【採用担当手記】半年間で私が感じた、「理念経営」を体現する組織の素顔 Vol.2
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組織の隅々に宿る「部門別ミッション」と「組織ビジョン」
入社してさらに驚いたのは、全社共通のMVVだけでなく、各部門ごとにも独自のミッション・ビジョンが策定されていたことです。
親族内外承継を担うネットワーク推進部、そして第三者承継を担う事業戦略部。
事業承継という大きな枠組みの中にありながら、業務の性質が全く異なる二つの部門。
これを部門ごとに細分化し、それぞれの現場に落ちる言葉で定義し直しているからこそ、社員一人ひとりが「自分事」として理念を捉えられるのだと、人事の視点から深く納得しました。
「正しく勝つ」という、ゴールのない命題
その中でも、私の心を最も強く捉えたのが、組織ビジョンの一節です。
「正しく(Valueに沿って)勝ち(目標達成)、幸せな成長をする組織へ!」
この「正しく勝つ」という言葉は、私のこれまでの人事人生においても、理想として追い求めてきたものでした。
「正しさ(Valueへの忠誠)」を欠いた数値達成は、組織を内側から壊します。しかし、一方で「勝利(目標達成)」のない正しさは、社会に対する影響力を持ち得ません。
この二つを両立させることは、言うまでもなく至難の業です。
入社して半年、私自身もこの「正しく勝つ」という命題の前で、日々葛藤し、悩み続けています。
採用手法を「確率論」から「共感論」へ
私がジョインして最初に着手したのは、これまでの採用活動のやり方を変えることでした。
人事として採用活動に携わってきて、「〇〇通のスカウトを送れば、XX%の返信率が見込めるだろう」という、ある種の確率論で成功可否が左右されるということは私もこれまで感じてきました。
そういった採用手法自体は全く否定するつもりはありません。むしろ一般的な手法だと思います。
しかし、インクグロウのMVVに真に共鳴し、高度な専門スキルを持つコアターゲットにリーチするには、数任せの戦い方は通用しないと感じたことが、採用活動のやり方を変えようと思った理由です。
私は社内に対し、「スカウトは極限までターゲットを絞り、それ以上に、求職者が自らインクグロウを見つけ、興味を持ってもらえる『インバウンド(引き寄せ)』の母集団形成に注力すべきだ」と提案し、コンセンサスを取りました。
理念に共感する人を集めるためには、まず私たちが「正しく」情報発信をし、ありのままの姿をさらけ出す必要があると考えたからです。
葛藤の真っ両端で
もちろん、新しい挑戦に不安がないわけではありません。スカウトを極限まで絞るという手法は、一般的な確率論からいくと返信数が担保できない可能性があるからです。
この半年間、実行してきた施策が少しずつ効果を見せ始めてはいますが、「正しく」、「勝つ」ことができているか、その答え合わせはまだ先です。
新しくご入社いただいた方が、実際にインクグロウの文化の中で生き生きと活躍する姿を見るまでは、本当の意味での「勝ち」とは言えません。この命題はおそらく、ゴールのあるマラソンではなく、悩みながら問い続け、磨き続けていく一生のテーマなのだと感じています。