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クラウド健進®︎ × 宿泊施設【鹿児島市ホテルプロジェクト】裏話

 AMI株式会社は、超聴診器の社会実装や、遠隔聴診システムの活用により遠隔医療の質の向上を目指している研究開発型スタートアップです。

 今回のストーリーでは、昨年2021年10月〜11月に実施されたクラウド健進®︎ × 宿泊施設【鹿児島市ホテルプロジェクト】の舞台裏を紹介したいと思います。

クラウド健進®︎とは
クラウド健進®は当社が開発した「遠隔医療で健康増進」を目的とした取り組みです。主に「遠隔聴診対応ビデオチャットシステム」を用いた遠隔聴診や「AMI指先採血キット」を用いた指先採血があります。遠隔聴診、指先採血は単体で受けることができ、その他検査項目や健康相談内容はカスタムが可能です。2018年から取り組んでおり、医療機関・自治体・企業などに対してもサービス提供しています。詳しくはこちら

そもそも鹿児島市ホテルプロジェクトって?

 当社は経済産業省「令和3年度地域新成長産業創出促進事業補助金(地域産業デジタル化支援事業)」に採択されました。
  この事業の一貫として、ホテルを利用するついでに健康チェックができる「遠隔健康チェック・受診勧奨サービス提供モデル実証事業」を、ホテル・レクストン鹿児島、HOTEL&RESIDENCE南洲館の協力のもと実施しました。

 本事業は、当社がこれまで培ってきたクラウド健進®や遠隔聴診ビデオチャットシステムを軸として、宿泊施設滞在中に自身の健康チェックや医師からのオンライン受診勧奨を受けることができる新たな取り組みです。本実証事業にご参加の方は、指先採血や生体モニタリングデバイスを活用した遠隔聴診や遠隔健康相談を受けることが出来ます。

[参考リンク]

九州経済産業局とAMIの関わりについて

 今回、経済産業省「令和3年度地域新成長産業創出促進事業補助金(地域産業デジタル化支援事業)」に採択されましたが、経済産業省九州経済産業局とAMIの関わりは2018年に遡ります。沿革で順を追ってみていきましょう!!

2018年06月  第5回“ヘルスケア産業づくり“貢献大賞で『大賞』に選ばれました

2018年11月  経済産業省九州経済産業局、九州ヘルスケア産業推進協議会(HAMIQ)主催「未来医療セミナー開催」←鹿児島に拠点ができて初めてのイベント!鹿児島にゆかりのある医師起業家3名をお招きし、医療4.0の内容も踏まえてお送りしました。

2019年03月 平成30年度経済産業省「地域中核企業創出・支援事業」を活用して「超聴診器-解説動画- AMI株式会社」の動画制作

2020年01月  経済産業省九州経済産業局、九州ヘルスケア産業推進協議会(HAMIQ)主催「遠隔医療におけるこれからの予防医療セミナー」開催←スマートヘルスケア協会 代表理事 岡崎氏をお迎えして、薬局を活用した検体測定室での遠隔医療のお話を中心にお送りしました。また、会場の一角を検体測定室に見立てて遠隔聴診デモを行いました。

2020年01月  九州「地域共生・ヘルスケア産業活用」セミナー(令和元年度第7回 九州厚生局地域共生セミナー)←余談ですが、このときAMI入社前の吉永(現在、AMIの遠隔医療のプロジェクトリーダー)も代表小川と別で登壇しています!

2021年06月  「令和3年度チーム伴走型知財経営モデル支援事業」採択←知財戦略にも力をいれています!

2021年06月 令和3年度「令和3年度地域新成長産業創出促進事業補助金(地域産業デジタル化支援事業)」採択←今回紹介する事業です!!✨

ホテルプロジェクトの準備

 鹿児島市ホテルプロジェクト(正式名称:クラウド健進Ⓡや生体モニタリングを活用した宿泊施設を拠点とする遠隔健康チェック・受診勧奨サービス提供モデル実証事業)は2021年6月に採択が決まり、吉永プロジェクトリーダーの元、始動しました。
 経済産業省九州経済産業局(以下:九経局)、九州ヘルスケア産業推進協議会(以下:HAMIQ)、鹿児島市と打ち合わせを重ね、鹿児島市の宿泊施設に向けて事業の説明会を実施しました。そして、ホテル・レクストン鹿児島、HOTEL&RESIDENCE南洲館の2施設に協力いただけることになりました。
 今回のプロジェクトには利用者の方が指先採血の結果をチェックするアプリの開発も含まれていたので、社内外のエンジニアと連携してアプリ開発も同時進行でした。
 他にも、同意書やアンケート、ホテルに貼るポスター、体重計や血圧計など細々した物品準備も進めていきました。

※プランの予約は終了しています。

ドキドキの記者会見

 準備を着々と進めてきた中、なんと10月15日に鹿児島市役所で記者会見を行うことに。
 この記者会見をきっかけに南日本新聞社さんと、宮崎県都城市を中心にケーブルテレビサービスを行っているBTVさんが実証初回の10月20日に取材に来ることになりました。

いよいよ実証当日‼️‼️

①10/20・ホテル・レクストン鹿児島

 6月から準備を重ねてきましたが、いよいよ実証初回!新聞・テレビの取材もあったりで緊張しましたが、利用者の方からの生の声も聞けてよかったです。

 BTVの放送はYouTubeからも視聴できます。

②10/27・HOTEL&RESIDENCE南洲館

 2回目は場所や遠隔聴診担当のドクターが変わって、利用者の動線も考えつつ臨機応変に動きました。


③11/17・ホテル・レクストン鹿児島

 3回目からは前回までの反省を活かしながらの実証です。この時は、コミューン(写真中央の白い機器)を使って、利用者と遠隔聴診先の医師との会話をより聴こえやすく、コミュニケーションをとりやすくなるよう工夫をしました。

④11/24・HOTEL&RESIDENCE南洲館

 ラスト。実証4回目。会場では指先採血の前に動画を見てもらいました。 指先採血、遠隔聴診はほとんどの方が初めてなので、少しでも分かりやすく体験してもらえるように丁寧に説明するようにしました。

4回の実証を終えて

 さて、4回の実証を終えていかがでしたでしょうか?準備から実証当日も一緒に走ってくださったHAMIQの本木氏、プロジェクトリーダーの吉永からコメントをいただきました。

HAMIQ本木氏コメント

≪今回の事業の総括≫

「令和3年度地域新成長産業創出促進事業補助金(地域産業デジタル化支援事業)」が6月下旬に正式採択され、AMI(株)吉永プロジェクトリーダーの元、始動しました。

 今回の実証で何よりも大変だったのは、まさに実証フィールド先を決めることでした。

 宿泊施設にとって初の試みである今回のプロジェクトは、宿泊施設側からすれば「ホテル利用者様にご不便とご迷惑をおかけするのではないか。」「日常業務に支障をきたすのではないのか。」さまざまに懸念される事柄にすんなりとご了承いただけることはありませんでした。ただ、「国内の宿泊施設が新型コロナウイルス感染症拡大により需要減少、顧客の減少という大きな問題に直面している。そのようななか、新たな需要の掘り起こしが宿泊施設の経営状況の改善に重要であり、そこにAMI社が開発する「クラウド健進®」や生体モニタリングシステムを活用することが、健康意識の高い新規かつリピートが期待される顧客を発掘し、地方に新たなメディカルツーリズム(=医療観光)を創出していくことにつながるはずだ。そのことが、健康チェックの付加価値を付与し、新規顧客の獲得につながるはずだ。」と、粘り強く交渉を続けました。そういった粘り強い交渉を経て、今回ホテル・レクストン鹿児島様、HOTEL&RESIDENCE南洲館様にご協力をいただくことができました。ご協力いただいた両ホテルに感謝申し上げます。ありがとうございました。

 さて、今回の実証では4日間計30名の利用者を想定しスタートをしました。利用者のほとんどが指先採血、遠隔聴診ともに初体験の方が多かったのですが、結果的に想定を上回る42名の方々にご利用いただきました。さらには、利用者の約7割の方々に「今後も利用したい。」との評価をいただいたことはとても嬉しいことでした。指先採血に関しては、今回の実証では、AMI社のスタッフが傍で説明を行いながら実施しました。ただ、目指すところは、自分一人で行わなければならず、そこは苦慮することが予想されます。一方で遠隔聴診はとても反響が良かったです。心音が可視化でき、脈拍数とSpO2(経皮的動脈血酸素飽和度)が確認できる遠隔聴診対応ビデオチャットシステムを活用しての遠隔聴診は、利用者の充足感を生み出しました。利用者の方からは「はじめは遠隔聴診がどんなものかわからずどこか興味本位でしたが、先生に個別にお話を聞いていただきアドバイスをもらえてすごくうれしかったです。」や「コロナ禍で以前より健康を意識するようになった。気軽にできて、検診よりもハードルが下がって利用しやすい。」などといったお言葉を聴けたことが今回の実証の何よりの成果だと思います。

≪今後AMI(遠隔聴診やクラウド健進®︎、システム、遠隔医療全般など)に期待すること≫

『急激な医療革新を目指して研究開発を続け、技術を極限まで高めることで、革新的な医療を世界中に届けること。そして、より正確に、より多くの人に、誰もがどこにいても、質の高い医療を受けられる世界を実現すること』これは、AMI社のミッションです。

 まさにこのミッションの通り、デジタルとヘルスケアの領域を掛け合わせ、これからのヘルスケア分野の可能性を切り拓く大きな一歩を踏み出すことができた今回の実証だったように思います。しかし、まだまだ課題は山積だと考えます。どのようにマネタイズを生み出していくのか、マネタイズを生み出すために、どのようなビジネスモデルを確立していくのか。利用者の皆様、宿泊施設の皆様にどのような付加価値を提供できるのか。こういった課題を一つひとつ解決していくには、今しばらく時間はかかることと思います。ただ、今回の実証でAMI社の「『クラウド健進® 』や生体モニタリングを活用した宿泊施設を拠点とする遠隔健康チェック・受診勧奨サービス提供モデル事業」の可能性は大きく広がったものと思います。

 このようなAMI社が、超高齢化社会を迎えている日本で、QOL(quality of life:生活の質)を高めながら健康寿命を伸ばすことが求められ「治療」のみならず「予防」の重要性が今後さらに高まっていくなかで、「誰もがどこにいても、質の高い医療を受けられる世界を実現」する牽引役になっていくことを期待せずにはいられません。

 私どもHAMIQとしましても、AMI社をこれからもしっかりと伴走支援ができるよう全力で努めていかなければならないと強く感じた、今回の実証でもありました。

AMI指先採血キットを確認している本木氏

プロジェクトリーダー吉永コメント

 今回は多くの関係者のおかげで大変有意義な実証事業となりました。おさらいとして、本事業の発案のきっかけは、新型コロナウイルス感染症拡大により、国内の宿泊施設のインバウンド・宴会・ビジネス等の需要減少という問題に直面して国内の宿泊施設の新たな付加価値の創出として、当社が開発する「クラウド健進®」や生体モニタリングシステムを活用できないか、というところからスタートしました。健康意識の高い新規かつリピートが期待される顧客を発掘し、地方に新たな健康チェック付きの宿泊プランを創出できるのでは、例えば「クラウド健進®」をデイユースプランに組み込んでテレワーク滞在をしながら健康チェックを受けられることにより、これまでにない顧客体験を提供できると考案しました。ちなみに「クラウド健進®」とは、遠隔聴診対応ビデオチャットシステムと指先採血を活用することで、 自身の健康チェックや医師からのオンライン受診勧奨を受けることができ、これらは既に熊本県水俣市において3年間実証事業を行った実績があります。期待する効果としては宿泊施設側の付加価値の向上です。宿泊施設の付加価値向上の施策としてはアメニティの向上(たとえば改装工事など)やサービスの質の向上という選択肢があると思いますが、本事業で提案するデジタル技術を活用した付加価値向上は、大きな設備投資無しですぐに導入可能であるという点がメリットに挙げられます。自身の健康状態について宿泊施設を利用する「ついでに」「簡単に」「迅速に」把握できる環境を容易に構築できるため、ホテルとのシナジー効果は大きく、さらに、医師とはリモートで繋がる(現場では宿泊施設スタッフらが対応)ため、医師の拘束時間が削減されることから、当該事業が成立します。本事業では実際にホテルパックプランにも組んでもらい、ホテルパックから予約し実証に参加してもらうという経験を得ました。実証の現場では小川(医師)、小城(看護師)、横山(管理栄養士)、堂満(事務的なサポートや参加者のフォロー全般)とで役割分担して、いかに参加者を待たせないか、気持ちよくサービスを受けてもらうためにみんなで意見を出しながら取り組みました。ホテル側のご協力もあり、スムーズに案内、サービスの提供ができたと思います!鹿児島市の方々にもご協力いただき実証を通じて多くの方にクラウド健進®を体験してもらいました。参加者にアンケートにご協力してもらい”ホテルに滞在しながらの健康チェックプランは健康管理に役立ちそう”という意見をもらいました。それと同時に本サービスの課題も挙げてもらいました。これらの貴重な意見をサービスの改善につなげていきたいと思います。また、今回の実証事業の中では、就寝時の生体モニタリングにもチャレンジしました。本木次長、夜遅くまでお付き合いいただきありがとうございます。まだまだ課題はありますが、クラウド健進®付宿泊プランの事業化を目指して引き続きブラッシュアップしていきたいと思います!

 お二人ともありがとうございます。実証現場では、本木次長を始めHAMIQのスタッフも参加者のフォローに回ってくださったり、吉永も遠隔聴診コーナーで参加者が少しでもわかりやすくなるように試行錯誤して工夫していきました。おかげで参加者の満足度もあがったと思います。

HOTEL&RESIDENCE南洲館では引き続きピロリ菌検査プランを継続中

 HOTEL&RESIDENCE南洲館では、引き続き2月末まで『薬膳鍋 朝食付旅行先で気軽にピロリ菌検査!を予約受付中です。4回の実証で使用した指先採血キットでチェックできる内容は、生活習慣病セルフチェック14項目(中性脂肪/総コレステロール/HDLコレステロール/LDLコレステロール/血糖/HbA1c/尿素窒素/クレアチニン/尿酸/総タンパク/アルブミン/AST/ALT/γ-GTP)でしたが、今回は同じく指先採血のみでピロリ菌の検査ができるキットを使用します。今回までは実証なので、指先採血キットの代金はいただきません。宿泊プランの料金のみをHOTEL&RESIDENCE南洲館にお支払いください。先着6名なのでご予約はお早めに!ピロリ菌検査プランのご予約はHOTEL&RESIDENCE南洲館に直接お問い合わせください。

 また、クラウド健進®︎(遠隔聴診・指先採血など)にご興味のある方またはやってみたい!という医療機関・自治体・企業の方は、是非当社までお問い合わせください。

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