- バックエンドエンジニア
- PdM
- Webアプリ/シニアエンジニア
- Other occupations (16)
- Development
- Business
「ニュートラルな立場で行政の進化に伴走する」代表が語るプロダクト指針について
こんにちは!株式会社WiseVineの採用担当です。
本日は、代表の吉本さんにインタビューをしてまいりました。
・Vision「行政の進化と伴走する」に込められた想い
・プロダクトの特徴
・プロダクトに懸ける想い
についてお話しして参りますので、「人々の幸せに直結するプロダクトに携わりたい方」や「日本の未来に貢献したい方」はぜひ最後までご覧ください。
代表取締役社長/吉本翔生
慶應義塾大学SFCを卒業後、2011年に野村総合研究所コンサルティング事業本部に入社。エネルギー・気候変動政策を専門とし、国内外の行政(国際機関、中央官庁、地方公共団体)への政策立案に係るコンサルティングに従事。本業の傍ら、慶応義塾大学で途上国の自治体職員向けに気候変動政策に係る講義を担当。2018年3月にWiseVineを設立。
ーVision「行政の進化と伴走する」に込められた想いを教えてください。
大きく3つの想いが込められています。
・進化の道筋を指し示すのではなく、進化を加速する伴走者となる
・自生的秩序を理解し、行政の進化が加速する補助器具となる
・行政の痛みを理解する伴走者となる
ー“進化の道筋を指し示すのではなく、進化を加速する伴走者となる”について詳しく教えてください。
政治は国民を代表して目指すべき方向を決めますが、行政はこれらの決定を具体的に実現する役割を担います。つまり、行政は進化の方向を示すべきではなく、ニュートラルな立場で政治がその目標を達成できるように動かなければならないんです。
WiseVineも、行政の役割を理解し、進化を指し示すのではなく、進化と伴走することが大切な心構えになります。「政治的な動きはしないけれど、あらゆる情報をまとめて、進化を加速させる」という意味では、Googleのミッションに似ているかもしれませんね。
ー“自生的秩序を理解し、行政の進化が加速する補助器具となる”について詳しく教えてください。
「自生的秩序」とは、20世紀最大の経済哲学者であるハイエクの思想です。
具体的には、社会や経済の進化は、権力者によって計画的に行われるのではなく、個々の企業や組織、人々の自由な活動や競争から、誰が定めたでもなく自生的に秩序が生まれて来て、それが型化されて法律や不文律のルールになる仕組みが望ましいというものです。このようにできた秩序やルールは自然に、そして分散的に形成され、そこには無駄が少ないとハイエクは言うわけです。
一方で、エコシステムの一員でしかない権力者は、必ずしも全容が把握できる訳ではありませんし、文化や経済の真理、全容を理解できるわけでもありません。その前提で定めたルールには、無駄が生じたり、失敗することがあります。それでも試行錯誤で結局は進化していくのですが、ハイエク的にはそういう進化は「大回り」だよね、ということです。非常に賞賛され、ノーベル経済学賞も取得したハイエクですが、じゃあそれって結局無政府状態のカオスになればよいわけ?ということで長らく実現手法が分からなかったのです。
最近のハイエク研究でやっと、このハイエクの進化理論を支えるのは「徹底的な情報の可視化と情報の流通を促すこと」だということが分かってきました。また行政を否定しているかの様な言説は、むしろ自生的秩序が生まれるには土台が必要ということで行政の役割を積極的に推奨している事が分かってきたのです。情報の可視化と流通といえばインターネットそのものですが、インターネットが生まれる30年前にハイエクはこれを提唱していたのです。当時はハイエクが何を言っているのかちゃんとは理解されなかったはずです。WiseVineも同じです。私は予算編成とは行政の根源的な行いだと思っています。資源分配というのはともすると権力者的行いではあります。だからこそ、そこの判断の前提では誰もが納得する情報の可視化と流通が確保されることが大事だと思っています。それが様々な角度からの妥当な判断を後押しするはずだと思っています。
また加えて大事なのが、システムそのものに「イデオロギーを入れてはならない」ということです。様々な主張が、バイアスなく適切に競争しあい、自生的に秩序や方向性が作られる必要があります。そのような自生的秩序ができることを支援するシステムであるということは、裏を返すと、ある意味、世の中を牛耳ることができてしまうようなシステムだということです。だから当社で最も大事にしている価値観は、「わきまえる」という事です。
これが当社の価値だと思っています。
ー“行政の痛みを理解する伴走者となる”について詳しく教えてください。」
行政の動きは、多くの制約に縛られているため、外から見ると非合理的に見えるかもしれません。しかし、実際には非常に複雑な機構の中で、これらの制約に縛られながらもイノベーションを起こそうと努力しています。WiseVineは、この痛みを理解し、行政を支える役割を担います。
民間企業の一見合理的なやり方を持って、表面的に正しいことを主張するだけでは意味がないんです。言うだけなら誰でもできます。でもなぜ実現しないのでしょうか?そこに意識的であるべきです。
そこには複雑な立場の異なるステークホルダーが絡み合っており、その糸をほぐす必要があります。また山の頂はわかり易く見えているのですが、急に谷があったり、道が途絶えていたりするわけで、加えて日が暮れて来て時間がないときます。もはや正しいアイデアなど小さな話で、実現の段取りこそがイノベーションなのではないか?と思う事が沢山あるわけです。この段取りはある意味アジャイルで試行錯誤しながら進めるしかありません。つまり伴走しながらしか成し得ません。
だから大切なのは、正しいことを主張するだけではなく、一緒に伴走する姿勢。自分もインサイダーとして「背負うこと」だと思います。
ーメインプロダクト『WiseVine Build & Scrap』の特徴を教えてください。
WiseVine Build & Scrapの主な特長は、計画、要求、執行、評価といった業務フローを一連のプロセスとして完結させることができる点と言えます。タスクごとの管理に留まらず、“事業”という一筋の線で捉え、過去から未来に渡って全体像を見ることができるんです。全体像を理解した上で、「どのように進行すべきか」事業の優先順位を決定するための時間を捻出することに、全ての機能が帰着するように設計されています。
ーなぜ、一般的に言われる“Scrap & Build”ではなく、“Build & Scrap”なのですか?
"Build & Scrap"という名称は、各現場の課への敬意を表しています。
財政課は、ドメイン知識では現場に敵いませんし、厳しい財源の中で、市民に相対しているのは現場です。現場にとって、枠配分を徹底する厳しいシステムですが、最後は「自治体を支えている現場をリスペクトしたい」「現場の“Build”を支援するシステムであるべき」という想いが込められています。現場が市民と相対して導き出した「地域のためにこれをやりたい」という、“Build(構築)”をまずは優先する。でもお金の上限は決まっているので、「ここを“Scrap(削減)” しよう」というように、“Build”の次に、“Scrap”が来て、自ずと枠配分の中で予算が収まる仕組みであるべきだと考えています。
ー最後に求職者の皆さんにメッセージをお願いいたします。
少子高齢化が進む中、日本の税収は減っていくことが予想されます。その中で、WiseVine Build & Scrapは、限られた予算を最適配分していくことを諦めない「しんがりになるツール」です。
そこにプライドを持っていただけるような人には、是非参画していただきたいですね。
開発者目線でお話しすると、現時点でもBuild & Scrapを活用して90兆円の行政評価レビューシステムをやっていますし、金銭的な面でも、人々の幸せに直結するという面でも、こんなにインパクトを与えることができる仕事は他にないと思います。
また僕らは、日本だけにとどまるつもりはありません。
ぜひ、皆さんの能力を、WiseVine Build & Scrapを通して、日本、世界の次世代のために使っていただけたら嬉しいです。