』を読んでから、国連で働きたいと思い、大学に進学しました。

緒方貞子さんは、日本人で初めて国連難民高等弁務官を勤め、長年世界中の難民に手を差し伸べてきた方です。

単純な私は「私も緒方さんのように世界中の人を救いたい!」と思い立ち、そのことを実現できそうな国連で働くことを夢見ました。

大学入学後は模擬国連サークルに所属しました。学生たちが、国連が実施している議論を模擬的に行う団体です。

そのサークルで出会ったのは、早くから国際協力に携わることを心に決めて活動してきた同世代の学生たちでした。

彼らには国際情勢への理解も英語力もまったく敵わず、会議では負けることばかり。

卒業まで活動は続けたものの、自分には国連の場から社会課題を解決することは難しいのではないかと思うようになりました。

それでも英語力はこれから社会を生きる上で必要になると考え、交換留学を決意。1年間アメリカに留学しました。

私がアメリカに留学したのは2016年。

そう、その年はちょうど民主党ヒラリー=クリントンと共和党・ドナルド=トランプによる大統領選挙が行われた年でした。

投票日当日、私は選挙の結果をライブで見届けようと友人とバーに繰り出していました。アナウンサーが続々と各州の開票結果を発表していきます。一つ一つの結果に一喜一憂する客たち。

トランプ氏が当選したことが伝えられると泣き崩れる人、お酒をラッパ飲みして歓喜する人。反応はさまざま。

それでも多くの人が選挙の結果を自分ごととしてとらえていることに驚きました。このとき、ふと「日本もこんな風になったらいいのにな…」と思った覚えがあります。

思えばその時から政治領域への関心が芽生えていたのかもしれません。

小さな企業やNPOの力になりたいと願い入った広告業界

国際協力を諦めた私が、働き先として目をつけていたのは広告業界・PR業界でした。きっかけはアメリカ留学からの帰国後に運営した「東京アフリカコレクション」でした。

このファッションショーには協賛として、アフリカの人々を救うソーシャルビジネスをしている企業が数多く参画してくれました。

それら企業が運営する事業はどれも素晴らしく共感するものばかりでした。しかし、まだまだ認知度が高くない企業が多く、もどかしさも感じました。

そこで、魅力的な事業を行なっている企業を、PR支援することで、より広めていきたいと考え、PR業界や広告業界での就職を検討し始めます。

結果的に(現在の前職にあたる)SNS運用をメインとする広告代理店に就職することを決めました。

社会課題をクリエイティビティで解決する多くの広告・キャンペーン

広告代理店では、数多くの広告やキャンペーンを学ぶ経験に恵まれました。

日本も世界も社会課題を解決するアイディアであふれていて、いつかこんな施策をやってみたいと感じました。

特に私の中で印象に残っているのは以下の2つです。

タンポンブック

「タンポンが課税対象なら、課税対象じゃない本の中にタンポン入れちゃおう」とのアイデアから始まったキャンペーンです。

キャンペーンの結果、贅沢品として19%の課税対象だったタンポンが日用品と認められ、7%へ減税されました。

本を開くと中にあるのは…?“タンポン税”撤廃を求める『タンポンブック』 | PR EDGE近年欧米を中心に認識されている『タンポン税』という問題をご存知でしょうか。predge.jp

クレジットカードでパンをスライスして募金するキャンペーン

クレジットカードをスキャンする動作と、実際に困っている人の救済の仕方をリンクさせ可視化した、デジタルサイネージを用いたキャンペーンです。

クレジットカードでパンをスライスすることで、そのスライスしたパンを必要な人に届けることができます。

クレカでパンをスライスして募金! 寄付した効果を“その場で”見られる啓発マシーン | PR EDGE世界各地の貧困と不正を根絶するために様々な支援活動を展開している慈善団体・Misereorは、手軽に寄付できる手段として多predge.jp

PR事業はとても魅力的だったのですが、ここまで大規模なことは前職では実施が難しく、もどかしくも感じていました。

このようなインパクトあるキャンペーンPRをいつか日本でもやりたいと思いながら過ごしていました。

「エシカル消費」との出会い

私個人の価値観として「買い物は投票」であり、自分の消費の仕方によって社会は変えられると考えています。

エシカルとは「倫理的な」の意。「倫理的(エシカル)な消費」とは、具体的に以下のような商品を買うことを指します。

  • フェアトレードな商品
  • 地球へのダメージが少ない商品

また、上で紹介したキャンペーンを行う会社の商品を買うこともエシカル消費の一環です。

商品に対してお金を支払う際は、その商品を提供する企業への支持を表明しているのだと認識するようにしています。

前職の2年目からはSDGsチームの配属になりました。「買い物は投票」と思ってもらえるように、SDGsの達成に寄与している企業のプロダクトを応援する仕事をしていました。

やりがいを感じる一方で、この仕事によって、サービスや商品が本当に必要な人に届いているのか、社会を変えることにつながっているのか疑問に思うようになっていました。

消費で社会を変えることへの疑問

自分の仕事が、本当に社会課題の解決に貢献しているのか疑問に思ったのは消費で社会を変えることへ疑問を持つようになったからです。

例えば、他国で労働者を低賃金で雇用していると明らかになった企業の商品は、海外では輸入ストップになるケースが多くあります。

一方日本では、そのような企業の商品輸入は規制されず、そもそも日本人の消費者も、そのこと自体を気にしているように見えません。

加えてエシカル消費をしたくてもエシカルな商品は値段が高くて買えないとの意見も多くある状態です。

社会にとってよいわけではない選択肢を取らざるを得なかったり、そもそも選択していること自体を気にしていない人が多いのかもしれないと気付いてしまいました。

社会課題解決へ直接的に関わりたいと考えるように

それでも社会課題の解決へどうにか関わりたいと考えていた私。

解決したい社会課題に対してどうしても間接的になりがちな広告代理店での仕事以上に、より直接的に課題解決に関わっていきたいとの思いが芽生え始めました。

広告代理店を退職することとし、自分は何がしたいかをじっくり考える時間を確保しようと、すぐに他社へ転職するのではなく空白の期間を設けました。

PAやデジタル民主主義など新しい概念との出会い

どうやったら社会を変えられるのか。書籍を漁る中で出会ったのがロビイングやPA(パブリックアフェアーズ)、デジタル民主主義などの新しい概念でした。

https://www.weblio.jp/content/ロビイングロビイング:企業や業界団体、市民団体などが、政策や政治的判断を自分たちに有利な方向へ進んでいくようにするため、議会外の場で政治家にはたらきかけることを意味する語。

https://pajapan.or.jp/what-is-pa/PA(パブリックアフェアーズ):企業やNPO・NGOなどの民間団体が政府や世論に対して行う、社会の機運醸成やルール形成のための働きかけ

https://www.tokyo-np.co.jp/article/142783デジタル民主主義:政治や行政をデジタル技術の力で身近な存在とし、多様でよりよい社会を目指すこと

これらの概念はどれも私が行いたい直接的な社会の変え方でした。

日本では「ロビイング」の概念があまりないこともあり、ロビイングを行なっていることを標榜する企業は少なく、まずはPAを行う部署がある企業を探しました。

リサーチや選考を受ける中で、わかってきたことはPR会社の中にPAの部署がある形が多いことです。通常のPR案件と兼任する形で、PAも行なう組織構造の企業が多くあることを知りました。

私には、100%政策に関わっていきたいとの意思があり、面接の中で企業側にもそのことが伝わってしまっていました。

面接が進む中でも、お互い合意の上で辞退させていただいたりと、なかなか転職活動はうまくいきませんでした。

PoliPoliとの出会い

そんな中、PA関連のメディアを漁っていたところ、PoliPoli代表・伊藤による記事がいくつか目に入ってきました。

「PAを通じて、もっと多くの人が政策に関与できる未来ってステキだな〜」とぼんやり思いつつ、台湾のデジタル大臣・オードリー・タンさんが住民参加プラットフォーム「Join」への憧れも持っていました。

PoliPoliが提供しようとしているサービスが、自分のやりたい領域とマッチしていたため、採用面接を受ける運びになりました。

PoliPoliでの採用活動はこんな感じ

選考では2回の面接後、5日間のトライアル期間へ。「なにがなんでも結果出すぞー!」と意気込んではいたものの、関わるメンバーのみんなが穏やかに粛々と仕事を進めるタイプだったため、私もエネルギーを切らさずに業務を進めることができました。

トライアルの中で任せられたのは、「プロジェクトで集めた意見のレポートフォーマット作成」業務。

『PoliPoli Gov』で収集したデータを分析し、レポート化するための基盤づくりをする業務です。このトライアル業務は実際にその翌週にクライアントの目に入るとのこと。気を引き締めて作っていきました。

幸いなことに、前職もクライアントワークだった上に、毎月・四半期・年間でSNS運用のレポートを作りまくっていたため、レポート化することは得意でした。

結果的に、トライアルで作ったレポートは正式入社後にクライアントに展開させていただき、今も修正しながらフォーマット化を進めています。

そんなこともあり、トライアル3日目にはオファーいただきました。私も3日間働いてみて自分がやりたいこととマッチしていること、カルチャーとフィットすることを実感し、その場でオファーを承諾しました。

働き先を選ぶ上で最も重要だったのは、事業が解決したい課題と自分が解決したい課題がマッチしているかどうかでした。

前職ではそのマッチングがうまくいかず、モチベーションが落ち、退職へとつながりました。自分がいかに課題解決に対してコミットできているかを実感できるかを重視し、意思決定しました。

入ってみたら驚きの毎日

入社して、早8ヶ月ほどが経過しました。これまでの経験と比べて、日々驚くことが多く、大まかに4つ紹介したいと思います。

オープンすぎる

まずは「オープンでいこう」の姿勢。これは会社のバリューのうちの一つで、PoliPoliの大きな特徴であり強みだと思います。

Slack上での個人間のチャットのやりとりはクローズドなものではなく、もはやTwitterのような感じでひとりひとりのチャンネルの中で交わされています。

各事業部のチャンネルも全部オープン。ほぼほぼ全部のチャンネルに入っているので、自分の業務にはそこまで関係がない開発部署のやりとりも丸見えです。

前職の時はプロジェクトごとにチャンネルがあり、そこに関係ない人はチャンネル内のやりとりを見ることはできませんでした。

notion>PPT・エクセル・スライドの資料

PoliPoliにはとにかくなんでもnotionで作る文化があります。とりわけ社内共有においてはnotion文化が根付いていると思います。

私は前職時代、社内共有もクライアント共有も、PPTを使っていました。そのため、テキストでの共有のみでいいのか…?!と不安になったこともありました。

しかし、社内共有であれば、作り込む必要もないし、テキストで理解してもらえるようにするのが一番合理的と気付きました。

MTGが少ない

前職時代は、1日あたり4~5時間ほどMTGし、進捗共有をしていました。そのためまとまって作業する時間は多くありませんでした。

PoliPoliではMTGを提案すると「そのMTGに意味があるの?」とツッコミがきます。チームに関わることはチーム全員に会議で共有しながら進めていたので、当初は戸惑いました。

ですが、進捗の共有だけならnotionにてテキストレビューしてもらうことで業務を進めることができ、長時間のMTGは必要ありません。

必要に応じて、メンバーはすぐにハドル(Slackの電話機能)でやりとりをしてくれますし、MTGを設けてまとまった時間を作る必要はそこまでないのかなと考えるようになりました。

ひとりひとりの裁量が大きい

ひとりひとりの裁量が大きいことも特徴です。

私は入社して8ヶ月間、行政に声を届けるウェブサイト『PoliPoli Gov』を利用する行政機関(クライアント)に伴走しながら、意見募集の準備から発信まで一貫して行なってきました。

その中で、自分が提案したことをやらせてもらえないことはほとんどありません。クライアントとのやり取りにおいて上司から細かくマネジメントされることもありません。

やりたいことを提案しやすく、それを受け入れてくれる環境だと感じています。

つい先日、PoliPoliへジョインしたメンバーは「最初からこんなに裁量を持ってしまっていいのでしょうか」と言っていました。

私自身、モチベーションを失った前職時代と比べると裁量が大きい分、より責任感を持って仕事に取り組むようになったと感じます。

やりがいを感じる瞬間

私が所属する行政事業部は行政機関の方々をクライアントに、サービス開発を通じて「広聴」の新しいあり方を模索しています。

行政の中にある独特の文化や組織構造には現在でも不慣れな部分がありますが、実際の声が行政の方に届く瞬間を目にすることができる瞬間にやりがいを感じています。

PoliPoliで働くことを検討している方へ

PoliPoliはまだ創業して数年の若い会社です。

スタートアップ企業でイメージされる「やりがい搾取」のようなことはまったくありません。

限られたリソースの中で、すべてを合理的に進めており、顧客のために生産性を重要視しています。

PoliTechやGovTechといった、日本では未開拓のビジネス領域を自らの力で切り拓くことを楽しめる人や、課題発見から改善策の提案、実行まで自らできるマインドがある人はPoliPoliで存分に力を発揮できると思います。

ぜひPoliPoliの業務やカルチャーに共感した人はPoliPoliで一緒によい未来を作っていきましょう!

それでは、また次回お会いしましょう〜!

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