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愛するものを語れば、会社に人格が生まれる。創業1年目の企業がサッカークラブにスポンサーをするワケ

2020年3月9日にたった2人で創業された株式会社FUSION。

3人がギリギリ入れるぐらいの狭いオフィスから、気付けばひとり、またひとりと仲間が増えていき、この秋に60人が入れる表参道のオフィスにお引越しをすることになりました。

そんなFUSIONが2021年2月にオフィシャルパートナーとなったのが、東京都社会人リーグ1部「SHIBUYA CITY FC」。渋谷の街で活動している都市型フットボールクラブ​​です。

創業まもないスタートアップがクラブチームをスポンサーすることでどんな未来につながるのか。SHIBUYA CITY FCの小泉さんとFUSIONの前田に、スポンサードの先にある未来について語り合ってもらいました。

社経営に必要な「“愛するもの”の意思表明」


前田:
ええと、たしか「SHIBUYA CITY FC」(以下:SCFC)の存在を知ったのは、渋谷の未来をどう作るかを考える「渋谷をつなげる30人」というプロジェクトに参加させていただいたときですね。

FUSIONは渋谷に根を張って活動をしていきたいと考えていたので、実際にお話をさせていただいて、その場でスポンサーをすることを決めました。当時はスポンサー先を探しているわけじゃなかったんですけど(笑)。

小泉さん:
とんとん拍子ですぐに決まりましたよね。最初はうちのどこに興味を持たれたんですか?

前田:
SCFCが掲げている「強さの定義を変える」というビジョンにすごく共感したんです。サッカーの競技性だけではない強さや文化、社会への貢献を目指しているところがいいなって。

小泉さん:
ありがたいです…。今、「サッカーチームの強さ」の評価基準は2つあるんですよ。ひとつめは、J1やアジアチャンピオンズリーグで優勝するなど、チームとしての強さ。ふたつめは、いい選手を獲得するための強化費を確保できているなど、お金があるという意味での強さです。

でも、僕らはそのふたつだけじゃなくて、チームが存在することで人生が豊かになる人がいたり、SDGsや社会貢献活動ができていたり、もっと世の中をワクワクさせるような定義があってもいいんじゃないかと思ったんです。

チームの試合を中心に、渋谷に対して「強さと収益性以外の部分でワクワクする街にする」を掲げた「渋谷百年構想プロジェクト」もやっています。

前田:
すごく素敵だと思います。超スタートアップの会社が足元の売上を追う時間をなくしてでも、スポンサーをすることは、ある意味ひとつの経営的リスクにも捉えられますが、会社を経営するうえでは社会に対する意思表明がとても重要だと思うんですよ。

数々の広告を手がけるクリエイティブ・ディレクターの原野守弘さんの言葉に「偉大なブランドは、自分のことではなく、愛するものについて語る」というのがあります。愛するものを語れば、それに共感した人が集まってくる。一方で、会社が利益を追うことだけを考えると、利益に対してにしか人が集まらなくなるんです。

会社がコミュニティとして健全に運営されていくには「なにが好きか」という意思表明が重要だし、それがすべての起点になっていく。その考え方のもとに投資や参画をしています。そのひとつが、SCFCへのスポンサーでした。


小泉さん:
僕らも同じ思いです。スポンサーされる立場ではありますが、お金を払ってくれる会社ならどこでもいいというわけではなくて。どんな会社に応援されているのかがまわりから見たときの信頼や、フィロソフィーに関わってくると思うんですよ。

FUSIONさんには「急成長させる気概」を感じるんですよ。会社の売上も人数も右肩上がりでどんどん伸ばしているところを見ると、僕らにとっても刺激になるし、焦るし、シンプルにめちゃめちゃかっこいいと思わせてくれる。

そんな会社と組めていること自体、チームのブランディングとしてもすごくありがたいと思いますね。むしろ、前田さんはスポンサーをすることに不安はなかったですか…?


前田:
うーん…特にないですね。たしかに今はJ7相当で、階層を上げることに関しては長い道のりではあります。

でも、現状のプロ選手との契約方法や、スポンサーとの関わり方、お金の生かし方、ブランドの作り方すべての根幹の組み立て方が他のチームとはそもそも違うので、構造上の不安は何もない状態でのスポンサー決めでしたね。

社員の士気を高める“インナーブランディング”

小泉さん:
実際にうちをスポンサーしてみてどうですか?

前田:
やっぱり一期目のスタートアップでスポンサードできているのは、まわりからも成長性や将来性があるように見られると感じましたね。

あと、SCFCに勢いがあると、FUSIONにも勢いがあるように見えるんですよ。そういう認知の相乗効果はかなり高いです。SCFCは新しいチャレンジやPRを他のチームよりも相当やってらっしゃるので、分け前をいただいています(笑)。

小泉さん:
いかんせん目立ちやすいんです、僕らは(笑)。

クリエイティブの部分も、ストーリーの部分も、普通のスタートアップよりも表に出やすい事業体。だから、ここからカテゴリーを上げていくプロセスをしっかりアウトプットして、勢いがあると思ってもらうことで、スポンサーしてくださっている会社の価値も上げられたらと思っています。

前田:
あと、意外と知られていないですが、実はスポンサーをすることは、対外的なブランディングにつながることはもちろん、社員の結束を高めるインナーブランディングにもつながるんです。


前田:
たとえば、うちではFUSIONのロゴの入ったユニフォームを、社員に配ることをしました。「よかったら、友人や家族にもあげてね」と。

スタートアップに入ってくれたメンバーの家族は、おそらく僕が思ってる以上に不安を抱えていることもあると思うんです。でも、そのユニフォームの存在が安心材料のひとつになるかもしれない。「こんなチームをスポンサーしている会社なんだ」と知れるから。

さらにそれをパジャマとして着ることで愛着が湧いて、FUSIONのことをちょっとでも好きになってくれる機会を作れたら、間接的に離職率が下がるかもしれない。

ここは数値化できない部分ではありますが、ユニフォームひとつ取っても、会社のロイヤリティにつながる話であると思うんです。

小泉さん:
ユニフォームがそんな役割を…!

前田:
あと、スポンサーをすることで、社内外でも社員と関わる大義ができることも重要だと思います。

うちでは毎週月曜日の朝会では「今週のSHIBUYA CITY FC」というコーナーで勝敗や順位を追っています。社内の中心コンテンツとして運用できていますね。共通の話題にしたり、現地観戦に行ったり、社員同士がより深く関わる機会を自然に作れるのはとてもいいことかな。

応援だけじゃなくて、活用とセットで考えるだけでも、スポンサーをする価値はだいぶ変わってくると思いますね。


小泉さん:
僕らのJ7相当というカテゴリーはファンクラブがあったり、サポーターが大勢いたりするわけではないですからね。ユニフォームにロゴは入れさせていただいているけど、認知が広がったり、コンバージョンしたりといった広告価値でお返しできることは何もないと思うんです。

だから、社員さんのエンゲージメントを上げるところに活用していただくというのはすごくありがたい話です。こちら側としても、みんなでバスで試合に行くとか、フットサルの大会をやるとか、そういった形で還元できたらと考えています。

お金を払っておわってしまう会社はすごく多いんですよ。スポンサーしてくださったからにはもっと活用してほしいといつも思っているので、この記事をいろんな会社に送りつけて、「FUSIONのように使い倒してください」って言いたいな。

前田さん:
それはもう、営業資料にぜひ(笑)。

“スポンサーの経済圏”でシナジーを生み出したい

前田:
SCFCは170社からスポンサードされていますが、各々の会社とは今後どのように関わっていこうと考えているんですか。

小泉さん:
スポンサーを考えている企業のなかには、ビジョンファーストで合致するだけではハマらない方もいらっしゃるんですよ。

アップセルするとか、カテゴリーに応じてプランが変わるとか、費用対効果が何らかの形で見えないと投資が難しいと。そこの部分を少しでも解消するために、スポンサーになってくださった企業が、他の企業の商品を安く導入できるようなことを今やろうとしています。

たとえば100万円スポンサーしたぶん、商品が他のスポンサーに100万円分売れるとか、toBでマッチする会社を紹介してくれるとか。

今は170社ですが、これが1000社になったら、スポンサーの経済圏が生まれて、お金がまわる可能性が絶対あるはず。同じビジョンに共感して集まったスポンサー仲間なら、きっと価値観も似ていると思うんです。

これはそもそもの企業数が少ない地方では不可能で、渋谷ならではのネットワークと、渋谷にいる人たちのフットワークが噛み合わさることで実現できうること。

スポンサーの方々はそんな渋谷らしい働き方や事業の根幹を一緒に作っていける仲間だと思ってるので、長い目で見て一緒にお取り組みできると嬉しいですね。

…ちなみに、実際に仕事につながっているかはわかりませんが、他のスポンサーの方から前田さんのことをめちゃめちゃ聞かれるんですよ。

前田:
えっ、なんで!(笑)


小泉さん:
SCFCにはWeb系のスポンサーも多くいらっしゃるので、FUSIONが急成長していることをなんとなく知りながらも、直接前田さんに聞けないので僕らに聞いてくるんだと思います。「FUSIONってすごく伸びてない? どういう人がやってるの?」 って。

こういうのが実際に案件や採用につながってくるのが出てきたら、すごくいいシナジーだと思いますね。

前田:
衝撃的ですね。僕は全然聞かれないのに…。みんなSCFCに聞いてたんだ(笑)。

今の話はSCFCがいろんな企業にスポンサーされていること、つまり“ハブ”となってくれていることと同義なのかも。FUSIONの名前だけが広がるんじゃなくて、SCFCがあいだに入って補足してくれていることで、助かっていることもあるんだろうな。


小泉さん:
SCFCを中心として、少しでもうまく還元できたり、企業さん同士でマッチングできたりするようになればいいなと思いますね。

企業によって、スポンサーすることに費用対効果を求める人もいれば、距離の近さに価値を求めている人もいますが、あくまでフラットな関係性でいられるのがベストだと思うんですよ。

もちろんお金をいただいている側なので、真摯に価値は返しに行かなきゃいけないけど、いわゆる上下関係ではないから。

こちらからやりたいことをどんどん共有していきたいし、一緒にいろんなことをやっていきたいですね。

(取材・執筆=いしかわゆき/撮影=中澤真央)

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最後までお読み頂きありがとうございました。 

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