企業の「顔」とも言える面接官が、どんな人か事前にわかれば、きっと安心して選考に臨めますよね。
今後、選考へと進んでいただく場合にお話しするであろう、面接官を紹介するこのシリーズ。きっかけは「面接官がどんな方なのか事前に分かると、安心する!」という新入行員の声でした。選考案内でも面接官を事前にお知らせするので、イニシャルをもとに「この人だ!」と推測して読んでみてください!
今回ご紹介するのは、「本が好きで知識欲が旺盛」なSさんです。「クールそうに見えるけど、実はそうじゃない」と言われることも。就職氷河期を乗り越え、長く働き続けたいという強い想いから選んだちば興銀。1年目の大失敗から「準備の大切さ」を学んだ経験を持ちます。新しいことを覚える時には「全体像をまず把握する」というアプローチで、幅広い業務に対応してきました。
「背伸びしないで、小さな成長を積み重ねたい」「自分の力を試したい」というあなたに、Sさんの飾らない人柄とメッセージをお届けします。
目次
“クールそうに見えて、実はおせっかい”な面接官の素顔〜Sさんのプロフィール〜
プロフィール
就職氷河期に地元で「長く働き続けたい」という想いが選択を導いた
入行のきっかけ:「自宅から通える」という当たり前の条件
決め手:公平な採用と長く働けるキャリアを描けたこと
「準備」の大切さに気づいた入行1年目の失敗
引き継ぎなしで直面した「中途半端な知識」の落とし穴
失敗からの学び:準備には時間をかける
事前準備に徹底的に投資し、周囲に頼る
世界史と脳科学の本で「なぜ」を探求する時間
「ギャップ」への恐怖心と、情報の取捨選択能力
成長を望むあなたへ:一歩一歩の小さな成長を大切に
編集後記
“クールそうに見えて、実はおせっかい”な面接官の素顔〜Sさんのプロフィール〜
プロフィール
所属
人事部 人事企画担当
主な業務
人事制度企画・設計、キャリア・ディベロップメント・プログラムの再構築、職務タイプ判定の仕組みの企画・設計(働きがいと成果を高める仕組み作り)
銀行内での呼ばれ方
グッチ、Sさん、Jさん(下の名前で呼ばれることも)
モットー
事前準備に徹底的に投資し、周囲に頼る
「面接官」と聞くと、つい身構えてしまうかもしれません。でもSさんは、「クールそうに見えながらも実はおせっかい」な一面があります。
「クールそうに見えるけど、実はそうじゃないって言われます。自分の仕事に関わる人にはおせっかいなくらい気にかけます。あとは、お酒飲めそうと言われますけど飲めないんですよね。(笑)」
Sさんが最も大切にしているのは「準備に時間をかける」こと。1年目の大失敗から学んだ「事前準備の大切さ」は、今の人事企画の仕事にも活かされています。幅広い業務をこなすSさんの「全体像をまず把握する」というアプローチは、多様な能力を身につけたい学生にきっと参考になるはずです。
就職氷河期に地元で「長く働き続けたい」という想いが選択を導いた
入行のきっかけ:「自宅から通える」という当たり前の条件
Sさんが就職活動をしたのは、今とは比べ物にならないほど厳しい就職氷河期の時代。四年制大学文系女子の選択肢は、実質「銀行」しかありませんでした。
「当時は女性の通勤時間に厳しい制限があり、自宅から通える範囲でないと就職できなかったんです。実家からだと、浦安・船橋・千葉市が限界でした。」
さらに初任給の安さから、一人暮らしもできない状況。そんな中でSさんが重視したのは「結婚して辞める」のが当たり前だった時代に、自分の稼ぎで生活できるようになりたいという強い想い。地元で長く働き続けられる職場を探すことが、第一の条件でした。
決め手:公平な採用と長く働けるキャリアを描けたこと
銀行を選ぶ際、Sさんが最も重視したのは「窓口ではなく、総合職のような仕事ができる可能性があるか」という点。大学で会計を学んでいたこともあり、財務諸表を見ることができたため、法人営業へのキャリアも考えました。
「メガバンクをはじめ、ほとんどの銀行が限られた職域での募集だったのに対し、ちば興銀だけが唯一、スタートはローン担当の仕事に携わることができました。これなら、自分のスキルを活かした様々なキャリアを描けると思ったんです。」
他行のほとんどは一般職の事務などしか選択肢がなく、長く働くキャリアが描けない。当時は男性優位の採用が行われているなか、ちば興銀は男女の区別なく、男性と同じタイミングで選考を受けられたことも、公平な環境を感じさせる決め手でした。
「準備」の大切さに気づいた入行1年目の失敗
引き継ぎなしで直面した「中途半端な知識」の落とし穴
入行1年目、ローン担当に配属されたSさんに最初の壁が訪れます。前任者が退職し、引き継ぎもほとんどないまま実務を任されるという逆境に直面したのです。
「夜勤明けのお客さんに、権利書を持ってきてもらいたいと提案したところ、大きな声で怒られてしまいました。引き継ぎが不十分で、お客さんの状況を理解していなかったんです。」
失敗からの学び:準備には時間をかける
この失敗から、Sさんが学んだのは「準備不足の大変さ」でした。
「リカバリーに時間をかけるより、事前準備に時間をかけた方が、自分自身のためにも、お客さまのためにもなります。中途半端な知識では誰も幸せにならないということを、身にしみて感じました。」
この経験が、現在の人事企画の仕事にも活かされています。新しいことを学ぶ際には「全体像をまず把握する」というアプローチを実践し、3ヶ月で日中業務を一通りこなせるようになるまで徹底して準備を重ねます。
事前準備に徹底的に投資し、周囲に頼る
Sさんが仕事で最も大切にしていることは、「徹底的に準備に時間をかける」ことです。
入行1年目の失敗経験から、中途半端な知識ではお客さんにも職場にも迷惑がかかるため、リカバリーに時間をかけるより徹底的な事前準備に投資します。
もう一つは「わからないことがあったら周囲に頼る」ことです。
「お願いしたら、丁寧に教えてくれる文化があると思います。それは『各々自分がやってきた自負がある』からだと思います。特に人事は領域が広く一人では抱えきれないため、周りの知識豊富な人に具体的な目的を持って教えを請うことで、短期間で業務を習得できます。経験の差をチームで補う姿勢が、成長を支えています。」
世界史と脳科学の本で「なぜ」を探求する時間
Sさんのプライベートな時間は、読書で「なぜ」を探求することに費やされています。学生時代に受験勉強で世界史を学んだことが原点で、特に戦争の歴史に興味を持ちました。
「人に言うのは恥ずかしいのですが・・・」と前置きをしたうえで、
「どうして人間は同じこと繰り返すのか?どうして宗教が絡むと変なことになるのか?」という疑問から、現在は考古学、資本主義の問題、日本人の起源、ネアンデルタール人など幅広い分野の本を読んでいます。
最近の関心は脳科学。「脳の設計図が微妙に違うだけで、性格や行動、考え方が変わるのはなぜか?」という問いに、最新の研究書で答えを探しています。
深い思索の時間は孤独を楽しむ自分自身との対話。世界史から脳科学まで、一見バラバラなテーマも、人間の行動の根源を探るという軸で繋がっています。
「ギャップ」への恐怖心と、情報の取捨選択能力
Sさんが就活生から受けた印象的な質問は「ギャップについて」でした。
「入行前後で自分が思ってる会社とのギャップはなかったですか?という質問を受けたんです。でも、そもそもギャップと思っているのは自分の捉え方次第だと思います。私たちの時代は情報の格差がひどくて、会社のことは想像と妄想でしか理解することができませんでした。だから入ってからギャップがあって当たり前だと思っていました。」
この質問を通じて、Sさんが感じたのは「情報の取捨選択を恐れないこと」です。
「今の学生は情報に恵まれていると思います。でも、それだけに自分にとって耳障りのよい情報だけしか取っていないような方もいるように思います。ですから、知らない・聞いていないじゃなくて、キャッチしてないこともあるのかなと。目の前にある情報を取捨選択して欲しいと思います。また、知らないことへの恐怖心が強い方も。失敗できないと思い込んでいるように感じます。」
就職活動では、企業の情報を収集し、精査する能力が高い学生が多い一方で、情報が溢れる中で「これでいいのか」と不安に感じている様子も見受けられます。情報が多すぎて迷うのは当然のこと。大切なのは、全てを知ろうとするのではなく、自分の興味や関心に沿って情報を取捨選択する力です。
「情報の海に溺れないで、自分の羅針盤を信じてほしい。ちば興銀は、そんなあなたを支えるチームがあります。」
成長を望むあなたへ:一歩一歩の小さな成長を大切に
「背伸びせず、ありのままの自分をさらけ出してほしい」
それがSさんから就活生へのメッセージです。
「高い理想や大きな成果より、小さな成長を目標設定してクリアしていく方が、後になって振り返るときちんとした道になっています。」
学生時代の経験は、伸びしろとして活かせる宝物。背伸びをしなくても、あなたなりの成果があるはず。自分のやってきたことを飾らずに伝えてほしい。
「失敗できないと思う恐怖心が強い子が多いけど、その一歩を踏み出せる方に来ていただきたいと思います。ちば興銀は、そんなあなたを温かく迎え入れます。一歩一歩確実に成長できる環境で、自分らしく働きませんか?」
編集後記
いかがでしたか?
面接官Sさんの、「クールそうに見えて、実はおせっかい」を感じられる数々のメッセージ。銀行のイメージが大きく変わったのではないでしょうか?
特に印象的だったのは、入行1年目の失敗です。失敗から生まれた「リカバリーに時間をかけるより、事前準備に徹底的に投資する」という価値観は、現在の人事企画の仕事にも活かされています。
面接官も、皆さんと同じように壁にぶつかり、仲間に助けられてきた1人の人間です。ぜひリラックスして、あなたの「ありのままの自分」を、ぶつけてみてくださいね。