「成長したい」
「一皮むけたい」
そう口にする人は、世の中にたくさんいます。
でも数年後、実際に“別の景色”に立っている人は、驚くほど少ない。同じタイミングでスタートしたはずなのに、いつの間にか取り返しのつかない差がついている。
この差は才能?性格?地頭の良さ?
僕は、そのどれでもないと思っています。決定的に違うのは、「仕事への向き合い方」のスタンスにあります。
今回は、社内のメンバーと「殻を破れる人って結局どういう人?」というテーマで深掘りした雑談の内容をまとめてみました。僕自身の恥ずかしい原体験や、経営者として考えている「人が育つ環境作り」の話も含めて、書いてみました。
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■ 1. 「評論家ムーブ」をするな、当事者であれ
まず、「殻を破れない人」とはどういう人か。
一言で定義するなら、「コンフォートゾーン」に留まってしまう人です。
安心・快適だが、成長のない状態のこと
誤解してほしくないのは、殻を破れない人の多くは、決して能力が低いわけではありません。むしろ知識はあるし、思考力もある人が多い。ただ一つ共通しているのは、「リスクのある選択を避ける」「わからないことに向かわない」という点です。
新しいことをやる時って、どうしても負荷がかかる。ストレスもついてくる。正解が見えない中で決断するのは怖いし、失敗して傷つくのは誰だって嫌です。だから、「まだ準備が足りない」とか「今はタイミングじゃない」と言い訳をして、自分にとって心地いい、慣れた環境や業務に安住してしまう。
本人は薄々気づいているんです。「あれ、周りと差がついてるな」と。自分自身としっかり向き合ってはいるのに、時間が経てば経つほど、挑戦している同期や後輩との差は開いていく。
でも、そこで一歩踏み込む勇気が出ないから、見ないふりをする。自分の居心地が良いポジションを守ろうとして、自分を正当化してしまうんです。そうすると、人はどうなるか。
「評論家ムーブ」をしちゃうんですよね。
安全な外野から、石を投げるように他人の仕事にあれこれ言う。「あの戦略は甘いよね」とか「もっとこうすべきだ」とか、理論やフレームワークを使って批評する。そのポジションは責任を負わなくていいし、自分が傷つくこともない。むしろ、「分かっている自分」を確認できて、一時的に自己肯定感が高まるから気持ちいいんです。
でも、断言します。評論家の席に座り続けている限り、殻なんて一生破れません。
一方で、殻を破れる人は常に「当事者」として、不確実な世界に踏み込んでいく人です。
正解が見えていなくても「わからないままやってみる」
失敗する可能性が高くても「不完全でも実行する」
「不確実な世界で、どう強くなるか」 というより、
「どうやって折れずにい続けるか」 そんな話だと思っています。
彼らは評論家の席には座らず、泥臭い「実行する側」に必ず降りてきます。成長できない人ほど、他人の仕事は評価できるのに、「じゃあ自分でやってみて」と言われると動けない。失敗の責任を負いたくないからです。
殻を破る人は、必ず「自責マインド」を持っています。このスタンスの違いが、すべての出発点なんです。
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■ 2. 邪魔をするのは「余計なプライド」
では、なぜ多くの人が「評論家」になってしまい、コンフォートゾーンから踏み出せないのか。
一言で言うと「余計なプライド」が邪魔をしている、ということです。
今までスマートにやってきた人、ある程度の成功体験がある人ほど、これが足枷になります。新しい領域に踏み込むということは、初心に戻るということです。
必死にならなきゃいけないし、がむしゃらな姿を見せなきゃいけない。そういう「できない自分」や「必死な自分」をさらけ出すのが恥ずかしい、自分のキャラじゃない、と感じてしまう。
「今まで築き上げてきた自分のスタイルを崩したくない」
「スマートだと思われていたい」
そんなプライドが、行動をブレーキさせるんです。
でも、殻を破れる人って、驚くほど「素直」なんですよ。変なプライドを持っていないから、周囲に「これ分かりません!教えてください!」と素直に聞ける。周りからどう見られるかよりも、「知らないことを知りたい」「できるようになりたい」という欲求に没入して行動できる。
「これ分かりません」と言える人が、 いちばん早く前に進む。結局、才能の差なんて微々たるもので、この「行動の総量」が決定的な差を生むんだと思っています。
新しいことに挑戦すれば、当然ストレスもかかります。でも、殻を破れる人は生まれつきメンタルが鋼のように強いわけじゃない。
小さな挑戦を積み重ねて、「わからないことに飛び込む」という経験値を少しずつ増やしてきたから、耐性がついているだけなんです。
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■ 3. 人間の本性は「辛い時」に出る
僕自身の話を少しさせてください。
偉そうに語っていますが、僕にも殻を破らなきゃいけなかった原体験があります。20代の頃、NYに留学していた時のことです。
当時の僕は、「英語だけはかなりやってきた」という妙な自信がありました。でも現実は全く違った。授業についていけず、ディスカッションにも入れない。クラスで、自分だけが取り残されている感覚でした。「君の英語力では無理だから、クラスを変えたほうがいい」と、事実上の落第宣告までされました。
正直、逃げようと思えばいくらでも理由はありました。
ーー「環境が合わない」「向いていなかった」
日本に帰る選択肢も、頭をよぎりました。でも、その時はっきり思ったんです。ここで逃げたら、一生この感覚から逃げ続けるなと。
そこからは、ただ必死でした。
図書館に週5で通い、悔しさと情けなさを抱えながら、とにかく食らいついた。(アメリカにいたのに体重がめちゃくちゃ減ったのはここだけの話です)
ここに週5来てとにかく頭に叩き込みました。
帰国する頃には、「結果がどうこう」よりも、「逃げずにやりきった」と胸を張れる感覚が残りました。客観的に見れば、ありふれた話かもしれません。でも、僕の中では「あの時、辛いときに逃げなかった」という事実が、その後事業をやっていて幾度となく辛いことに直面しましたが、耐えてこれてきた。
小さな成功体験が15年以上経った今でも、自分を支える大きな財産になっています。人の本性や真価ってこういう「辛い時」に出るんですよね。厳しい状況に立たされた時に、逃げるのか、踏ん張るのか。その経験を乗り越えてきた人って、何年か経って会った時に、明らかに「顔つき」が違うんです。単に老けたとかそういうことじゃなくて、自信に溢れていて、人としての「奥行き」が感じられる。
辛さを知っているからこそ優しくなれるし、失敗を越えてきたからこそ、また挑戦できる。そういう循環は、ちゃんと表情に表れるんだと思います。逆に、嫌なことから逃げ続けたり、うまくかわすことだけを覚えてきた人は、やっぱりそういう顔つきになっていく。
年齢を重ねるほど、生き方は顔に出るよね。そんな話で、メンバーとも盛り上がっていました。(笑)
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■ 4. 最も良い方法は「環境」を変えること
ここまで「マインド」や「個人の強さ」みたいな精神論の話をしてきましたが、とはいえ人間は弱い生き物です。僕だってそうです。放っておけば楽な方に流れるし、サボりたくなる。だからこそ、「環境」を変えることが、殻を破るための最もわかりやすい手段です。
不確実でも、心地よい環境から飛び出すこと。実際に思っていても、行動できる人はどれくらいいるか。
例えば、周りがこなすだけの仕事を続けている環境・愚痴を言い合っている環境にいるのと、全員が何かを成し遂げようと必死に挑戦している環境に身を置くのとでは、数年後の自分がどう違うかは明らかですよね。
「ここではこれが当たり前」という基準が高い場所にいれば、無意識のうちに行動が引き上げられる。だから、経営者としての僕の仕事は、メンバーに対してそういう「環境」を用意することだと思っています。
具体的には2つのことを意識しています。
1.「やらされ仕事」ではなく、当事者として熱狂できるアサインメントをすること。
2. さらに重要視しているのが、「ボトムアップ文化」を作ることです。
トップダウンで「これをやれ」と命令するだけでは、人は受動的になります。受動的に働く人からは、新しいことやイノベーションは生まれません。社員が「これをやりたい」「この社会課題を解決したい」と能動的に思った時に、会社が「いいじゃん、やってみなよ」と背中を押し、バックアップできる体制でありたい。
V inc.では、僕の古巣リクルートの「Ring」のような制度を参考に、メンバーが手を挙げたら予算をつけて任せる文化を作ろうとしています。やっぱり「やってみる」のが一番成長するんですよ。実際にやってみると、予想外のトラブルが毎日起きる。それに頭を悩ませて、自分で解決していく。
そのプロセスこそが、人を一番成長させます。正解を教える会社ではなく、不確実な世界に一緒に踏み込むための場所を作り、諦めずにそれを支え、伴走する。それが僕の役割です。
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■ 5. 「逃げ」か「戦略的撤退」か迷う君へ
メンバーから、こんな質問ももらいました。
「環境を変えることが良いことなのか、それとも辛いことから逃げずに今の場所で踏ん張るべきなのか。そのバランスはどう判断すればいいですか?」
確かに、ある見方をすれば「逃げ」に思えても、他の見方をすれば「挑戦」かも知れない。自分でも判断が難しい時がありますよね。
これに対する僕の答えは、「自分の腹の底に聞いた時の納得度」しかないと思っています。
本田圭佑さんがACミランに行く時、「リトル・ホンダ」に聞いたという有名な話がありますよね。あれと同じです。 客観的な正解なんてありません。誰かにアドバイスを求めても、最後は自分しか分からない。
本田圭佑さんが大事にしているのも「日々、自分に勝つこと」
自分自身に問いかけてみるんです。
ーー「俺は今、逃げようとしていないか?」「やりきったと言えるか?」「本当に挑戦するためなのか?」そこで自分に嘘をつかずに、腹の底から「そうだ」と思えるなら、それは逃げじゃなくて前進です。
過去の僕がNYで帰国しなかったのは、そこで帰ったら「逃げだ、そして今後の人生に逃げ癖がついてしまう」と自分が一番分かっていたから。逆に、コンフォートゾーンから抜け出す挑戦だと思えるなら、堂々と環境を変えればいい。
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■ 6. おわりに:いいシワを刻もう
最後に、これを読んでくれているあなたに伝えたいことがあります。
もし、過去に逃げた経験や失敗があっても、それをネガティブに捉えて卑屈になる必要はありません。
「自分にはそういう弱さがあったな」と認めた上で、「じゃあ次は、あと一歩だけ踏み込んでみよう」と思えるかどうか。過去は変えられないけれど、これからどう生きるかは変えられます。
殻を破れるかどうかは、才能の問題じゃありません。わからないことに向かえるか。リスクを引き受けられるか。当事者として実行し続けられるか。ただそれだけです。
僕らは、そうやって殻を破ろうともがいている人と一緒に働きたいし、そういう生き方を積み重ねていきたい。そして、お爺ちゃんお婆ちゃんになった時に「いいシワ」をつけて笑っていたいねと話していました。
挑戦を重ねた人の顔は、だいたい優しい。
眉間に寄った不満のシワじゃなくて、たくさん挑戦して、たくさん笑って生きてきた証としての、目尻のシワを。そんな「いい顔」になれるような仕事を、僕たちは続けていきます。
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V inc.は、ブランドと人が成長する環境基盤をどんどん盤石にしていきたいと考えています。
・圧倒的に成長したい。
・普通では出会えない人や仕事に触れたい。
・全体を見渡す視点を身につけたい。
・ブランド、事業を創りたい。
もしそんな想いがあるなら、今のV inc.は最高の環境になるでしょう。そして2〜3年後、あなたのキャリアは今想像している以上の景色を手にしているはずです。
最後までお読みいただきありがとうございました✌
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この記事は、V inc.のnoteから転載しています。
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