野菜を売るだけではない。31歳の営業責任者がクロスエイジで挑戦する理由
はじめまして。株式会社クロスエイジで取締役として、流通営業部門を管掌している深谷です。
現在は、営業戦略や数値管理、社員の育成・評価、重要な取引先や産地との商談に加え、採用、組織づくり、新規事業、拠点づくりまで幅広く担当しています。
私は新卒でクロスエイジへ入社し、28歳で取締役になりました。
ただ、入社前から農業に詳しかったわけではありません。農業や青果流通については、ほとんど知らない状態からのスタートでした。
秋田で暮らすために、仕事をつくる側へ回りたい
私の地元は秋田県大仙市です。国内でも有数の米どころで自然豊かな環境で育ちました。小さなころから野球が好きで高校まで完全な野球少年でした。高校野球で完全燃焼したため特別な意図もなく何となく大学へ進学しました。
楽しい大学生活を過ごしていたのですが3年生になったあたりから就職活動を始めました。昔から地元に戻ろうと思っていたのですがあまりにも秋田県の求人が少なく興味のある企業が見つかりませんでした。とてもショックでした。
私は秋田が好きです。将来も、自分の好きな秋田で暮らしていきたいと思っていました。
しかし、地元に戻りたくても、希望する仕事がなければ戻れません。それならば、用意された仕事を探すだけではなく、自分自身が「仕事をつくる側」に回る必要があるのではないかと考えるようになりました。
また、福島大学では東日本大震災発災から数年という時期だったこともあり原発をめぐる授業が多くありました。その経験から、仕事を作るにしても外部から大きな産業を持ち込むだけではなく、その地域にすでにある産業を伸ばすことで、雇用を生み出せないだろうかと考えました。
そこで行き着いたのが、農業です。
当時の考えは、今振り返るととても単純でした。
「野菜を今より高く売ることができれば、農家も儲かるのではないか」
そのくらいの知識から農業に関心を持ち、農業を成長産業にするというクロスエイジの方向性に惹かれて入社しました。
農業が儲かる産業になれば、地域に仕事が生まれる。それは、私が実現したい未来とも重なっていました。
「高く売れば農家は儲かる」ほど単純ではなかった
入社後、農業や青果流通について学ぶなかで、農業は想像していた以上に複雑な事業だと知りました。
農産物の収量や品質は天候に左右されます。販売価格は相場の影響を受け、小売店の店頭価格も非常にシビアです。そのため、流通に関わる各社が確保できる利益にも限界があります。
良いものを作れば、必ず高く売れるわけではありません。高く売れれば、それだけで農家の経営が安定するわけでもありません。
究極的には、農業も経営者次第だと私は考えています。
農業も一つのビジネスです。人・モノ・金・情報をどこに、どのように配置するのか。何を作り、誰に、どのような状態で届けるのか。これらを経営として考えなければ、継続的に利益を生み出すことはできません。
営業の立場で重要なのは、それぞれの品目について、販売先から求められる商品スペックを掘り下げ、その品質、規格、数量、価格を産地と一緒に担保していくことです。
クロスエイジの営業は、完成した野菜を仕入れて販売するだけの仕事ではありません。
商品づくりの段階から産地へ入り、売場と消費者が求めているものを生産者へ伝え、実際に売れる仕組みをつくる仕事です。
東北で、カットネギの市場をつくる
私にとって大きな転機となったのが、2021年頃から始めた東北でのカットネギの営業です。
西日本ではすでにカットネギが広く認知されていましたが、当時の東北では、売場に商品は置かれていても、まだ積極的に市場がつくられている状況ではありませんでした。
一方で、共働き世帯の増加などを背景に、カット野菜全体の需要は高まっていました。そのなかで、カットネギという商品だけが取り残されているように見えました。
「ここには、まだ大きな伸びしろがある」
そう考え、まずは営業先のリストを自分で作るところから始めました。電話でアポイントを取り、商談へ行き、売場と消費者のニーズを調査しました。
九州では30グラムの商品が主流でも、東北では40グラムが求められることがあります。地域によって、適切な容量、価格、消費期限、商品の強みの伝え方まで異なります。
単に九州で売れている商品を、そのまま東北へ持っていけばよいわけではありません。
取引先の声を聞きながら、規格・容量・価格を見直し、産地と供給体制をつくり、小売店への営業を積み重ねました。
品質と価格の両面で勝てる商品をつくれたことが、事業を伸ばせた一番の理由だと思っています。
その結果、約5年間で、カットネギ事業は4億円を超える規模に成長しました。現在では東北全域で商品が取り扱われており、東北のカットネギというカテゴリーでは、ナンバーワンといえるところまで成長できたのではないかと考えています。
もちろん、最初から順調だったわけではありません。
カットネギの可能性を感じてくださるバイヤーもいれば、そうではない方もいます。売場が変わるかどうかは、担当するバイヤーの考えにも大きく左右されます。
さらに、産地は大きな覚悟を持ってカット工場を建設していました。
販売を担う私たちが結果を出せなければ、生産者による大きな投資を無駄にしてしまうかもしれません。そのプレッシャーは常に感じていました。
売って終わりではなく、問題が起きた現場まで向き合う
事業が大きくなれば、問題が起きることもあります。
特に印象に残っているのが、商品の印字トラブルです。
問題が発生した際には、作業工程を一つずつ洗い出し、実際に現場へ足を運びました。現場の方々と相談しながら原因を確認し、対策を考え、その後も地道な対応を続けました。
青果営業は、契約を取って商品を納品すれば終わる仕事ではありません。
産地、加工、物流、小売店、そして売場に商品が並ぶまでの全工程に関わります。天候や相場の影響で計画どおりに進まないこともあれば、品質や表示の問題が起きることもあります。
そのようなときに、誰かの責任にするのではなく、自分たちが現場へ入り、解決するところまで向き合う。それもクロスエイジの営業に求められる役割です。
担当する範囲は広く、若いうちから背負う責任も決して軽くありません。
一方で、自分が考えて行動した結果が売場を変え、産地の事業を何億円という規模へ成長させる可能性があります。ここまで事業の上流から下流まで関われることが、この仕事の大きな面白さだと思います。
31歳の今、1年後、3年後、5年後から逆算する
プレイヤーから責任者になる過程で、私自身の考え方も変わりました。
最も大きく変わったのは、物事を見る時間軸です。
以前は、目の前の商談や今月の売上に意識が向きがちでした。しかし、現在は今日、明日のことだけではなく、最短でも1年先、さらに3年後、5年後の会社や産地の姿まで想像し、そこから今やるべきことを逆算する必要があります。
営業戦略や数字を見ることはもちろん、社員をどのように育てるのか、どの地域に拠点をつくるのか、どの産地と関係を築くのか。将来の事業を支える人材を、どのように採用するのか。
現在は、こうした会社全体の未来に関わる仕事をしています。
クロスエイジは、2035年までに流通事業を50億円規模へ成長させ、国内4拠点の体制をつくることを目指しています。
これは、単に会社を大きくするためだけの目標ではありません。
全国の産地と売場をつなぎ、農業を成長産業へ変えていく。地域に新しい事業と仕事を生み出し、若手が将来の経営人材へ育っていく。そのために必要な規模だと考えています。
秋田から東北へ、そして全国へ
秋田に仕事をつくりたいという、入社当時からの私個人の思いは今も変わっていません。
一方で、入社して経験を積み、立場や能力が変わるなかで、少しずつ自分が役に立てる範囲も広がってきたと感じています。
最初は秋田だけを見ていましたが、今は秋田から東北へ、さらに全国へと視野が広がりました。
秋田に限らず、日本各地には魅力的な農産物や、それを作る優れた生産者がいます。しかし、良いものを作っているだけでは、事業として成長できないことがあります。
商品をつくり、売場へ届け、継続的に利益を生む仕組みを整えることができれば、農業は地域を支える産業になります。
私が仕事を通じて役に立てるのであれば、秋田から東北へ、そして全国へと、その範囲を広げていきたいと思っています。
仕事を通じて、どんな未来をつくりたいか
仕事は、もちろんお金を稼ぐためにするものです。
一方で私は、仕事とは「自分が世の中にどのような影響を与えたいのか」「どのような未来をつくりたいのか」を表現するものでもあると思っています。
簡単にいえば「やりがい」なのかもしれません。
しかし、人生の多くの時間を仕事に使うのであれば、収入や条件だけでなく、自分の仕事が誰の役に立ち、どのような変化につながっているのかも大切にしてほしいと思います。
クロスエイジには、まだ完成していない仕組みがたくさんあります。
担当範囲が広く、自ら考えなければ仕事は前に進みません。天候や相場に左右され、努力しても計画どおりにならないことがあります。若いうちから、大きな責任を任されることもあります。
決して、簡単な仕事ではありません。
だからこそ、分からないことを素直に学べる人、生産者やお客様に誠実に向き合える人、そして仕事を通じて世の中に良い影響を与えたい人と、一緒に働きたいと思っています。
農業について、最初から詳しい必要はありません。私自身も、ほとんど何も知らない状態から入社しました。
大切なのは、目の前の仕事を単なる作業として捉えず、その先にいる生産者、売場、消費者、そして地域の未来まで想像することです。
日本の農業界が少しでも良くなるように。
完成していない会社で、私たちと一緒に考え、一緒に事業をつくり、大きな仕事に挑戦してみませんか。