2020年、約17年勤めた大手総合人材サービス会社を卒業し、Palletへ取締役としてジョインされた上野 英律さん(通称ひでさん)へ、社会人インターン生の竹内(通称ありちゃん)がインタビューさせていただきました。
Palletへジョインされる前から、Iターンで仙台へ来ていた上野さん。
なぜ仙台へIターン?その後、なぜPalletへ?現在取り組んでいる組織開発事業とは?など色々伺っています!ぜひご覧ください!
インタビュイー:上野英律 インタビュアー:竹内有沙
竹内:はじめに、Palletへジョインされる前にされていた事を教えてください。
上野:2003年、新卒で大手総合人材サービス会社へ入社し、採用まわりの法人営業からキャリアをスタートさせました。私は、50名程の子会社を志願して働き始めました。当時、新卒採用は紙媒体からインターネットへ変わっていたものの、アルバイトはまだ紙媒体だったんですよね。そんな中いち早く、アルバイトをインターネットで探すことができるようにした会社、それが私が志願した子会社でした。
当然、最初は何も成果がない状態からのスタート、つまりビジョンを売るような仕事だったんですよね。具体的には、お客様の元へ行き「今後アルバイト採用をする上で、インターネットがどれだけ重要か。」「御社が先駆けになってインターネットでアルバイト募集をしていくことで、一緒に新たな常識を創っていきましょう。」をお伝えしていくイメージです。ビジョンをお伝えし、信じていただいたお客様の伴走支援をしていく。そういう事をずっとやり続けていました。とても楽しかったです。周りのみんなも生き生きしていてかっこいいなと思っていましたし、日々仲間とがむしゃらに働く中、自分自身もとても働きがいを感じていました。こうした経験が、自分自身の「働く」ことに対する大きな原体験となりました。
竹内:お話を伺っていて、当時の充実感がとても伝わってきます!そんな中、なぜ2014年に仙台へIターンを志願されたんですか?
上野:2011年3月に東日本大震災があり、当時、個人的に何か力になりたいという思いから、東北へ何度かボランティアで伺ったんですよね。そこで、東北の復興に向けたエネルギーを感じたのと、面白い人が集まっていると感じたこと。それが1つのきっかけになったかと思います。
さらに、その少し前から自身のキャリアを考えていく中で、新たに何かチャンレンジしたいと思っていました。せっかくチャレンジするなら、住む場所も事業の内容も変えてチャレンジしてみたいと思っていたんです。
2つの想いが重なった2014年、前職で、公共事業を行っている部署へ異動させていただく事にしました。そこで出会ったのが、南三陸町での移住支援事業です。宮城県や仙台市などから様々な事業の受託を受け、地元の方々と一緒にプロジェクト化して、私はプロジェクトのマネジメントをしながら推進していきました。
ただ、4年前くらいでしたでしょうか。当時私がいた公共事業の部署で、南三陸の事業を撤退することになってしまったんです。私としては、南三陸の方々と関係性が出来ていましたし、そんな私だからこそ「町の魅力を伝え、より地域を盛り上げていく」ことで貢献出来ることがあるはずだしやりたい、という想いが強くなってきました。そこで、南三陸と前職、さらには賛同してくれた当時2期目だったPalletとも話し合いを経て、最終的にはPalletとして南三陸事業を継続させていただく事になりました。それがPalletへジョインすることになった経緯です。
竹内:Palletへジョインされた当初は、複業だったとか・・・?
上野:はい。前職が週3、Palletが週2という割合でのスタートでした。
そんな中コロナ禍になり、前職での仕事量が増え、Palletでの仕事ができなくなってきてしまったんです。そういった状況になり、改めて自分の南三陸やローカルに対する想いの強さを再確認することになったんですよね。
それまで移住支援の仕事をしていて、「移住してきたものの、働く職場でうまくいかなくて、結果仕事も辞めて、町も離れてしまう」という人を何人か見てきて、もったいないな、と思っていました。私は、ローカルであればあるほど人材は貴重で、「働く人がやりがいを持って働くことができる環境」が必要なんじゃないかと思っていたんですね。そうした自身の想いは、当時Palletとしてやっていることに繋がると感じていましたし、私自身も生き生きと働く人を増やしローカルを更に元気にしていきたいという想いが強くなりました。
そこで約17年勤めた前職を2021年3月に退職し、2021年4月からPallet専任として、Palletがやっていることを推進していこうと覚悟を決めました。
竹内:上野さんの熱い想いがひしひしと伝わってきます…!Palletへジョインされてから、現在に至るまでのお仕事内容について教えてください。
上野:最初は公共事業(南三陸)からスタートしましたが、最近は、企業様の組織づくりに伴走する「組織開発プロジェクト」の企画や支援をするクライアントワークも行っています。加賀谷さんと同じく(https://www.wantedly.com/companies/company_9369198/post_articles/872230)
ご支援範囲を広げるべく営業活動をしたり、組織開発のプロジェクトマネージャーを行っています。具体的には、企業様の組織課題を理解した上で実現したい未来を共に描き、プロジェクトを企画します。その上で課題に沿った学びの提供、外部コーチの伴走支援による学びの定着までを一気通貫で支援します。プロジェクトの企画は、デリバリーをメインで担当していただいている清水さん(https://www.wantedly.com/companies/company_9369198/post_articles/881846)と連携しながら行っております。
南三陸の事業も組織開発事業も、共通して私が大切にしていることは「誠実」であることです。また、生産性高く仕事をしていく事も大切な一方で、「いかに体温をのせていくか」という事も大切にしています。one of themにならず、相手に寄り添い一対一で向き合ってきたからこそ、今があると思っているからです。なので今後どんどん貢献範囲が広がったとしても、しっかりとお客様に対しても、地域に対しても、関わる相手に対して誠実に体温をのせながら向き合っていきたいと思っています。
竹内:単なる課題解決ではなく、体温をのせていくという所が、Palletらしいと感じます。そんな上野さんのPallet での仕事のやりがいはなんですか?
上野:やりがいは色々あります。例えば最近仕事の割合を占めている組織開発のやりがいは、伴走支援をさせていただく中で、参加者一人ひとりの表情の変化や、コミュニケーションの前向きな変化を体感できることです。特に、クライアント側の人事担当者とやりとりをさせて頂く中で、先方も前進している感覚を持てていて、その喜びを一緒に共有できていると感じる瞬間に、大きなやりがいを感じています。こうしたパフォーマーの変化や、人事の前進できているという感覚が、パフォーマーの集合体である組織にまで伝播し、組織全体に良い変化を起こせていると感じられるとさらに嬉しいですね。
竹内:それは本当に嬉しいですね!例えば、ここ最近で1番嬉しかった具体的なお話もぜひ教えてください。
上野:3カ年計画を踏まえ伴走支援をしているA社さんで起こった嬉しい変化です。
2年目のご支援についてA社の人事担当者とお話を進める中、1年目にご支援させていただいた20名のトレーニング参加者に「メンターとして関わっていただく」という取り組みを初めてやったんですよね。しかも、強制ではなく手挙げ制でやりました。
当初、担当者からは「忙しいからみんな手を挙げないのでは・・・」と言われていたのですが、実際に希望を取っていただくと、20人中13名が「会社にとって必要なことだから」と自ら手を挙げてくださったんです。
メンター募集の際は、条件もつけたんです。メンターとして関わっていただく上で、集合研修以外にも社内でトレーニング参加者との対話の時間を2回は設けるなど、いくつかマスト条件をつけている中でも、半分以上の方が自ら手を挙げてくださったんです。このように主体的に関わってくださっているということがとても嬉しくて。
集合研修の場でも、メンターの方が「経験者」として、自分の言葉でトレーニングの効果を伝えてくださっていたり、「こうしたらいいのでは?」と自ら考え伝えてくださっていたりと。
メンターの貢献により、トレーニング参加者が変化していく様子を目の当たりにすると、もっと貢献したいという想いが膨らみさらなる自主的な行動につながる。このような良い循環が、組織の中で広がっている感覚をメンターも人事も感じている。このような、人や組織全体が前向きに変化しつづけていることをA社の皆さんと一緒に喜べたことは、とても嬉しいことだと感じました。
同じような取り組みを来年度からもやっていきたいと人事担当者からも言っていただけて、さらにはA社の皆さんも組織全体がよくなっていると実感されている。つまり、「自分たちの組織の可能性を信じられる状態」になっているんですよね。それって素晴らしいことだと思うんです。
可能性がみえないと働いていてもつまらないですし、その結果、退職に繋がったり、惰性で仕事をすることにもなりかねないと思うので。
だからこそ、「組織の可能性を信じられる良い状態をつくりだせている」という感覚を皆さんが実感できているという事実は、本当に嬉しいです。
竹内:実際に経験を経て確信されているというのは大きいですよね。これから益々楽しみですね!一方で、こうした良い循環を起こしていくとなると、難しいことも多そうですがいかがでしょう?
上野:もちろん、難しさもあります。私たちがいかに想いを持って向き合っていても、それだけではダメなんですよね。当たり前ですが、良い変化、良い循環を起こすためには、クライアント企業の経営者や担当者と一緒になって変化を信じて働きかけつづけるという事が大事だと思います。伴走支援と申している通り、1回の集合研修だけでは、行動変容までには至らないんですよね。
なので例えば、伴走支援期間中になんらかの理由で継続できない方が発生してしまうと、行動変容まで至らず終わってしまい非常に残念だと思います。万が一そういった事が発生してしまう場合は、その代わりに、経営者や担当者の皆様が短い期間でも支援を通じて感じたエッセンスを理解して、社内でそれを伝えつづけていく等、何かしらの方法で実践しつづけていけるようにしていただけたらと思っています。
我々の伴走支援を最後まで継続いただいたとしても、良い循環を起こすためには、経営者や担当者の皆様の理解は欠かせません。なので、伴走支援を通じてお伝えした事の本質を皆様にしっかりと理解していただき、社内に落とし込むということまでこだわっていただけるようお伝えしつづけています。
竹内:難しさを乗り越えて、良い循環を多くの企業で生み出していきたいですね!そんな上野さんですが、Palletに新しく仲間を迎え入れるとしたら、どのような方とはたらきたいですか?
上野:面白がり力がある人と働きたいです!何か壁があったとしても、むしろ面白がってそれを原動力に行動できるような、アイディアマンで考えたことをすぐに行動できる人ですかね。
基本的には、みんな「いいねいいね!」と、そのアイディアに上乗せしていくような雰囲気の会社です。アイディアを形にできる環境はいくらでもあるので、そんな方が仲間に入ってくれたら更に面白くなるだろうなと思います!
竹内:とてもイメージが湧きます!私もインターン生として関わらせていただきながら、まさに感じています。最後に、上野さんが感じるPalletではたらく魅力と、上野さんの今後のWiLLについて教えてください。
上野:Palletではたらく魅力は、「自分次第でいくらでも!」という感じですかね。自分がこうやっていきたいという想い(WiLL)と、PalletのWiLLとの共有ゾーンがあれば、自分次第でいくらでもできますし、働き方も整えられる、そんな点が魅力の1つだと思います。あとは集まってくれる人ですね。ビジョンやミッションに共感し、相手のありかたを尊重してくれる人が集まってくれている点も、魅力の1つです。こういう組織のあり方があるんだとか、こういう働き方ができたらいいよねなど、自己実現という点でPalletは1つの大きなプラットフォームになりつつあるのかなと。
Palletの取締役としては、それだけでなく事業体としてより大きく価値発揮をしていくためにも、何ができるかをみんなで真剣に考え、社会貢献度合いも増やしていきたいです。
最後に、私自身のWiLLとしては、東北はもちろんのこと、ローカルをもっと元気にすることを掲げています。ローカルで組織開発の必要性をもっと伝え、実現していくハブになるという事を、Palletを通じてやりたいたいですね。これは私の大きなWiLLです。
あとは、せっかくローカルにいるので自分の生活をもっと面白くしたいです!遊びと暮らしと仕事が融合している、そんなスタイルをつくりたいです。せっかくCanvasというオフィスもあるんでね。(参考:https://note.com/pallet_sendai/n/n2708ca41fa5c)
Palletメンバー兼、Canvasオーナーでもある小向家がお手本です!小向家の旦那さんこそ、遊びと仕事を融合してどちらも楽しんでいるので、まずは近所で焚き火から始めてみたいです。
※WiLLとは…Palletの定義で「価値観×未来への意志」