こちらの記事はdotD公式noteの転載です。
執筆者は、onedog開発チームです。
ヘルスケアアプリとしてのonedogのリニューアルに伴い、獣医師の天野先生に愛犬のヘルスケアについてお話をうかがいました!
先日onedogは大幅リニューアルをし、従来のおさんぽ記録に加え、愛犬の健康状態・通院履歴・お世話などのヘルスケア記録もとれるようになりました。この度のリニューアルに併せて2021年9月よりonedogのアドバイザリーとしてご参画いただくことになりました獣医師の天野先生に、愛犬のヘルスケアについてお話をうかがいました。
愛犬の健康のために飼い主様がすべきことなど、飼い主様にとってもお役に立てる内容になっています。前編・後編の二本立てでお届けしますので、最後までお読みいただけると幸いです。
▽onedogのリニューアルnoteはこちら
栗岡光理:「onedog」のプロジェクトマネージャー。
2018年4月に新卒でNTTデータに入社。ソリューション営業として経験を積み、副業で携わっていたdotDに2020年4月に正式入社。現在は愛犬のヘルスケアアプリ「onedog」のプロジェクトマネージャーを担当。
天野謙一郎:2004年麻布大学獣医学部卒業。都内動物病院にて副院長を務めたのち、2010年往診専門動物病院しらたまを開業。往診獣医の先駆けとしてのべ3000頭以上の診療にあたる。2020年往診獣医師有志と往診獣医師協会を設立。ペット栄養管理士。
目次
- 愛犬のヘルスケアアプリ「onedog」×往診獣医師の天野先生
- 診察時の課題・飼い主様にやってほしいこと
- 診断後に家でやってほしいことや、診断後の課題
愛犬のヘルスケアアプリ「onedog」×往診獣医師の天野先生
栗岡:先日、onedogはヘルスケアアプリとしてリニューアルをしたのですが、その背景の1つとして、愛犬の健康のためには、愛犬に日々連れ添い家族としてお世話をしている飼い主様が、愛犬の病気や怪我の予防や早期発見、適切な治療をしてあげられるかどうかが重要だという考えがあります。
そこで愛犬のヘルスケアに関して獣医師視点でのご意見も参考にしたく、今回は天野先生に「愛犬の健康のために飼い主様は何をすべきか」お伺いできればと思います。「病院での診察時や診察後の課題・飼い主様にやってほしいこと、「わんちゃんの健康のために日頃から気を付けるべきこと」の2つに分けてお聞かせいただく予定です。
天野:よろしくお願いいたします。
栗岡:天野先生は「往診」獣医師としてご活躍されていますが、どういったことをされているのか簡単にお聞かせいただけますでしょうか?
天野:主に飼い主さまの依頼を受けて、ご自宅にて診察を行っています。特に多いのは歩けなくなってしまった中型犬や大型犬、病院に行くのを嫌がる猫、家でのターミナルケアをしているペットなどなど、色んな理由があって病院に連れていくことが難しい場合にお伺いしています。
栗岡:往診獣医を始められたきっかけはなんですか?
天野:動物病院の勤務医として働く中で、できるだけ飼い主様が日常的に獣医師と接点を持つことで、早く病気に気付いて、早く直してあげたいと思い、往診獣医というものを始めました。
実際に往診獣医をやってみると、重症化してしまって病院に行けないようなわんちゃんや猫ちゃんから依頼をいただくことが多く、往診のニーズがあるということも分かったので、往診獣医を続けていくことにしました。
栗岡:最近の統計調査でも犬の寿命が延びていることを考えると、今後気軽に病院に行くことが困難なわんちゃんも増えていくと思うので往診獣医のニーズはすごくありそうですね。逆に、健康なわんちゃんや猫ちゃんにとっては往診診療はあまり馴染みがなく、利用してもらうためにはハードルがありそうですね。
健康なわんちゃんに対しても、早く不調や病気に気付いてもらえるようonedogで何かサポートしていくことが大切だと思います。
診察時の課題・飼い主様にやってほしいこと
栗岡:診察している際に感じる課題や、飼い主様に実施して欲しいことはありますか?
天野:何か気になることがあって飼い主様はいらっしゃるのですが、診察中に色々と話していく中で、あれも気になってた、これも気になる...などのように、他にも気になっていたことがたくさん出てきてしまいまい、その結果、最初に気になっていたことが曖昧になってしまい解決しないケースがあります。
もちろん、その他の小さな症状を解決することも重要ですが、一番気になっていた症状を解決する必要があると考えています。
これを防ぐためには、事前に飼い主様の方である程度情報を整理してメモしておいてもらえると助かります。そうするとスムーズに診察を進められますし、気になっていた症状を治療できなかったという事態を防ぐことができると思います。
栗岡:実際にどのような情報を整理してメモすると良いのでしょうか?
天野:気になる症状がある場合は、いつ、どんな状況で、どういう症状だったのか、時系列に沿ってメモしておいてもらえると良いと思います。
栗岡:飼い主様目線で考えると、実際に病院に行こうと思ったタイミングだと、過去の症状を忘れてしまい曖昧な記憶を遡らなくてはならないので難しそうだと思いました。
onedogではわんちゃんの体調や健康状態を記録できるので、何か気になることがあれば記録してもらい、診察時に利用してもらえると思っていますがいかがでしょうか?
天野:病院に行く程ではなくても、日頃から何か気になる症状があればそれをメモする習慣をつけてもらえると良さそうですね。
栗岡:そうですね。また、日常的に気になっていることはあっても、それを解決できていない飼い主様が多くいらっしゃるように感じます。なので、診察を受けた時に獣医さんに、つい普段から気になっていたことを相談してしまうのだと思いました。
天野:確かに。病院に行く時間が無かったり、病院が混んでいたりすることもあるので、ちょっとしたことでしたら病院には行かない飼い主様が多いと思います。また、ネットで検索してもいまいちよくわからなくて、そのままにしてしまっている方が多い印象です。
栗岡:病院に行くほどでもないけど、何か気になったことを気軽に質問・相談できる場があると良さそうですね。将来的には、onedogでもそのあたりのサポートもしていけたら良いと思っています。
天野:あとは、獣医師によるオンライン相談などのサービスも最近は出てきていますので、そちらを活用してもらうのも良いと思います。
栗岡:そうですね。獣医オンライン相談はなかなか浸透はしておらず課題はありそうですが、将来的に気軽にオンラインで相談できるようになると良さそうですね。
診断後に家でやってほしいことや、診断後の課題
栗岡:診察後の課題や、飼い主様に実施して欲しいことはありますか?
天野:薬を飲ませる、安静にしてもらう、なにか症状が出たら連絡してもらう、などのように獣医師から飼い主様に指示をすることがあるので、まずはそちらをしっかりと実施していただきたいです。
一度診察しただけでは、病気の種類や原因を確定させることは難しいケースがあります。一度目の診察で、色々と検査するのはお金もかかるし、わんちゃんにも負担がかかってしまうので、まずは一般的な治療をして経過観察をし、効果を確認するケースがあります。治療を正しく行うためにも、獣医師の指示・アドバイスをしっかり守っていただくことが非常に重要です。
栗岡:「獣医師の指示やアドバイスをしっかり守る」というのは当たり前のようですが、自分ではなくわんちゃんのことなので意外と難しかったりしそうですね。実際にどういった理由で指示やアドバイスを守っていただけないことが多いですか?
天野:薬を処方したのに飲めなかったなどのケースがあります。薬を飲ませられなかった場合、獣医に報告しにくい飼い主様もいらっしゃると思うのですが、そういった場合は薬をうまく飲ませられるようにアドバイスすることはできるのでしっかり報告していただきたいです。
栗岡:たしかにわんちゃんに薬を飲ませるのは難しいですよね。どのようにして薬を飲めるようにするのでしょうか?
天野:錠剤でだめだったら粉や液体にするなど、薬の種類を変えることができます。また、薬の飲ませ方にもいろいろとあるので、そのわんちゃんに合った飲ませ方を教えてあげたりしています。
栗岡:飲めなかった場合に獣医に報告するのはもちろんのこと、事前に飼い主様の方で薬のあげ方を分かっていれば良さそうですね。
天野:飼い主様から聞いていただければいろいろと方法を教えられるのですが、なかなか獣医から積極的に患者さんに教えてあげることはできていないと思います。なので、そのあたりはonedogで教えてあげられると良さそうですね。
栗岡:そうですね。飼い主様と日常的に接点を持てているonedogではサポートできる範囲だと思いますので、是非今後検討できればと思います。
他にも何か獣医師からのアドバイスで特に実施していただきたいものはありますか?
天野:自宅で経過観察していただき、その後の再診にて経過を確認するケースがあるのですが、指定したタイミングで来院していただきたいです。そのタイミングで来ていただかないと、今回の処方が効果あったのかどうか正確に判断できなくなってしまいます。正しい治療を行うためにも、来院のタイミングもしっかりと守っていただきたいと思います。また、難しい場合は、連絡をいただくだけでも助かります。
栗岡:今は、獣医師から飼い主様にリマインドを送ったりするなど、直接連絡をすることはありますか?
天野:獣医から飼い主様への連絡はなかなかできないので、その後飼い主様が来院された際に過去の通院履歴を確認して診療の間隔が開いているいることに気づくことが多いですね。。
栗岡:そうなんですね。onedogでは通院記録を取ることができるので、それをもとに次の通院のリマインドを送ったりするなどの仕組みでサポートできると良さそうだと思いました。
天野:獣医は日々の診察で精一杯で、飼い主様と日常的に接点を持つことは難しいので、そのサポートをしていただけるような仕組みがあるとありがたいですね。
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前編はここまでです。
後編では、わんちゃんの健康のために日頃から気を付けるべきことについての対談を発信予定です。お楽しみに!
▽onedog公式サイト
https://onedog.io/
▽しらたま動物病院
https://shira-tama.jp/