完璧な計画(Plan)より、まずは実行(Do)。それが未来を拓く──。
AIの台頭によりデータ処理や分析が容易になった現代において、「失敗しないための準備」に時間をかけすぎることは、それだけで時代から取り残されるリスクとなりかねません。机上の計画や分析ばかりに時間を費やす「PDCAの罠」を抜け出し、いかに早く現場に飛び込んで一次情報を掴めるか。それがこれからのキャリアを大きく左右します。
今回は、元・三菱東京UFJ銀行 代表取締役専務としてメガバンクの第一線で数々の大型プロジェクトを指揮し、現在はキッカケクリエイションの戦略顧問を務める長田忠千代氏と、新卒入社1年目からエンタープライズ企業への採用支援を担うMさんによる対談をお届けします。
メガバンクの経営陣として日本社会・日本経済の中枢を歩んできた長田氏の目に、当社の環境はどう映っているのか。激動の時代を生き抜くためのキャリア論と、次世代を担う読者へのメッセージをお届けします。未来を拓く思考と行動のヒントが詰まった本対談を、ぜひご一読ください。
長田 忠千代 / キッカケクリエイション 戦略顧問(写真左)
1980年に旧三菱銀行へ入行。20代後半でのMBA取得以降、本部にて新規事業や新商品開発を主導、出向先の証券会社でIPO部長を務めたのち、三菱東京UFJ銀行(現・三菱UFJ銀行)の代表取締役専務を歴任。退任後は「日本経済の底上げとベンチャー育成」をライフワークとし、多数の企業の役員・顧問を兼任。キッカケクリエイションにおいては、大手・行政へのチャネル開拓やIPOを見据えた経営・ファイナンス支援を担っている。
Mさん(写真右)
共立女子大学在学中、学業の傍ら独立系金融コンサルティング会社のインターンとして経営層向け営業に携わったほか、ミスコンテスト日本大会にて準グランプリを獲得するなど多様な経験を積む。2026年4月にキッカケクリエイションへ新卒入社。現在はRAとしてエンタープライズ企業を担当し、入社早期から大きな裁量のもと顧客の課題解決に向き合っている。
失われた30年を打破する若き力。日本の中枢からベンチャー育成へ懸ける想い
ーー今回は、当社の戦略顧問を務める長田さんをお迎えし、メガバンクの第一線で培われたこれまでのキャリアや、ベンチャー支援への想いについてお話を伺います。まずは歩んでこられたご経歴から教えていただけますでしょうか。
長田氏:
1980年に旧三菱銀行に入行し、融資などの実務を担当、20代後半で休職してMBAを取得した後は本部に移り、新規事業の開発を主導するようになりました。他業態との提携をはじめ、クレジットカード業務の再編や銀行窓口での保険販売の仕組み作りなど、当時の金融業界として新しい取り組みを数多く主導してきました。
新規事業開発を経験したあとは、出向先の証券会社でIPO関連業務を担当し、そこで目にしたベンチャー企業やエクイティ市場のダイナミックでスリリングな世界には、まさに痺れるような衝撃を受けたのを覚えています。
最終的に代表取締役専務として銀行全体の舵取りを担ったのち、現在は独立起業しベンチャー企業の育成や支援を自らのライフワークとし、多くのベンチャー企業の役員・顧問として事業の成長支援に携わっています。
ーーなぜ今、そうした領域に注力されているのでしょうか?
長田氏:
一言で言えば、日本経済全体の成長に対する危機感からです。銀行員や経営陣として多くの企業を見てきた経験はもちろんですが、マクロなデータに目を向けても、この40年間で世界の経済規模は約12倍、アメリカは約21倍に拡大した一方、日本はわずか1.5倍ほどにとどまっています。
また、1989年には世界の時価総額トップ10のうち7社を日本企業が占めていましたが、現在は上位のほとんどがアメリカのテック企業になり、日本企業の名はありません。
経済のパイが拡大しなければ格差は広がる一方ですし、社会全体の循環も生まれません。だからこそ重要なのが、若い世代が新しい事業を起こし、成功するための土台を作ること。それこそが日本経済を再び底上げする道だと捉えています。
私自身、これからの10年ほどは、今後伸びていく若い企業の背中を押し続けていくつもりです。
ーー数多くのベンチャー企業がある中で、キッカケクリエイションの戦略顧問を引き受けられた理由は何だったのでしょうか?
長田氏:
代表の川島さんの人柄と、彼が掲げるビジョンに共感したことが一番の理由ですね。多数の経営者を見てきた中で、私が最も重視しているのは事業内容以上に「経営者自身の姿勢」です。
その点、川島さんは非常に明るく前向きで、目指す姿を明確に持っていました。そして、『良い未来を、いまカタチに。』や『たった「いま」から日本を強くする。』といった会社のビジョンは、私自身の価値観とも非常に重なる部分が多かったんです。
また、人材紹介というレッドオーシャンな領域におりながらも、YouTubeを活用した情報発信や、行政・公共セクターといった独自の領域にアプローチしようとする視点の鋭さがありました。このリーダーシップと工夫があれば、他社と十分に差別化して成長していけると感じ、戦略顧問を引き受けることにしました。
ーー現在は、どのような形で関わっていらっしゃるのでしょうか?
長田氏:
主に2つの面で関わっています。
1つ目は、これまでアプローチしきれなかった大手企業や行政機関への接点作りです。社会の停滞や格差といった課題を解決するには、ベンチャーの機動力だけでなく、社会の主軸である大手や行政を巻き込む必要があります。彼らと連携して新しい採用や組織作りの仕組みを波及させることが、日本社会全体の底上げと持続可能な循環に直結すると考えています。
2つ目は、将来的なIPOを見据えたファイナンス面や経営戦略へのアドバイスですね。というのも、オーナー経営者は行動力がある一方で、時に周囲の意見を聞きにくくなる場面もあります。役員や社員からは言いづらいようなシビアな視点も含めて、外部の立場からフラットにアドバイスを行うことが私の役割です。その上で、求められるものがあれば、私にできる限りの対応をして力になりたいですね。
効率化の時代こそ「圧倒的なDo」を。AIには代替できない“泥臭い経験”が市場価値を生む
ーーここからはテーマを広げ、「キャリア論」について伺っていきたいと思います。これまで数多くのビジネスパーソンを見てこられた中で、「活躍する人」の特徴は何でしょうか?
長田氏:
「スピード感」と「実行の量」ですね。私は昔から「仕事にスピード違反はない」と思っていて、今日できることを明日に延ばすことはしません。昨今は凄まじいスピードでAIが普及するなど、環境の変化が激しい時代。今日できることを後回しにすると、それだけで遅れてしまいます。
ビジネスではよく「PDCAサイクル」と言われますが、頭の良い人ほどPlan(計画)やCheck(評価)に時間を使い、肝心のDo(実行)が不足しがちです。どれだけ立派な企画書を作っても、実際に動いて成果を出さなければ意味がありません。
もちろん状況に応じた軌道修正は必要ですが、最後に成果を手にする人は例外なく行動し続けています。途中で投げ出さず、成功するまでやり切る行動力、これに勝るものはないですね。
ーーAIやDX化が進むこれからの市場で、自身の市場価値を高めるには、どのような経験が必要でしょうか?
長田氏:
「コミュニケーションの量と幅」を増やすことだと思います。
「脳のニューロン型ネットワーク」と言われたりもしますが、脳の情報伝達を担う「ニューロン」という神経細胞が複雑に繋がって新しい思考を生むように、人間関係や仕事の経験も網の目のように繋がることで爆発的な価値を生むんです。
まさに数学の「階乗」のように増えていくイメージですね。仮に10の要素があるとして、その繋がりやシナジーのパターンを階乗(10!)で考えると約363万通り。それが11に1つ増えるだけで(11!)、一気に約4,000万通りへと跳ね上がります。
ーーまさに「経験の掛け算」ですね。長田さんご自身の20代を振り返っても、そうした実感が大きかったのでしょうか?
長田氏:
私自身、20代の頃は主に融資の仕事を担当し、日々多くの経営者の方々と向き合っていました。当時は「この経験が将来どう繋がるか」なんて計算していたわけではありません。ですが後に本部に異動し、新規事業を推進する際、あのとき現場で伺った生の話や人間関係が一気に繋がり、他にはない強力なアイデアや打ち手を生む原動力になったんです。
今の時代、効率や計算はAIが担ってくれます。だからこそ若手のみなさんには、「これって何の役に立つのか」「やる意味があるのか」なんて損得を考えるのではなく、実践を重ねてほしい。そうした実体験の積み重ねこそが、誰にも真似できない「その人固有の価値」になるんだと思います。
大手の看板か、ベンチャーの実践か──。どちらを選ぶか以上に問われる「愚直に成果を出す」姿勢
ーーここからは、キャリアにおける「環境選び」についてお聞きします。大企業でキャリアをスタートすることと、ベンチャーで経験を積むことの違いについて、どのように捉えられていますか?
長田氏:
前提として、これはどちらが良い悪いという議論ではなく、純粋にその人の向き不向きがあります。そうした前提において、大企業に入るメリットは、整った教育環境や体制、そして「大手ならではの看板と信用力」が得られる点です。まずは基礎を学び、信用を築くのも賢い選択でしょう。
一方でベンチャーの魅力は、若いうちから打席に立てる「経験量」と「変化のスピード」にあります。決まった業務をこなすだけでなく、事業を作る当事者として意思決定や推進に直接関われるため、個の力が格段に鍛えられます。
ただ、ここで伝えたいのは、一歩社会に出れば結局のところ、愚直に成果を出し組織や顧客に貢献できる人が評価されるのがビジネスの世界だということです。そうした意味でも、学生時代にインターンとしてベンチャーへ飛び込むことには、非常に大きな価値があると思っています。
自分の適性が分かることはもちろん、学生時代からビジネスの実務に触れられる機会なんてそうありませんから。だからこそ学生のみなさんには、一度ベンチャーのインターンに挑戦してみることを強くおすすめしたいですね。
ーーMさんは新卒1年目から誰もが知る大手企業の採用支援をされていますが、お話を聞いてどう感じましたか?
Mさん:
私も学生時代にベンチャー企業でインターンを経験していましたが、学生生活の延長ではなく、実務の場で自分の適性を知り、「何が自分の強みになるのか」を把握できたことは大きな価値でした。
そして、キッカケクリエイションで提供されている成長環境についても、すごく恵まれていると感じています。長期間の座学研修が続くというよりは、先輩に教えていただきながら早い段階で現場に出て実践を重ねていくスタイルですが、学生時代の友人などとそれぞれの仕事について話していると、自分が置かれている環境のありがたさを改めて感じるんです。
私の場合、1年目から大手企業の採用支援を担当し、経営層や人事責任者の方々と直接打ち合わせを重ねる機会をいただいています。まさに、Doの機会が豊富だからこそ、実務で得られる知見の量や濃さを実感できているんだと思います。
長田氏:
とても頼もしいですし、まさに理想的な形だと思います。今後さらに規模が拡大していったとしても、こうして「若い力を信じ、早期から責任を委ねる」という風土だけは、絶対に薄めずに守り抜いてほしいですね。
自分の意志を持って挑戦する人材がちゃんと育ち、会社と一緒に大きくなっていけるような、強さと温かさを兼ね備えた組織であり続けてくれることを期待しています。
これからの若手へ──不確実な未来を切り拓く3つの金言
ーー最後に、若手ビジネスパーソンに向けて、長田様からメッセージをお願いします。
長田氏:
若手のみなさんに意識してほしいことは、大きく3つあります。
1つ目は「継続は力なり」ですね。よく「1.01と0.99の法則」と言われますが、毎日1%だけ努力を重ねると、1年後には約37.8倍の成果になる。逆に1%ずつ手を抜いてしまうと、1年後には約0.025と、わずかな力しか残りません。日々の小さな妥協や先延ばしが、時間とともに決定的な差になるんです。だからこそ、毎日の仕事の中で「今日できる1%の挑戦」を諦めずにやり抜く習慣をつけてほしいですね。
2つ目は、コミュニケーションにおける「見せ方・伝え方」への配慮です。同じ事実でも、「20%失敗する可能性がある」と伝えるか、「80%成功する見込みがある」と伝えるかで、相手の受ける印象は全く変わります。
また、第一印象における「メラビアンの法則」も大切で、人は話の内容以上に、表情や身だしなみといった見た目や声のトーンで印象の9割以上を判断します。どれだけ正しいことを言っても、清潔感や相手を受け入れる姿勢がなければ届きません。
「正論を言っているのに伝わらない」と悩んだときは、伝える側のアプローチや第一印象を見直してみる必要があります。自分の言いたいことをそのまま主張するのではなく、「どう伝えれば相手に届くか」を相手の立場から逆算して、言葉や態度を選ぶ工夫を重ねていっていただければと思います。
そして最後は、私の好きな渋沢栄一の言葉にある「夢なき者に成功なし」です。単にお金を稼ぐ、出世するといった目の前の目標だけでなく、「自分は将来どうありたいのか」「社会にどう貢献したいのか」という理想や夢を持つこと。目の前の作業をこなすだけで満足せず、自分なりの原動力となる「意志」や「目指す姿」を常に胸に抱き続けてほしいですね。
「Doの量が価値を生む」という長田氏の言葉は、まさに当社で活躍するメンバーたちの姿勢そのものです。挑戦を恐れず、圧倒的な行動量でクライアントに向き合い続ける環境がキッカケクリエイションにはあります。
キッカケクリエイションでは採用を強化中です!
ご興味があれば、ぜひ一度お気軽にお話ししませんか?
============
▼こちらも合わせてご覧ください!