こんにちは、ヘルスベイシスの採用担当の谷川です。

近年、精神疾患の一種として適応障害が注目を集めていますが、適応障害は症状や他の精神疾患との違いが把握しにくい精神疾患と考えられます。
本記事では、そんな適応障害についてご紹介していきます。

適応障害の全て: 症状、原因、と治療の基本

適応障害の定義と症状

適応障害は、日常のストレスに対処できない結果、抑うつや不安などの精神症状や行動の変化が生じ、社会生活に支障をきたす病気です。目安として、強いストレスがかかり続ければ1ヶ月以内に適応障害を発症する可能性があります。

また適応障害は最終的に社会に適応できなくなる症状が現れますが、その過程でうつ病や不安障害のような症状が現れます。そのため、適応障害の前にうつ病や不安障害と診断されるケースも多いです。
実際の診断では、うつ病、統合失調症、不安障害と類似しているも明確に該当する病気はなく、しかし社会生活に支障をきたしているといった場合に適応障害と診断される場合が多いです。

強いストレスが原因

適応障害の直接的な原因は、主に強いストレスです。実際に強いストレスがかかっている場合もありますが、他人から見るとそれほどストレスの度合いは大きくない場合もあります。
その場合、当人にストレスを感じやすい性質があり、その結果他人から見るとそれほど強くないストレスであっても強いストレスに感じ、適応障害を発症する場合があるということです。

症状の発現時期と期間

適応障害はストレスの原因にさらされてから短期間内に症状が現れます。そして原因となるストレスが解消されれば、通常半年以内に症状が改善されます。

適応障害と他の精神疾患との違い

適応障害の症状はうつ病や不安障害と類似しています。そのため、症状がこれらの既存の精神疾患の診断基準に明確に当てはまる場合は、そちらの診断が優先されます。
逆に既存の精神疾患に類似する症状が出ているもののどれにも当てはまらない場合、適応障害と診断されます。

診断方法

適応障害は主に問診によって診断され、画像検査や血液検査は通常行われません。ただし他の病気の可能性も考慮して、CT検査、MRI検査、脳波検査などが行われる場合もあります。

上述の通り適応障害は他の病気の可能性を除外し、消去法的に診断されます。そのため、適応障害の診断というよりは他の疾患の診断方法が用いられるということです。

そしていずれにも該当しないもののストレスが原因で社会生活に支障をきたしている場合、適応障害と診断されます。

治療法の概要

適応障害そのものの治療薬はありません。しかし、不安や不眠に対して抗不安薬や睡眠導入薬を使うことがあります。適応障害は疾患そのものというよりは結果に対する疾患名なので、治療法としても原因を取り除く方にアプローチされます。
薬を使用する場合もありますが、原因となるストレスを取り除くために環境の改善や認知行動療法が行われる場合が多いです。

ストレス管理と自己ケア

適応障害が重度の症状の場合は、休暇を取るなどしてストレスをできるだけ取り除く必要があります。重度でない場合は完全休養を取るのは難しいことが多いでしょう。
そういった場合は、今までの生活をある程度続けながらもストレスを軽減するための打開策を探っていくことになります。

適応障害と日常生活

適応障害は日常生活や社会生活に支障をきたします。ストレスが原因で支障をきたしている状態が適応障害です。適応障害は原因と結果の部分にのみ着目した疾患です。
言い換えれば、ストレスと生活に支障をきたすという結果の間の過程は人によって異なります。うつ病に近い症状が出ている人もいれば、統合失調症に近い症状が出ている人もいるでしょう。

しかし明確にこれらの精神疾患の症状が現れていれば、適応障害ではなく別の精神疾患と診断されます。つまり別の精神疾患に近い症状が出ていても、明確には該当しない場合に適応障害になります。
また生活に支障をきたしていない場合は適応障害には該当せず、同じような症状であったとしてもストレスによる精神疲労などの診断結果になるでしょう。

最後に

精神疾患の一種である適応障害は、社会的認知度が高まっています。
他の精神疾患とは異なり、ストレスという原因と生活に支障をきたすという結果の間がブラックボックスになっています。間の過程が人それぞれなので、理解しにくい面があるのは事実でしょう。
今後は適応障害についてより正しく認識する人が増え、サポート体制も整っていくと考えられます。

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