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アイデアをビジネスにできる。これこそが、飲食業の醍醐味。

今回はリディファインダイニングの代表取締役社長の「河村剛臣」の創業エピソード~今後の展開の話。についてのインタビュー記事をお送りします。

――初めに経営者になろうとした、きっかけなどあれば教えてください。


しかし、大学在学中に友人たちと『自分たちで何かやりたいね』と、夢を語っていたこともあり、その友人たちと2008年、不動産業の株式会社センチュリオンを設立。それぞれ不動産業の経験があったため、順調に軌道に乗せることができました。そんななかでさらなる挑戦をしたいという話になり、2010年、誰も経験のない飲食業界へ進出すると決めたのです。


なじみのある京都と比べると、東京は安くていい居酒屋が少ないなと感じていたことが、飲食業に進出した理由の一つです。

学生時代、好きで通っていた京都の店のような居酒屋を作ることができたら成功するんじゃないか、と考えました。そして、とにかく店を出すと決めて、一気に3つの物件を契約。同年に3店舗を立ち上げたのですが、いま考えると無謀ですよね。(笑)


――飲食店経営に関して知識も経験もないなかでの出店は、どうでしたか?

1号店の「サンダーバード 池袋東口店」皮切りに、数カ月後には、“京風もつ鍋”というコンセプトを決めて、東京・荻窪に「もつ吉 本店」をオープンしました。

実は「もつ吉」は、オープン1カ月前になっても、コンセプトどころか、業態すら決まっていない状態だったんです。そんなバタバタの開業だったこともあって、苦戦。

結局、この後に出店した店も含め、半年経った段階で3店舗すべてが赤字でした。そこではじめて「これではダメだ」と思い、本気で見直しを図りました。

秋にオープンした「もつ吉」でいえば、「京風もつ鍋」がメインなので、オープン景気もあり、寒い季節は悪くなかった。ですが、やはり暖かくなるにつれて売上が落ち込んでいきました。そこで、季節に売上が左右されない店にするため、もつ鍋屋からの脱却を目指して、「京都の希少食材に特化した居酒屋」へとリニューアル。これで売上がV字回復し、飲食業の方もようやく軌道に乗せることができました。

――赤字からのV字回復という体験からどんなことを得ましたか?

「こうするとお客様に響くのか」「この方法だと、このくらいの早さでお客様に浸透するのか」という実感を得られました。そして、何よりも大きかったのは、「メニューを変更しても、それをお客様に伝えなければ意味がない」ということ。これを身を持って体験できたのは、大きかったですね。

この実体験を通して当社では、“情報のアウトプット”に力を入れています。現在、来店いただいたお客様に、店の会員になっていただく取り組みをしていますが、会員数は全店合計で2万人を超えました。

その方たちにメルマガで週1回、新メニューやイベント企画の情報などを発信しています。

一方で、接客の際に積極的にお客様にお声がけをするなど、オペレーションの中に『会員獲得』を組み込んでいます。メニューのリニューアルと、足を運びたくなるような企画を考え、それをお客様にしっかりアプローチすれば、目に見えて効果が出ます。

だからこそ、その部分には時間をかけ、丁寧に行うことが必要です。


――再定義(リディファイン)する視点とは?

2016年に飲食事業部門が独立した、株式会社リディファインダイニングという会社名には、「これまでのスタンダードを再定義(リディファイン)する視点」を、大事にしていこうという気持ちを表現しています。

例えば、国産のレモンを使い、“皮まで食べられるレモンサワー”というコンセプトを打ち出した「広島県産レモンサワー」は、お客様からの反響が非常に大きかった商品です。多くの人になじみのあるレモンサワーに、「国産」「皮まで食べられる」ということを上乗せすることで、大きく差別化できる。

もう1つの人気商品である「低温調理のレバ刺し」「とろける和牛ハンバーグ」もそうですが、今まであるメニューでも着眼点を変えて深堀りし、進化させることができれば、新たな価値を生み、また輝く。そのアイデアを導き出すことが、繁盛店へのカギなのだと実感しています。


――会社としての今後の展望をお聞かせください。

サービスにおいては、これまで感覚で行ってきた接客を、どう言葉に落とし込み、誰もができるようにするのか。そのあたりが課題と考えています。また人材育成の意味でも、私が中心になるのではなく、今後はある程度、ほかの人間に任せていきたい。

店長や料理長の「これをやってみたい!」という気持ちを育て、彼らの業務領域を広げる。

そうすればポジションが確立し、店長や料理長主導で、現場単位の様々な施策がどんどん生まれ、店舗の活性化にもつながりますから。

将来的に全国展開できるような新業態も開発したいと思っていますが、そのために今後は、人材確保を常に視野に入れなければいけない。うまくいけば、その業態で海外進出をしたいと、夢を抱いています。

不動産業と飲食業の決定的な違いは、アイデアをビジネスにできること。それが飲食業の醍醐味です。今後も常識にとらわれない発想力を持ち、ビジネスとしてシビアに判断しながら業態を開発し、成長していきたいと思います。

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