採用成功に繋げるためのピープルリーディング&DiSC診断活用法~信頼できる柱が欲しい経営者のための『プロパーCHRO』の育て方Vol:15~
こんにちは。株式会社シンシア・ハート代表の堀内猛志(takenoko1220)です。
このシリーズでは、「信頼できる柱が欲しい経営者のための『プロパーCHRO』の育て方」と題して、50名から4000名まで成長した企業で、各ステージの人事組織戦略の遂行に人事役員として奔走した自身の経験をもとに、
▼人事トップになるために実行したこと
▼意識していたマインド
▼経営や現場とのコミュニケーションのtips
などをお伝えしていきます。私の経歴詳細は、以下の記事からご確認ください。
最近のこのシリーズでは「本当に欲しい人材を採用するためにはどうしたらいいのか」をメインテーマに、採用をマーケティングや恋愛の視点で捉えてみたり、採用にエンターテインメント性を持たせるためのテクニックに触れたりしてきました。
本記事でも、引き続き採用に対する考え方やテクニックをお伝えしていくのですが、今回は「初対面の相手とのコミュニケーション」がテーマです。前記事の「5つのギャップを埋める」という目標の達成にも役立ちますし、採用に限らず幅広い場面で役立つお話でもあるので、どうぞお付き合いください。
目次
相手の立場に立つのは難しい
「ピープルリーディング」を取り入れる
DiSC理論でコミュニケーションを円滑に
DiSC理論による4つのタイプ
相手のタイプを見極める方法
タイプ別の具体的な接し方
人事に「ピープルリーディング」を取り入れるべき理由
「違い」は「間違い」じゃない
ピープルリーディングの先に
相手の立場に立つのは難しい
これまでお話ししてきた内容に全て共通しているのは「相手の立場に立って考える」というスタンスなのですが、そもそもそれ自体が非常に難しいことです。
僕も、新卒で営業の仕事をしていたときには、上司から「相手の立場だったらこう思うでしょ」と何度も叱られました。そのとき僕は「なんでそんなことわかるんですか?」「僕はこう思うから相手も同じように思ってるんじゃないですか?」なんて、本気で思っていました。どうやったら相手の立場に立てるのか、全然わからなかったんです。
一方で、自然と相手の立場に立つことができる人もいます。僕の同期でも、それができる人はぐんぐん成績を伸ばしていきました。しかも、これまでもモテる人生を歩んできている。相手の立場に立てない当時の僕は、営業の仕事にも苦労しましたし、当然モテませんでしたw
「ピープルリーディング」を取り入れる
仕事でも恋愛でも大変な思いをした僕は「じゃあ、どうやったら相手の立場に立てるのか」と考え続けました。でも、目の前のたった一人の相手の立場に立とうとすると、相手が考えていることには何千万、何百万ものパターンがあり「やっぱりそんなことわからへん」という結論に至ってしまいます。
そこで、僕が導き出した一つの答えが「ピープルリーディング」という手法です。これは、人の表情や発する言葉、話すペース、見た目(髪・服装)などから、相手がどんなタイプの人なのかを大雑把にカテゴライズすることをいいます。
目の前の人が何を考えているのかはわからなくても、どのタイプに属する人なのかを把握することができれば、「このタイプの人ならこんな風に考えるかな」と、ある程度予想することができるというワケです。
DiSC理論でコミュニケーションを円滑に
「ピープルリーディング」の元になるタイプの分類方法は、最近流行っているMBTI診断をはじめ、ソーシャルスタイル診断や○○占いといった類のものなど、本当にいろいろあります。基本的な概念は大体同じなのですが、僕が推奨するのは「DiSC(ディスク)」という診断ツールです。
DiSCでは、アメリカの心理学者ウィリアム・モルトン・マーストン博士が提唱した理論に基づき、人の性格・特性や行動パターンを4つのタイプに分類します。タイプ毎に「どんな話し方が好きか」「何を重要視するのか」が異なるので、それを理解した上で対話することにより、コミュニケーションの最適化を目指すというものです。
DiSC理論による4つのタイプ
DiSC理論では、縦横2本の軸で区切った4つの領域に、それぞれのタイプを配置します。左上がD:Dominance(主導型)、右上がi:influence(感化型)、右下がS:Steadiness(安定型)、左下がC:Conscientiousness(慎重型)です。
上下左右のどちらかで接しているタイプは、お互いに似た要素があります。反対に、斜めに位置するタイプは正反対になるので、あまり仲良くできません。例として、面接の最初の場面を想像してみましょう。右上の「i(感化型)」の人は最も明るく元気なタイプなので、こちらも明るく接しているとノリが合いやすいです。一方で、左下の「C(慎重型)」の人は、それを嫌うタイプ。「今日いい天気ですね!」と明るく話しかけても、全く笑ってくれないこともあります。
各タイプの特徴については、この後のテクニックの説明の中で簡単に触れていきますが、詳しく知りたい方は下記の記事を参照してみてください。
https://www.hrpro.co.jp/miraii/post-3018/
無料の診断ツールもありますので、自分自身がどのタイプになるのか診断してみるのも面白いですよ。
相手のタイプを見極める方法
ここからは、採用においてピープルリーディングを活用するための具体的なテクニックをお伝えしていきます。まずは、相手がどのタイプに分類されるのかを見極める方法です。
第一に見るポイントは、相手と初めて会ったときや場が沈黙したときに話し出すタイミングです。口火を切る人は上段の「D(主導型)」または「i(感化型)」、一旦待つ人は下段の「S(安定型)」または「C(慎重型)」と分類します。細かく言うと、上段の人は話している間の身振り手振りが多めで、下段の人は落ち着いている感じです。
続いて、その人が話す内容を聞きます。事実や結果にフォーカスする人は左側の「D(主導型)」または「C(慎重型)」、プロセスや感情にフォーカスする人は右側の「i(感化型)」または「S(安定型)」です。話しているときの表情は、左側の人がかため、右側の人が柔らかめな印象になります。
もっと細かく見極める方法もあるのですが、上記のポイントを押さえておけば、最初の5分くらいで大雑把にタイプを分類することが可能です。その後は、相手が好むコミュニケーション方法に切り替えていきます。
この方法は、あくまで相手を大雑把に判断する上でのフレームなので、もし相手と話す中で「このタイプじゃないな」と思った際には、その都度対応を変えていきましょう。
タイプ別の具体的な接し方
タイプ別に重要視している点が異なるため、同じことを伝えるにしても、適切な伝え方は変わってきます。今回は、前回の記事で説明した「5つの埋めるべきギャップ」のうち「ビジョン」を例にして考えてみましょう。
左上の「D(主導型)の人は「勝ち負け」を重視する傾向があります。そのため、ビジョンを達成すると「あなたにはこんなメリットがあります」という部分を強調するのが効果的です。
右上の「i(感化型)」の人は、考えの軸が「好き嫌い」です。「うちにはこんなチームメンバーがいるよ」と、どんな人と一緒にビジョンの達成を目指すのかを伝えると、安心してもらえます。
右下の「S(安定型)」の人は「プロセス」を大事にします。ビジョンの達成に向けて「こういう風に進めていこうと思っている」と、現実的な話をすると納得を得られやすいです。
左下の「C(慎重型)」の人は「理由」を重視する傾向があります。「○○するためには、このビジョンを達成することが必要なんだ」と、「なぜ」に答える形で説明すると良いでしょう。
また、相手が望まない説明は控えることも大切です。たとえば、採用担当者が「i(感化型)」や「S(安定型)」の場合、メンバー紹介や1日の流れの説明で時間を割きたくなってしまいがちなのですが、「D(主導型)」や「C(慎重型)」からすると「自分にとって必要なことはもうわかったのに、だるいし長いな」と思われてしまいます。
人事に「ピープルリーディング」を取り入れるべき理由
上記では「ビジョン」を例にご説明しましたが、いずれの場面でも、採用担当者とのバイブスが異なると、候補者は「この会社は違うな」と感じてしまいます。実際には、候補者と採用担当者という個人間でのズレでしかないとしても、会社とのズレと捉えられてしまうんです。
だからこそ、言われた通りの台本をしゃべることしかできない人には、採用担当は務まりません。もしかすると「相手が合わないって言ってるんだから仕方ないじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、最初の印象の作り方や説明の仕方次第で、入社に繋げることもできたはずです。
人不足でいい人材を採用するのが難しくなっている現代の労働市場において、自分が相手に合わせる努力をすることなく「仕方ない」で済ませてしまうのは本当にもったいないことだと思います。
僕は、人事や採用担当者は「人のプロ」であるべきだと考えています。多くの会社では、人と話すのが好き・得意という人がその役割を担っていますが、好き・得意と自負しているならば、相手に合わせたコミュニケーションのとり方まで深く追求してみてほしいです。
「違い」は「間違い」じゃない
ちなみに、僕は、いろいろと苦労していた若い頃にDiSCを知り、認定資格を取得するためのセミナーを受講しました。DiSCについての理解を深められたことはもちろん良かったのですが、それ以上に「違いは違いであって、間違いではない」と、気づけたことが最大の学びだったと思っています。
「違いは間違いではない」とは、○か×かの世界線ではなく、赤か青かの世界線で捉えるという意味です。たとえば、自分は赤が好きだけど、相手は青が好きという場合があったとします。そのとき、どんなに赤の魅力を合理的に説明したとしても、相手が青よりも赤を好きになる可能性は限りなく低いですよね。
こうして書いてみると当たり前のことなのですが、以前の僕は、それを全く理解できていませんでした。相手を言い負かすことができれば勝ちという気持ちで「自分は正しい」「あなたが間違っている」というコミュニケーションをとっていたので、相当嫌なヤツだったと思います。
相手と自分で違っていることを正解・不正解や優劣で捉えるのではなく、違いを違いとして受け入れるようになってからは、人付き合いも楽になりましたし、営業も恋愛もマネジメントも採用も、本当にうまくいくようになりました。
ピープルリーディングの先に
今回はピープルリーディングとDiSCを切り口にしましたが、これらを利用する上で大切なのは、相手にレッテルを貼るためだけの手段で終わらせるのではなく、タイプの違いに合わせてコミュニケーションのとり方を変えることです。
このタイプの人とは合う・合わないと判断することは誰でもできますが、マッチしにくいタイプの人に合わせにかかることは、簡単にできるものではありません。その訓練を続けていくことで、採用に限らずあらゆる面で結果を出しやすくなると思います。
より詳しい内容が知りたい、自社で戦略人事思考を持った人事責任者を採用したい、育てたいがうまくいかない、という経営者の方はご連絡をください。CHRO採用とCHRO開発を承っています。
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