奈良の新たな食を創造・発信
VILLA COMMUNICOは、古都奈良・若草山の麓にて、原始的な薪火を用いて奈良の新たな食を創造・発信するガストロノミック・オーベルジュです。
ミシュランガイド奈良2022・2023で一つ星を獲得した堀田シェフが、自らがオーナー・シェフを務めていたイノベーティブレストラン「communico」を発展的に昇華させ、2024年9月12日、若草山麓において、客室数5室のオーベルジュとして開業を迎えました。
COMMUNICOは、ラテン語で共有や分かち合いを意味する言葉です。
VILLA COMMUNICOは、志を共にする様々な生産者から日々届けられる季節の恵や厳選されたジビエや天然の川魚を丁寧に掬いあげながら、お客様とともに奈良の新たな食文化として分かち合いと考えています。
narrativeは、この奈良において多様なシェフが日本を代表するガストロノミーレストランを群生させる取り組み『narrative gastronomy事業』を推進しています。
VILLA COMMUCICOは、narrativeが取り組むnarrative gastronomy事業の嚆矢となる事業として、奈良を代表する施設に育てていきます。
世界的なレストランへ
本プロジェクトの始まりは、2021年、narrativeとcommunico堀田シェフとの出会いに遡ります。
当時、narrativeとしては、奈良県橿原市の重要伝統的建造物群保存地区今井町での古民家改修事業(その事業が、後に開業する『narawashi nagaya』となります)を検討しており、そのなかで、communicoの新店舗の誘致を図っていました。
結果的に、今井町での新店舗開業は棚上げになりましたが、narrativeが奈良県下で取り組むプロジェクトをご案内するなか、春日大社・東大寺・若草山に囲まれたこの地で、共同で事業に取り組むこととなりました。
communicoが、今後世界的なレストランに成長をしていくなか、堀田シェフ自らが投資・経営・運営という3すくみの要素を全て担い続けるのではなく、team narrativeとして協働して一つの事業を作り上げることになりました。
艱難辛苦汝を玉にす
2022年から、若草山麓におけるオーベルジュ構想の具体化を進めてきました。その中で直面した課題のうち、2つをご案内します。
(1) team編成
プロジェクトの企画・設計・開発・運営においては、多様なバックグランドを持つ人材が必要となります。
企画チーム、設計チーム、運営チーム、調理チーム、マーケティングチーム、ファイナンスチームなどが融合し、一つの有機体を構成していく必要があります。team narrativeに属するそれらプロフェッショナルは、それぞれが自身の領域で高い見識とともに矜持を持ち合わせ、コトに向かっています。結果として、社内でいう「神々の戦い」が生じることになります。
高いレベルの有機体を生み出す中で、プロフェッショナルそれぞれが持つ専門性を融合させるためには、お互いに対するリスペクトと、弛まぬ努力が求められ、それぞれを保ちながら、開業にまで至ったものと考えています。
(2) 複雑な許認可関係
VILLA COMMUNICOの開発地は、古都法、市街化調整区域、風致地区など、一般的には新たな開発が極めて困難な用途地域です。その中で、オーベルジュ構想の何年も前から、時間をかけながら地元行政や地域との間の関係構築に時間をかけました。事業というのは、その地域にとって必ずしも100%歓迎されるものではありません。
開業後こそ、事業の真価が問われるものですが、多様な方々との信頼関係構築と、建築行政との綿密な連携によって、開業するにまで至ったものと考えています。
「艱難辛苦汝を玉にす」という諺のように、team narrativeとあらゆる関係者の弛まぬ理解によって、またとない事業・有機体が出来上がったと確認しています。
挑戦するシェフを多面的に支援し続ける
VILLA COMMUNICOは、奈良はもとより、日本を代表するガストミック・オーベルジュになる命運の下にあると自負しています。
narrative gastronomyの中核たるVILLA COMMUNICOに、多様なシェフが集い、そして旅立ちながら、奈良と日本に、持続可能なガストロノミーの有機体が構成されていきます。
narrative gastronomyにおいても、narrativeの位置づけは、narrative inside(narrative 入っている!)であることに変わりはなく、漆黒の黒子として、挑戦するシェフたちを多面的に支援しづづけられる組織に成長していきます。