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個とスピードを大切にする、ドリームフィールズの原点とは。

今回は、弊社社長の土屋成範(グループ会社※である土屋鞄製造所社長でもあります)と取締役でジュエリー事業部長である笹谷美砂子、学生時代からドリームフィールズとは縁深かった沼田雄二朗の3人が鼎談。

ドリームフィールズがどんな会社で、何を目指しているのか、をお伝えしたいと考えています。

※ドリームフィールズは、土屋鞄製造所を母体とする株式会社ハリズリーのグループ会社です。

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土屋成範(以下、土屋): 沼田は大学のときからドリームフィールズに出入りしていたんだよね。

沼田雄二朗(以下、沼田):ええ。インターンシップで入りました。当時、僕はえらく生意気で「なにか面白いことねえかな」が口癖で、海外から仕入れたスニーカーの転売や起業のマネごとをするような学生だった。その流れで、インターンシップを支援するNPOに行ってみたんです。すると、めちゃくちゃ目つきの悪い大人が一人いて。「あの人はヤバい」と思っていたら、後日、インターン先として紹介された会社の社長、関口さん(哲史・ドリームフィールズ創業者)だった(笑)。

土屋:関口さんはお行儀のいいタイプより、沼田みたいな少し変わった人間が好きだったからね。それは創業間もない頃?

沼田:2004年だったと思います。ドリームフィールズの創業が2001年だから3年後。まだ立ち上げ間もない頃で、実はジュエリーやECはたくさんある事業のうちの一つでしかなく、広告代理業や、スポーツマネジメントなどを手掛けていました。その中で最もうまくいった事業がジュエリーのECで、事業の柱になっていました。



土屋:笹谷さんは沼田とかぶっていた時期はあったの?

笹谷美砂子(以下・笹谷):ちょうど入れ替わりですね。沼田さんは2008年に辞めて、私は翌年の2010年入社です。ただ、関口さんの口からは入社した当時から「沼っちが…」とか「土屋さんが…」とお名前が出てくるので、当初から勝手に親近感は持っていましたね。

沼田:僕も、土屋さんの存在を関口さん経由で知ったんですよ。「ECでうまくいっているすごい鞄屋があるんだよ。一緒に見に行こう」と。

笹谷:土屋さんと関口さんとの出会いは、なんですか?

土屋:楽天市場の勉強会だね。当時、2000年代初頭って、まだ楽天に出店している企業が少なかった頃。楽天は売り上げのいい出店者をとりあげて、出店者向けの勉強会を開いていた。その中の一人が関口だった。そこで意気投合したというか…僕は意外と人と仲良くするのが苦手なんだけど、彼とは不思議と波長があったんだよね。それで一緒に食事にいったり、遊ぶように。

笹谷:似ていますよね、2人は。関口さんが土屋さんや土屋鞄を参考にしていた面があるので、似てきたというのもあると思うのですが、「なにかモノを売りたいなら、モノを売ったらダメだ」と関口さんはずっと言っていましたからね。

沼田:ビジネスのスタイルとしては、本当に土屋鞄を尊敬していましたね。

笹谷:ドリームフィールズに入社してすぐ、教科書のように土屋鞄のカタログを渡されて「勉強して」と言われるんですよ。「鞄について伝えるんじゃなくて、鞄を作っている人や革、あるいはそれを持つ時間の素晴らしさを伝えて、売る。こういうことをやりなさい」と関口さんによく言われました。

沼田:『BIZOUX(ビズー)』はまさにそのスタイルですよね。

笹谷:はい。たとえば桜をモチーフにデザインしたジュエリーを販売する場合は、リングそのもののことではなく「桜がいかに美しいか」「桜がある風景に心がどれだけときめくか」を丁寧に伝えています。すると、お客さまはその指輪の素晴らしさ、価値をわかってくれると。そういうモノづくり、ブランドづくりが、根っこの部分で土屋鞄にも通ずると思っています。



土屋:たいしたものだよね。やはりジュエリー業界は、圧倒的にダイヤモンドだけが付加価値が高くて、いまも市場の9割を占める。そこで珍しいカラーストーンの魅力をしっかりとストーリーで伝えて、プレゼントではなく、「自分のために買うジュエリー」として魅せることで、ユニークな立ち位置を築いている。

笹谷:そうですね『BIZOUX』は立ち上がって十数年ですが、楽天市場でも自社サイトでもSNSでも、モノそのものではなく宝石の価値やデザインの意味、王道ではなく個性的な美しさを愛でることの素晴らしさを、コンテンツとして辛抱強く伝えてきました。ようやく共感していただけるお客様がじわじわ増えてきて、実ってきた感があります。

土屋:海外での買付ルートも地道に開拓してきた。ブランディングのみならずこうした部分も、競合との大きな差になっているよね。

笹谷:そうですね。それも関口さんが「どんどん海外でいいものを見つけてこい」と言ってくれ、任せてくれたことが大きかったと思います。



土屋:僕は土屋鞄の社長を兼務しているけれど、ドリームフィールズはグループの他の企業にも影響を与えてくれていると思うよ。たとえば、土屋鞄はブランドをとても大事にしている。それは強さにもなるけれど、ドリームフィールズの大胆さにも学ぶところがあるように思う。実際、合同の勉強会などをすると、ドリームフィールズの魅力にひかれる社員もいたしね。

笹谷:私達としても横のつながりから学べることはとても多くて、違う目線でモノづくりしている方の意見をもらえるだけでものすごく助かるし、喜びを感じています。担当者が悩みを抱え込んでもんもんと仕事しているという時にも、ヒントになりますし。

沼田:それこそ一見、違うモノづくりだからこそ、ドリームフィールズと土屋鞄は、シナジーが最も生まれる可能性が高いですよね。

土屋:そもそも『BIZOUX』は、GINZA SIXへのポップアップ出店といった戦略的な場所に出店もしている。ブランドとしてジャンプアップするタイミングだと感じているし、さらに成長をしていく中でグループ全体に及ぼす影響も相当に大きいはず。こうして着実に伸ばしていくことが、お客さまと多くのスタッフとに対する責任なんだよね。そしてグループ全体にも、ドリームフィールズの個性を波及させていきたいね。



インタビュー:箱田 高樹

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