~「地域の絆」を推進する。金融機関とのリレーションを事業の根幹に据えるスペシャリスト集団の業務内容・やりがい・そして知られざる歴史~
事業承継の中でも、親族内外承継を主に手掛けているのがネットワーク推進部ということはこれまで伝えてきたとおりです。
その運営内容として
①次世代経営塾
②ビジネスクラブ
の2つを運営していますが、次世代経営塾については前号をご覧ください。
今回は②ビジネスクラブについてお伝えできればと思います。
当社のビジネスクラブは、全国各地の地方銀行・信用金庫様と連携し、企業経営者向けの会員組織のことです。経営セミナーや研修、講座などの企画提案をはじめ、会員企業様に対しては、専用サイトビジネスサミットオンラインの提供や、毎月月刊誌の提供等も行い、中小企業の経営支援を行っています。全国規模の提携を活かし、他クラブとの異業種交流会なども企画運営を行い、コロナ禍からはシェアリングセミナーという金融機関乗り合い可能な企画をスタートさせています。
当Wantedlyのストーリー11月号(創業からのヒストリー)でもお伝えした通り、もともとインクグロウが発足した際の事業内容は、このビジネスクラブからでした。
そもそも金融機関系会員組織(=ビジネスクラブ)が生まれた背景ですが、戦前に経営体力のない金融機関の破綻や淘汰が相次ぎ、取り付け騒ぎなどの社会不安を増幅させた反省から、金融界では、業界全体の安定化や保護を図るために「護送船団方式」の金融行政が行われてきました。その結果、終戦から高度経済成長期、安定成長期に至るまで、日本では金融機関の経営破綻がほとんどありませんでした。
しかしこの状況も、英国で行われた金融証券改革(英国ビッグバン)を手本とし、1996年に実施された「日本版金融ビッグバン」で一変することとなります。
それまで行われていた金融機関の保護政策(護送船団方式)は、自由競争の下で他より優れた商品・サービスを供給したものが勝ち残る資本主義経済の根幹とは相いれないところがありました。
取引先の中小企業からも「どこの金融機関と取引しようが内容に変わりはない」と揶揄されていました。しかし、
「free(市場原理が機能する自由な市場に)」
「fair(透明で信頼できる市場に)」
「global(国際的で時代を先取りする市場に)」
を三原則に掲げる日本版金融ビッグバンの実施によって、金融行政も護送船団方式から決別し、否が応でも金融機関間の競争は激化することとなりました。
それに対する金融機関の危機意識は相当強く、同じ地域内でも競合となる他の金融機関に先駆けて取引先の中小企業との関係を強化し、差別化を図ろうとする動きが活発化しました。金融機関系会員組織が立ち上がったのも、まさにこの時期でした。
2000年代に入ると金融庁は、バブル崩壊後に膨らんだ金融機関の不良債権処理を推し進めるとともに、「リレーションシップバンキングの機能強化に関するアクションプログラム(03年)」、「地域密着型金融の機能強化の推進に関するアクションプログラム(05年)」、「地域密着型金融の推進に関する監督指針(07年)」などを矢継ぎ早に発表しました。
中小企業の再生と地域経済の活性化に積極的に携わる地域金融の在るべき姿を示しました。しかしながら、こうした金融行政の変化も重なり、地域金融機関の会員組織への取り組みには陰りが生じてきます。
つまりリレーションシップバンキングの機能強化と、本来、取引先との関係強化を目的としたはずの会員組織の運営は別軸となってしまい、中には金融機関本体で運営していた会員組織を関連会社に移管したり、優先順位を落とし、事実上休眠状態に陥ったりするところも出てきました。
また一部の金融機関では、取引先との関係性を強化する=懇親を図ることと捉え、取引先の成長に向けた支援ではなく、飲み会・ゴルフなどの懇親会的な要素のみの運営となった先もありました。それ自体否定はしませんが、会員組織の本来の目的である取引企業の成長に寄与する「経営を学ぶ」「金融機関を介して地域企業同士が切磋琢磨する」ための取り組みとはかけ離れた運営となっているところが少なくなかったと思います。
経営支援という難題の中で、コミュニティ運営はハードルが高く、それぞれの金融機関が自前で運営していくことが難しくなり、コンサルティング領域をアウトソースする金融機関が多くなりました。その独自の領域のポジションを担ったのが私たちの前身の会社です。
その創業時の思いを引き継ぎ、『中小企業の活性化が日本経済の成長発展につながる』という理念のもとで地域金融機関と共に現在に至るまでこのビジネスクラブを運営しているのが私たちインクグロウです。
だからこそ、数値だけではなく、自分たちの思いや、真にお客様のために事業活動をしたいという思いに基づき、ミッション・ビジョン、INC Valueが出来上がってきました。
このビジネスクラブというコミュニティそのものが、私たちインクグロウの原点なのです。