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活躍の秘訣は「ビジネス視点」と「国語力」
社員インタビュー第1回の出演者は、FAKE Inc.でUI/UXデザイナーとして活躍する儀保健次。新卒でApple Japan合同会社に入社し営業、戦略構築を経験した後、FAKE Inc.に転職。デザイン経験はなかったが、現在はリードデザイナー(責任者)として複数のプロジェクトを担当している。「未経験の領域かつベンチャー企業への転職ということで勇気が必要でしたが、やりたかった仕事に関わりながら、報酬面も1年目で前職を超え、充実した日々を過ごしています」と笑顔を見せる。FAKE Inc.について「デザイン経験よりも、ビジネス経験を尊重する環境」だと話す儀保に、詳しい仕事内容を聞きながら、会社の哲学・カルチャーを紐解いていく。
デザイン未経験でも、UI/UXデザイナーになれる
【プロフィール】儀保健次(ぎぼ けんじ)。1993年、神奈川県生まれ。Apple,incを経て現職。
大手保険会社のプロジェクトなどを担当している儀保。美大出身でもなく、就職後もセールスや戦略などビジネスサイドのキャリアを積んできた。UI/UXデザイナーにジョブチェンジした理由は、「戦略×デザイン」という掛け合わせで、自分の力を発揮したいと考えたこと。
「Appleでは販売や量販店営業を経験した後、店舗の戦略構築や販促プロモーションなどに従事していました。その中で私は、戦略を考えることと、実際に手を動かして資料などをわかりやすく作り込むこと、どちらも好きだと気付いたんです。
自分の強みをもっと深め、広げていきたい。戦略ならば戦略系のコンサルや営業戦略、企画やマーケティング領域、デザインならクリエイティブ領域に行くべきだと思いました。では、戦略×デザインを掛け合わせた場合、どこに行けばいいのか。ビジネス視点でメッセージを考え、実際にユーザーが使うアウトプットまで一貫して携わる。それができるのはどこかと考えたとき、UI/UXデザインという領域だと辿り着いたんです」
しかし、デザイン未経験者であることは、UI/UXデザイン領域で働く上での障壁にならなかったのだろうか。
「就職活動では多くのデザイン会社を受けましたが、未経験の募集はなく、正直うまくいきませんでしたね。その中で唯一、ビジネス経験を重視して募集していたのがFAKEでした。UI/UXデザインの経験はないものの、これまでのセールスや戦略といったキャリアを評価され、採用されました。
実際にFAKEで働きはじめてからも、UI/UXデザインにおいては、美術的なセンスよりも、伝えたいメッセージを言語化する力の方が活かされると感じています。FAKEではよく『美術ではなく、国語』と言っているのですが、僕らが考える良いUI/UXデザインの基本は、『一つの画面で一つのことだけをさせる』こと。たとえば、ECサイトだと『購入』ボタン、メルカリであれば『出品』ボタンなど、その画面上で一番押してほしいボタンが必ずあると思います。ただ、議論していくうちに『ここにはこのボタンを』『だったら注釈もいれよう』などと画面が複雑化してしまいがち。結果として、使いづらくなるんですよね。
そうではなく、要素をそぎ落とし、ユーザーが寝起きでも操作できるようなユーザビリティを目指す。そんなデザインをする上で重要なのは、美術でなく、主語と述語が明確なメッセージをつくる国語の力なんです」
また、FAKE Inc.では、直観的に使えるデザインツール「Figma」を使用しながら、プログラミングに関してはエンジニアチームと協業しながらプロジェクトを進める。実は、プログラミングスキルも不要で働ける環境なのだ。
「UI/UXデザイナーというと、美大出身でなければならないなど、敷居が高いイメージもあると思います。私も以前は『憧れはあるけど絶対になれない』と思っていました。しかし実際は、プロダクトが好きで、それらのサービスからユーザーのニーズを抽出する力があれば、誰もが参入できる職種だと感じています」
UI/UXデザインを事業成長に直結させる「ビジネス視点」
UX起点で総合的なビジネス視点を駆使することで、一般的なデザイン会社、コンサル会社が苦手とする領域をカバーするFAKE inc.。
UI/UXデザインの価値を最大化する上では、「ビジネス視点」を持ちあわせていることも重要だと儀保は話す。なぜなら、それがなければ、プロダクトの役割を捉えきれず、クライアントの事業成長に直結させることができないからだ。
「KPIやオペレーションが複雑に絡み合う大規模なプロジェクトでは、クライアントの要望を全て拾っていくうちに、本来の目的から逸れたUI/UXになっていってしまうことが少なくありません。そういったときに、事業の川上から整理しプロダクトの根本的な役割を見つめ直せるビジネス視点を持っていることが、プロジェクトの成否を分けることになるんです」
だからこそFAKE Inc.は、UXを起点にしながら、ビジネス思考でプロダクトが作れるメンバーを揃えている。
「そもそも、ビジネス視点がないと、クライアントに対し『なぜこのUI/UXにする必要があるのか』を言語化することもできず、プロジェクトを前に進めることも難しいと思います。クライアントの腑に落ちる説明をし、開発投資する価値を理解してもらうという部分でも、ビジネス視点が求められます。
実際に、元々クリエイティブやデザインファーストの会社に発注していたけれど、ビジネス的な視点が足りずに、FAKEに変更いただいたクライアントも数多く存在します。その方々の声を聞くと、いかにビジネス視点をもったUI/UX開発にニーズがあるかを実感しますね」
すぐに作り、ブラッシュアップを繰り返す、FAKE Inc.の開発手法
FAKE inc.では、戦略の背景をいち早くデザインに落とし込む。フィードバックと改善を繰り返しブラッシュアップすることで、精度の高い開発が可能。
FAKE Inc.は基本理念として「いち早くつくり、顧客に会いに行く。」を掲げ、戦略をすぐにプロトタイプ化し、クライアントと認識を擦り合わせていく。ソフトウェア開発では抽象的な議論になりがちだが、プロトタイプが具体的な議論を可能にし、スピード感を生む。
「『まだ開発するかしないかを社内で検討中』という状況の大企業に対して、意思決定しやすいよう実際に触れるプロトタイプをつくり、予算取りに成功することもあります。また、デザインの過程においても、複数の仮設が考えられる際は、すべて実際の画面に落とし、すぐにユーザーヒアリング等をかけるようにしています。たとえばユーザーのタイプ診断を行うときに、質問が7個だと面倒だと思われるか、5個ならどうか、などという細かいレベルでの作り込みや、抽象的になりがちな定性的な課題まで、ユーザーへのヒアリングを通して調整しながら進めていけるので、意味のない机上の空論に時間を裂かずに済むのです」
プロダクトが好きなビジネスパーソンを求む
ちなみに、Apple時代の学びが、現職に活きていると感じることは?
「Appleって、プロダクトはもちろんですが、社内資料からサイト設計、店舗での接客まで、どれをとってもコアメッセージのみにフォーカスし、そぎ落としたデザインを追求する会社だったんです。最上位の目的を追求したミニマルなデザインを良しとする哲学は、UI/UXという領域で非常に活きていると感じています」
FAKE inc.では、儀保以外にも、多種多様な業界からUI/UXデザイナーに転身したメンバーが活躍中。どんな仲間が多いと感じる?
「ソフトウェアサービスが好きな仲間が集まっています。チーム性を大切にする社風なので、新しいサービスを見つけたらすぐにお互いにシェアしあっていて。この情報共有も、個人的に勉強になるだけでなく、プロジェクトを回す上で役に立つんです。クライアントは、自分たちが作るものが本当にユーザーに届き、刺さるのか不安に思っていることが多いので、既存のサービスを例として紹介できるのは強みの一つだと思います。
ソフトウェアサービスが好きで、そこにビジネスサイドの経験を活かす発想があれば、デザイン未経験であろうと、UI/UXデザイナーとしての信頼は得られると思います。ぜひFAKE Inc.に多様な業界・職種から人材が集まり、UI/UXデザイナーに挑戦していただけたらと思っています」