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Chat GPTを使いこなすためのプロンプトエンジニアリング入門

Chat GPTを使っているけれど、なかなか思った通りの答えが得られないと感じることはありませんか?生成AIの仕組みを理解し、効果的に使いこなすための「プロンプトエンジニアリング」を知ることで、その悩みを改善することができます。今回は初心者の方でも理解しやすいように、基本的な仕組みや実践的なテクニックをわかりやすく解説したいと思います。よければぜひ活用してみてください。

目次

  1. 生成AIの仕組み
  2. 効果的なプロンプトの作り方
  3. 1. シンプルに聞いてみる(Zero-shotプロンプト)
  4. 2. AIに役割を与える(ペルソナパターン)
  5. 3. 具体的に質問する
  6. 4. 分からない時は「分からない」と言ってもらう
  7. 5. 質問を構造化する
  8. 6. 問題を小分けにして聞く
  9. 7. 回答の例を示す(1-shot, Few-shotプロンプト)
  10. 8. 考えの過程を説明してもらう(Chain-of-Thought)

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生成AIの仕組み

Chat GPT等の生成AIは膨大な量の文章を学習しており、その学習結果を基に入力した言葉に対し、次に来るべき言葉を予測することで新しい文章を作り出しています。言葉のつながりやパターンを見つけ、それを基に文章を生成するという流れです。この仕組みによって、私たちが投げかけた質問に対して回答が生成されています。

  • 生成AIのモデルの訓練と応答の仕組み
    Chat GPTにも用いられている大規模言語モデル(LLM)は、インターネットや書籍など膨大なテキストデータから学習しています。この学習により、文章の流れを理解し、文脈に言葉を言葉を生成しています。
    実際のところ、モデルは入力された文章に対して、次に来る可能性が高い単語を確率的に予測し、最も言葉を選んでいるにすぎません。そのため、同じ質問をしても、その時々で少しずつ異なる表現や言い回しが使われることがあります。この特徴により、定型的な応答ではなく、状況に応じた柔軟なコミュニケーションを実現しています。
  • 訓練データの影響
    生成AIは、膨大な訓練データから学習した情報を基に回答を生成します。そのため、訓練データの内容や頻度が大きく影響します。例えば、データセットに頻繁に現れる有名なフレーズ、歌詞、歴史的事実などは、回答に反映されやすくなります。一方、稀少な情報や最新のデータは含まれにくい傾向があります。ですので、求める情報がAIの学習範囲内にあるかを意識することがポイントになります。特に専門的な質問や最新の話題については、必要に応じて他の情報源で確認することをお勧めします。
  • ハルシネーション
    前述の通り、Chat GPTは確率的にもっともらしい内容を生成します。その結果、「1+1は3です」のように論理的におかしかったり、実際には存在しない情報をあたかも本当かのように生成してしまうことがあります。これは「ハルシネーション」と呼ばれます。これを可能な限り防ぐプロンプトパターンは後述しますが、生成AIが出した答えを鵜呑みにしすぎないことが大事です。
  • 入力文字数の限界
    生成AIには受け付けられる文字数に限界があります。簡単に言うと、Chat GPTは過去にやり取りしたユーザの入力内容と回答内容を全て引き継いで新たな回答を生成します。この会話の流れ全体は「コンテキスト(文脈)」と呼ばれます。このコンテキスト長の限界を超えて情報を入力すると、最初の文脈が忘れられる等して文脈全体を適切に理解できなくなり、的確な応答が難しくなります。そのため、長文のプロンプトや、長文のやり取りを続ける場合は注意が必要です。重要な情報を簡潔に伝える、一つの質問に絞る等の工夫をすることで、より適切な回答を得やすくなります。

このように、Chat GPTをうまく活用するためには、生成AIがどのように学び、どうやって答えを生成するのかを理解することが大切です。それを踏まえた上でプロンプトを工夫することで、より的確な答えを引き出すことができます。

効果的なプロンプトの作り方

それでは的確な答えを引き出すにはどんなプロンプトを書けば良いか?ということですが、お気づきの通りプロンプトの内容が、回答の質を大きく左右します。例えば「料理について教えて」という漠然とした質問では、AIは何を説明すべきか判断できず、一般的で表面的な回答になりがちです。一方、「和食の天ぷらの基本的な衣の作り方を、初心者向けに工程順に説明して」のように、目的や対象、具体的な要望を含めることで、より意図に合った回答を引き出せます。
つまり人に仕事を依頼するように、AIにも明確な指示を出すことが、期待する結果を得るための重要なポイントとなります。

それでは以下に、効果的なプロンプトエンジニアリングのテクニックをいくつか紹介します。

ここに挙げる例は既に時代遅れになっている可能性もありますので、プロンプトを使いこなす手がかりとしてご利用ください。さらに詳しい内容や最新の情報を知りたい方は、書籍やMicrosoftやOpenAI等が公開しているプロンプトエンジニアリングのドキュメントをご覧くださいませ。個人的に、書籍は「AI時代の質問力」がとても参考になりました。

1. シンプルに聞いてみる(Zero-shotプロンプト)

  • 概要: 特別な指示なしで、ストレートに質問する方法です。AIの幅広い知識を活用でき、意外な答えが返ってくることも。
  • 使い時: 新しいトピックについて幅広く知りたい時や、何かしらアイデアが欲しい時など。
  • プロンプト例:
    「健康的な生活習慣について教えてください。」

2. AIに役割を与える(ペルソナパターン)

  • 概要: AIに特定の専門家や立場になってもらい、その視点から回答を得る方法です。その分野の専門家の視点から、詳しい情報が得られます。
  • 使い時: 特定の分野の専門的なアドバイスが欲しい時など。
  • プロンプト例:
    「料理の先生として、簡単な夕食レシピを教えてください。」
    「簡単な夕食レシピを教えてください。私が料理の素人であることを前提にしてください。」

3. 具体的に質問する

  • 概要: 質問の内容をできるだけ詳細かつ明確にする方法です。AIがあなたの求めていることを正確に理解し、的確な回答が得られます。
  • 使い時: 特定の情報や手順を知りたい時など。
  • プロンプト例:
    「東京から大阪への新幹線の所要時間と料金を教えてください。」

4. 分からない時は「分からない」と言ってもらう

  • 概要: AIに回答できない場合は正直に「分からない」と答えるよう指示する方法です。間違った情報を避け、信頼できる回答だけを得られます。
  • 使い時: 正確な情報が必要な時や、AIの知識の限界を知りたい時など。
  • プロンプト例:
    「分からない場合は『分からない』と答えてください。2050年の日本の人口は何人ですか?」

5. 質問を構造化する

  • 概要: 質問の背景、目的、具体的な内容を順序立てて説明する方法です。AIがあなたの状況をよく理解し、より適切なアドバイスがもらえます。
  • 使い時: 複雑な相談をする時や、詳しい説明が必要な時など。
  • プロンプト例:
    「背景:引っ越しを考えています。
     目的:新しい街を選ぶこと。
     質問:街選びで気をつけるべきポイントを教えてください。」

6. 問題を小分けにして聞く

  • 概要: 大きな問題や複雑な質問を、より小さな部分に分割して順番に聞いていく方法です。複雑な問題も段階的に解決でき、理解しやすい回答が得られます。
  • 使い時: 難しい問題を解決したい時や、段階的に考えを進めたい時など。
  • プロンプト例:
    「1. まず、ダイエットの基本原則を教えてください。
     2. 次に、具体的な食事メニューの例を示してください。
     3. その後、運動の種類と頻度について教えてください。」

7. 回答の例を示す(1-shot, Few-shotプロンプト)

  • 概要: AIに期待する回答の形式や内容を具体的に例示する方法です。AIが回答の形式を理解し、一貫性のある答えが得られます。具体例を複数挙げると精度が高まる傾向があります。
  • 使い時: 特定の形式で答えを得たい時や、複数の項目について同じ形式で回答が欲しい時など。
  • プロンプト例:
    「質問:りんごの特徴は?
     回答例:赤い色、甘い味、シャキシャキした食感。
     では、オレンジの特徴を同じ形式で教えてください。」

8. 考えの過程を説明してもらう(Chain-of-Thought)

  • 概要: 「順を追って考えてください」と指示し、AIに思考過程を順を追って説明させる方法です。AIの考え方が分かり、より深い理解や新しい視点が得られます。
  • 使い時: 複雑な問題の解決方法を知りたい時や、AIの思考過程を理解したい時など。
  • プロンプト例:
    「環境問題の解決策を考える際、どのような順序で考えるべきか、ステップごとに説明してください。」

9. 複数の視点から確認する(Chain-of-Verification)

  • 概要: 一つの問題や質問に対して、異なる角度や立場からの意見を求める方法です。多角的な視点が得られ、より信頼性の高い情報を得られます。
  • 使い時: 重要な決定をする前の情報収集や、複雑な問題の分析をする時など。
  • プロンプト例:
    「スマートフォンの購入について、消費者、環境保護派、技術者の視点からそれぞれ意見を述べてください。」

10. もう一度考え直してもらう(ステップバックプロンプト)

  • 概要: 最初の回答の後、さらに深く考えるよう生成AIに促す方法です。新しいアイデアや、見落としていた視点を得られる可能性があります。
  • 使い時: より多くの選択肢が欲しい時や、深い洞察を得たい時など。
  • プロンプト例:
    「趣味の見つけ方について教えてもらいましたが、他に考えられるアプローチはありますか?」

まとめ

プロンプトエンジニアリングは、生成AIを効果的に使うための重要なスキルです。生成AIの仕組みや限界を理解し、プロンプトを工夫することで、期待に近い答えを引き出しやすくなります。的確な指示を与えることで、出力の質が大きく変わります。今回紹介したテクニックを試し、自身に合ったプロンプトを使いこなすことで、生成AIを楽しみながら活用してもらえれば幸いです。

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