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俳優からスタートし工場長、個人営業、ライバー…さまざまなキャリアを築く過程で知った自分の短所が「強み」に変わった

「自分は、ずっと周りから嫌われていた」──そう思いながら20代を過ごしていた榎本さん。「やればできる」と信じ、さまざまなキャリアを重ねながら成果を出し続けてきました。ところが、偶然の出会いから株式会社OfficeBrightの代表、淀澤社長を知り、転職。入社から2年で部長に昇格し、活躍しています。

キャリアに悩んでいた20代を経て、OfficeBrightでどのように成長を遂げていったのかについて詳しくお聞きしました。

榎本拓也 / 管理部門 部長

高校卒業後に俳優の道へ。その後、機械製造の工場長、個人向け営業、音楽配信ライバーなどの多才なキャリアを経験。2020年に株式会社OfficeBrightへ入社した。現在は管理部門 部長として部下のマネジメントにあたりながら、商談成約につなげるためのクローザーとしても活躍している。

今が楽しければそれで良い。ずっとそう思っていた20代

ーーこれまでのキャリアについてお聞かせください。

中学時代は吹奏楽部に入り、トランペットに出会って覚醒しました。未経験でしたが関西2位の実績を出すまでになり、高校は推薦合格しました。卒業後は特にやりたいこともなく、「俳優になってみようかな」と思い、2年ほど俳優の道にチャレンジ。アルバイトをしながら、ボイストレーニングやエキストラ出演を繰り返しましたね。人気映画にもエキストラとして出演したのですが、思うような結果は出ませんでした。

そんなタイミングで父から就職を勧められたこともあり、父の知り合いの社長が営む工場で機械工となりました。従業員は自分ひとりだけ。最初は社長と2人だけで、鉄に穴を開けたり、目地を切ったりしていました。入社から8年間は収入も安定していて、25歳で工場長になったのですが、待遇面をもう少し改善したいと思うようになり転職しました。

次にチャレンジしたのが個人営業です。金融商品を提案していたのですが、最初は全く受注できませんでした。それでも丁寧に顧客ニーズをヒアリングし続け、紹介者も増え、少しずつ話を聞いてもらえるようになりました。インセンティブを合わせると月収100万円以上になる月も出て、人間力の大切さを痛感しながら、プレゼン・トークのスキルを高めることができました。しかし、会社が倒産してしまったんです。

そこでライバーとして「ライブ配信」をすることになりました。最初は視聴者側だったのですが、広告を見て「自分もやってみよう」と思ったのがきっかけです。得意だった歌を配信すると意外に人気が出て、収益も得られるようになりました。その後、OfficeBrightに営業として入社。今に至ります。

ーー俳優、工場長、個人営業、さらにはライバー。多才な経験を積まれていますね。

そうですね。その中で一番成長できたのは、工場勤務の時代かもしれません。「やればできる」と信じていたので「なんでもやりきろう」といつも思っていました。ところが「お前には何もできん」と社長に言われ続け、挫折を味わいました。初めて「働く大変さ」が身に染み、責任感について深く考えさせられましたね。入社から2年間の仕事は、ドリルで穴を開ける作業と掃除のみ。職人の基本を学び、ようやく3年目から図面を参考にしながら機械を組み立て、工場の生産ラインを自動化する機械製造を任せてもらえるようになりました。

指示が分からない場合は質問しないといけないのですが、なかなか聞けずに苦労しましたね。ほぼ独学で知識を身につけ、最後には電気配線まで1人でできるようになりました。工場のメンバーも5名ほど増え、人から信用してもらえるようになって、本当に嬉しかったですね。何もできなかった自分が信頼されていると分かり、もっと成長したいと思うようになりました。

ーーOfficeBrightに転職しようと思われたきっかけは何ですか?

ライバーとしてネット配信を続けていたのですが、人気が出てくるにつれて根拠のないウワサが流れるようになりました。同業者による足の引っ張り合いや、人気によって収入が左右される不安定さに厳しさを感じたため、地に足をつけて働ける環境を求めて転職を考えました。

そこで思い出したのが、淀澤社長でした。個人営業をしていた時代の知り合いだったのですが「一緒に働くならばこの人」と思っていたんです。

淀澤社長は私にとって初めて、年下だけど尊敬できると思った人でした。圧倒的な低姿勢でコミュニケーションを取り、どんな情報でも失礼のないように聞き出せるんです。どんな肩書きの方が相手でも、“聞く”に徹するプロ。その上で「こういう点に興味があるのでは?」と相手の長所を見つけるのがうまいので、とても気持ちよく心を開いてしまうんですよね。

ちょうど転職を考えていたタイミングで淀澤社長から「会社を設立する予定がある」と聞き、面白そうだと感じましたし、力になれるのではないかと考えました。

入社後に改めて気づかされた自分の強みと、その後の活躍

ーー社長との面接で、指摘されたご自身の強みなどはありましたか?

淀澤社長はよく、自分の良さがよくわかっていない求職者に対して、こう声をかけているんです──「一緒に働いて、キミの長所を見つけていこう」と。

私自身も「自分の強みなんて何もない」と思っていました。でも面接で「拓也くんは8割の人に嫌われる。でも2割の人は、きっとついてきてくれる」と言われたことが、強く心に刺さりました。

淀澤社長によると「上下関係を気にせずに自分の意見を堂々と述べ、その場に影響力を及ぼしていることが関係しているのではないか」とのことでした。「角が立つから言わないでおこう」と避けてしまうテーマにも、スッと切り込んでしまうから白い目で見られることもあったでしょうね。

でも淀澤社長は「自分と一緒の人間は、絶対に雇わない。社員全員が違うから助け合える。それで良い」と言ってくれたんです。今でも現場で一緒に営業をする日もありますし、設立当初からの長い付き合いは続いています。信頼関係もより深まりました。

ーー現在のお仕事について、教えてください。

大手携帯電話会社の催事担当を務めています。プロジェクトの立ち上げから関わっていて、今のポジションは責任者です。他社の携帯電話会社からdocomoへ乗り換えて契約をしてもらうための催事を行う現場に入り、「クローザー」を担当しています。お客様に料金プランを提案し、最終的に契約を交わす立場ですね。

お客様と接する一方で、他のスタッフの稼働状況や売上数字の管理も担当しています。また、経費申請などの財務管理も任されており、会社経営に関する業務にも関わっています。淀澤社長と対等に議論するのも、私の役割です。

仕事をしてみて感じたのは、チームで働くことの良さ。これまでは1人だけで進めていた仕事も多かったですが、それだけでは目指している先の目標が見えなくなります。今は、目標に向かって一緒に歩むプロセスを相談できる相手がいるので、心強いです。

ーー部長へ昇格して、何か変化はありましたか?

変化として率直に感じているのは「収入面」です。入社当時は訪問販売の営業からスタートし、フルコミッション制でした。頑張って結果が出せればインセンティブに反映されて給与も上がるのですが、固定給のありがたみを感じましたね。今は役員報酬があり、年俸制へと切り替わったので、安定した収入を得られています。

心理面では「責任感」がより強く芽生えてきました。自分が率先して仕事に取り組まなければ、誰も成長しない。背中で語ってみせないといけないのではないか。そんなふうに思えるようになりました。

ーー部下の育成に関して、工夫されていることなどはありますか?

「営業の仕事=8割はメンタルの仕事」だと思っている方も多いんです。「でも違うんだよ」と最初に伝えるようにしています。

営業として成功するには、提案をするための圧倒的な母数が必要になります。普通の営業・デキる営業の差は「行動した数の違い」だけで、才能はほぼ関係ないんです。実際に訪問販売の営業をした時の経験からも、自信を持ってそうだと言えます。

行動件数が平均15件だったので、入社2ヶ月目に30件へ増やして行動してみたところ、成績はトップになりました。メンタルの問題ではなく、数に対していかに対応できたかが重要になります。

あとは「人の心の扱い方」も工夫しています。前職で個人営業をしていた時に、誰にも自分の意見を聞いてもらえず、辛い気持ちになったことがありました。人と会うのが怖くなって悩んでいたのですが、先輩から「人見知りはナルシストやで」と指摘されて急にふっと気持ちが吹っ切れた経験があります。心理療法を受けたり、ストレスと上手に付き合ったりしながら回復した体験も、育成するために活用できていると思っています。

今年の春に入社した新入社員も、この半年で生産性を示す値が3倍に伸びました。コミュニケーションがしっかりと取れているかなど、営業活動に必要な指標を数字として見える化し、適切なアドバイスを交えてフォローするようにしています。

1しかないスキルを10に伸ばす。どんな人でも成長できる組織を目指したい

ーー将来的には、OfficeBrightをどのような会社にしたいとお考えですか?

淀澤社長が常々話していることがあります。それが、「10個のスキルが必要な仕事があるとしたら、最初から10個のスキルがある人は必要ない。1個しかなかったのに、10個も伸びた。そんな仕組みが必要だ」ということです。

私も確かにそうだと思っています。最初からデキるタイプの人材は、すぐに他の環境へと目移りしてしまい、定着せずに組織から離れていってしまいます。人を成長させられる会社は、生存競争でも勝てるでしょう。

また5年後には上場を目指しています。そのためにも事業拡大を積極的に行い、分社化も進めていく予定です。

ーーご自身の今後の目標についても、お聞かせください。

人材育成型のサービスを立ち上げてみたいですね。人材を育成し、必要としている企業に紹介する新規事業を始めてみたいです。あとは笑顔の絶えない会社にしていくことでしょうか。

自分自身のキャリアについて、特に淀澤社長と相談することはありません。社長との間には圧倒的な信頼があるので、「これをやってほしい」と依頼されれば、どれだけ時間がかかってもやりたいと思っています。

ーー目標達成のために、大切にしていきたいことは何ですか?

「この人が好きだ」「嫌いだ」で仕事自体がやりにくいと感じる方もいるでしょう。でも「それってもったいないな」と私は思います。人間関係だけに左右されて、本来1人ひとりが発揮できる生産性や、働く意欲を失って欲しくないんです。

笑顔の絶えない会社にするには、全員の意見が上層部まで通じる仕組みが大切です。「言いたいけれど、言えない」という環境をなくし、誰でも気兼ねなく意見が交わせるような組織体制を作っていきたいです。

私はずば抜けて何かが得意なわけでもないですし、不器用な分だけ努力でカバーしてきた人間です。そんな私でも成長できた。一緒に働く人には、そう伝えたいです。

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