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こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の小林です。
精神疾患と言えば本人が精神的に苦しんでいる症状が一般的でしょう。しかし、本人ではなく周囲が大きな被害を受ける精神疾患も存在します。その代表的なものが、反社会性パーソナリティ障害です。本記事では、そんな反社会性パーソナリティ障害についてご紹介していきます。
反社会性パーソナリティ障害の定義と診断基準
反社会性パーソナリティ障害はパーソナリティ障害の一種です。パーソナリティ障害は、社会生活に支障をきたすほど明らかにパーソナリティが偏っていることです。
パーソナリティは生まれつきの気質と生きていく中で形成される性格が混ざったもので、表面化している部分です。パーソナリティの偏りはいろいろなパターンがありますが、反社会性パーソナリティ障害の場合、反社会的な行為を繰り返します。
反社会性パーソナリティ障害はルールへの意識や他人への思いやりが欠如しているため、問題行動を起こすということです。
反社会性パーソナリティ障害の診断は、DSMー5というアメリカ精神医学会が作成した診断基準にもとづいて行われます。
反社会性パーソナリティ障害の主な症状と特徴
反社会性パーソナリティ障害の主な症状、特徴は以下の3種類です。
・他者の軽視
・衝動的行動
・無責任行動
他者の軽視は、自分の行動によって他者に生じる状況を理解できず、結果的に軽視する症状です。良心がないため、嘘をついて騙したり、傷つけたりします。
衝動的行動は、後先考えずに行動します。薬物を使用したり、危険運転をしたりといったことが挙げられます。無責任行動は、性的に奔放、仕事を無断で休む、借金をして返さない、といったことが挙げられます。
ただし反社会性パーソナリティ障害の人の中には、自分の利益につながる場面では合理的な行動を取る人もいます。自分の利益のためにはモラルを持って振舞っているように見せかけ、裏では他人を騙したり傷つけたりするということです。
反社会性パーソナリティ障害の原因とリスク要因
反社会性パーソナリティ障害の原因は脳の興奮抑制機能が低下していることと考えられます。脳機能が低下する原因としては、生まれつきの脳の性質と環境要因の両方があります。
生まれつきの脳としては、ADHDの人は反社会性パーソナリティ障害につながりやすいとされています。衝動性、多動性、自分の興味関心のあること以外に考えが至らない、といったことがその原因でしょう。
環境要因としては、虐待やネグレクトがあると反社会性パーソナリティ障害につながりやすいとされています。
反社会性パーソナリティ障害の治療
反社会性パーソナリティ障害の人は、自覚がないか、自覚があっても問題視していない可能性が高いでしょう。反社会性パーソナリティ障害によって自分自身が困ることもありますが、主に被害を受けるのは他人で、反社会性パーソナリティ障害の人は他人に被害のことを気にしないからです
つまり反社会性パーソナリティ障害の人は治療を受ける動機がないということです。しかし、周囲の人に連れられて医療機関を訪れ、治療を受けるケースもあります。
治療内容としてはカウンセリングが中心です。ただし本人に改善の意志がない場合、カウンセリングによって変わるのは難しいでしょう。
最後に
反社会性パーソナリティ障害の人は、身近に潜む危険人物とも言えるでしょう。本人が苦しんでいる一般的な精神疾患とは異なり、反社会性パーソナリティ障害の場合は本人ではなく関わった人が苦しむことになります。
本人に改善の意志がある場合は周囲が協力することも効果的ですが、多くの場合そうではないでしょう。改善しようとサポートした人が被害を受ける可能性もあります。そのため、一般的な精神疾患のように支えるのではなく、時には距離を取ることも重要と考えられます。
反社会性パーソナリティを含めて精神疾患への理解を深めることで、自分自身の問題への対処、周囲の精神疾患の人への対処が適切になっていくでしょう。
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