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福祉介護および医療業界の現場が円滑に回るためには、現場で活躍する専門職はもちろんのこと、後方で支えるバックオフィスの存在も大きいですよね。
今回は、採用や広報に9年間携わってきた瀬戸根さんをご紹介します。瀬戸根さんのストーリーを知れば、未経験から新卒入社し医療・福祉業界をバックオフィスで支える働き方がイメージできるはずです。
「福祉業界に興味があるけれど現場業務は自信がない」「未経験でもいろんな職種に挑戦したい」とお考えの方は、ぜひご一読ください。
【瀬戸根将成 / 広報部マネジャー】
大阪芸術大学卒、2015年新卒入社の9年目、採用部門を7年経験後、2021年より広報部に。現在は、広報部マネジャー。
「フェロー第一経営」経営理念に感銘!裏方で支えようと入社を決意
何か人の役に立つ仕事をしたいと思いつつ、就職活動は人よりも遅かった瀬戸根さん。豊泉家との出会いは、アルバイト先でした。
ーー豊泉家に入社したきっかけを教えてください
入社が決まったのは遅めで11月くらいです。実は、積極的に就職活動をしていなかったんです。何か人の役に立つ仕事をしようと漠然と考えていたくらいで。芸術系の大学ではありましたが、その道では就職を考えておらず、人の役に立つ=「自衛隊とかも興味あるな」くらいの意識でした。
地元付近の小料理屋でアルバイトをしていたのですが、そこのお客さんに豊泉家の現幹部の方がいらっしゃったんです。大将と仲が良く「仕事について教えてやってくれへんか」と紹介してくれたんです。話を聞いているうちに福祉へのイメージが「しんどい仕事」から「人と密着して人を支える仕事」「感謝してもらえる仕事」「やりがいがある仕事」へと変化しました。
亡くなった祖父が認知症だったこともあり、自分に知識があれば、もっとできたことがあったかも…とも感じたんですよね。この出会いをキッカケに福祉業界に興味を持ち「説明会に参加させてください!」とお願いしていました。
ーー介護スタッフとして現場で働く予定でしたか?
はい。ケアワーカー志望でした。しかし説明会で豊泉家の「フェロー第一経営」という経営理念を知り驚きました。ご利用者の幸せのためには、まずフェロー(スタッフ)を大切にするなんて初めて聞いたので。
感銘を受け、現場で働きたいと思ったものの、経験がない自分は何ができるだろう?…と。考えた結果、裏方でフェローの働く環境を整え、フェロー第一経営に携わってみたいと思い、”ヒト”の事を学べる採用部門へ応募しました。
ーー「フェロー第一経営」とはどのようなものですか?
フェローとは、豊泉家で働くスタッフを指します。ご利用者を幸せにするためには、フェロー自身が幸せを感じている必要があります。
豊泉家グループはフェローを第一に想い、フェローは個客を第一に想い、それぞれの想いを輪のようにつなげていくことが、豊泉家の考えるフェロー第一経営です。
そのため豊泉家ではフェローの幸せのために、働きやすい環境を創ることに妥協しません。豊泉家には「事業は人なり、しかも人の和なり。」といった強い信念があるのですが、フェローの幸せの実現のために、フェローの活性化・育成・支援を行っています。
ーーなるほど!経営理念に感銘を受けて、経験の無かった福祉業界に飛び込んだわけですね。不安などはありませんでしたか?
不安はありませんでした。入社後は、先輩が丁寧に教えてくれたので。怒られながらでしたけどね(笑)。強い思いを持った先輩だったので、ついていけば間違いない!と。最初に豊泉家を紹介してくれた現幹部の方も、いつも自分のことを気にかけてくれるありがたい先輩のうちの一人です。OJTで、仕事をしながらしっかり教えてもらえるし、サポート体制がしっかりしているので、未経験の人でも大丈夫ですよ!
現場で介護を経験!おかげで採用したい人物像が明確に
業界未経験でも、OJTがしっかりしているから安心とのこと。具体的な仕事内容について詳しくお聞きします。
ーー業務内容について教えてください
採用に関するあらゆることに対応していました。新卒の採用、イベントブースでの説明、面接の対応、役員面接への段取り、法人説明会、学生とのやり取りなどなど。
ーー現場業務以外にも、より上流の戦略まで関わるのだとか
全体を見渡せるようになると、採用の戦略を立てる立場になります。グループの各現場責任者や上長との擦り合わせはもちろん、複数の職種(看護師・事務・リハビリ)、複数の勤務地に対応するので大変かもしれません。
コツとしては、現場がどのような理由・想いで人財を求めているかを理解することと、人が足りていないところを把握してスケジュールを逆算すること。中途採用や求人媒体の選定から掲載、費用管理まで多岐にわたる業務を計画的にこなしていきます。
ーー多岐に及びますね!未経験からでも大丈夫ですか?
1年目から3年目は先輩と一緒に動けるので、相談しやすく大丈夫です。4年目からは先輩として後輩とペアで動くイメージなので、3年間で業務を身につけ、教えられるようになるとどんどんやりがいが出てきます。
ーー仕事のやりがいについて教えてください
最初は学生も「ふわっとした動機」で説明会に来るんですよね。福祉を知らない、社会を知らない状態から理解へと働きかけるのが採用担当の仕事です。例えば「年2回7日間リフレッシュ休暇」と聞いて、単純に「いいですね!」という反応だったとします。実は福祉業界で長期休暇は難しい、豊泉家だから実現できるという点を理解してもらうため、導入に至った背景や、活用イメージをアピールするんです。
質問に対してフィードバックするなかで、学生側も学んで吸収してくれ、最終的に「豊泉家でがんばりたい!」に変化したときにはすごくやりがいを感じます。
あとは、役員面接で「あの子イイね!」とほめられたときも嬉しいです。さらに、入社後に活躍しているとわかると本当に嬉しい。やりがいをもって頑張れるような職場に紹介できることが入職者からの評価だと思っていますので、活躍していると自分が評価されたような気持ちになります。
ーー採用担当として貢献できたなと感じる瞬間やエピソードがあれば
ご利用者から、新卒で採用したフェロー(スタッフ)が活躍している、感謝しているなどと聞いたときは、採用の努力が実ったと実感します。「あの人のおかげで助かってるよ」なんて、本人も嬉しいかもしれませんが、採用を担当した私にとってもうれしい言葉です。
ーー気を付けている点を教えてください
その方の人生を良いものにするために何を届けたらいいかを常に考えています。福祉の世界は人材不足と言われていますが、誰でもいいわけではありません。ふわっとした動機の求職者に対し「何を求めているの?」と価値観を聞いてあげる。その人が求めていることを深掘りして、活躍できる場を提案してあげたいですね。
ーー採用したいと思うタイプは?注意して見ている点など
前向きな人がいいと考えています。その理由は、私の現場経験が大きく影響しています。
ーー介護の現場スタッフの経験もされたとのこと
現場経験がないと魅力を伝えられないため、ずっと「現場に行かせてほしい」とお願いしていました。その結果、約半年間、介護の現場へ行かせてもらえました。
現場を経験すると、さまざまな気づきがありました。今まで伝えていたことは「わかりやすいパッケージ」でしかなかった。現場から「聞いた話」であり、横から「ちらっと見た話」でしかなかったなと気づきました。
ご利用者との関係や対応の難しさも実感しました。とくに認知症の方とのかかわりの難しさ。ご本人がどのような考えをお持ちなのか、どのような声掛けをしたらこちらの意図が伝わり、快く介助を受け入れてくれるのか試行錯誤でしたね。多くの先輩フェローに助けていただきました。
ーー現場を経験することでご自身の採用基準に変化が出たということでしょうか?
現場の仕事は、タイムスケジュールがあるうえタスクが多いので、優先順位の決定と取捨選択が必要なんです。優しいだけでは仕事をこなせません。また、多少手が遅くても、自分の考えを持って、真面目に、前向きに取り組める人がいいですね。人と関わる仕事であるため、適当だったりネガティブだと相手に伝わってしまいますから。
さらに豊泉家のモラル手帳にも記載されていますが「損得ではなく善悪で判断する」「利己よりも利他の心」が本当に大切。相手のことを考えて動ける人じゃないと現場では難しいかも。選考基準としての、自分の中のボーダーラインが明確に上がったと思います。
広報へ異動そしてマネジャーとして経営も意識
2021年に豊泉家グループ全体の広報部門が立ち上がりました(現在の統合営業本部 PR(広報)部)。今までの瀬戸根さんの働きを見ていた上司に声をかけられ、全力で取り組んだそう。その結果、2023年4月からマネジャー職に。
ーー今まで広報部門はなかったのでしょうか?
コロナ病棟を立ち上げる2021年2月に準備室を創ろうとなりました。それが広報的な部署で、現在の上司である広報室長が抜擢され、私にも声がかかったのが最初です。
ーー誰もが未経験だったそうですね
それはもう…がむしゃらに一から積み上げていっただけです。誰も経験したことのない業務ですから「どういうことをすればいいのか」から考えなければいけない。現場に常駐して中から発信なんてこともしました。芦屋コミュニティが立ち上がる時には、1年前から広報を行い、個客(ご入居者・ご利用者)や人財採用の為の広報に関わりました。
ーー広報の仕事内容について教えてください
内部・外部の両方に向けて情報発信をしていきます。内部向けには、社内報(A1サイズの社内報を毎月1本)・ポータルサイトの更新など。外部向けには、新聞広告・チラシ・ホームページ・SNS発信などです。社内報は、取り組みやビジョンを内外に伝える重要なツールですし、ホームページやメディア露出などでの広域周知もブランディングにも必須です。取材・撮影・制作・メディア対応などすべてのディレクションにも関わっています。
統合営業本部の一部署ですから、集客・営業・マーケティング活動も担っています。ご入居者やフェロー獲得にも影響大なので、中長期的なブランディングも意識していますよ。
社内報「HCC TIMES」
ーー実際に広報を経験してみていかがでしたか
豊泉家で働いているのに、リフレッシュ休暇や引越しサポート費用の制度などを知らない人もいたんです。インナーブランディングの重要性にも気づかされました。
また、これまでオンラインには力を入れていなかったので、サイトの内容やテイストがバラバラ。スマホ対応できている部分とできていない部分が混在していました。もうすでにオンラインが常識の時代ですから、ブランディングを意識して古いホームページの改良にも取りかかっています。
ーー採用と違ったやりがいなどありましたか?
採用の時は取引相手が現場のみだったのに対し、地域社会にも影響範囲が広がったことが大きく違うかもしれません。地域の人から「豊泉家さん、いろんなところで見ますね」と声をかけられることが増えました。また、現場に対して「こんなサービスを提供したらもっと良くなるのでは?」とフィードバックした結果、改善や取り組みの大きな流れを作れたことも。その時は、新しいやりがいを見つけて本当にうれしかったですね。
常に経営者的な目線でグループ全体の発展に貢献できる広報を目指す
豊泉家グループが大切にしている「利他主義」を地で行く瀬戸根さんは、常に前向きな印象です。これから描くグループの未来や瀬戸根さん自身の夢についてお聞きします。
ーー豊泉家が発展していくにはどうしたらいいかを常に考えていらっしゃる印象です
いったん入社したなら、骨をうずめるつもりで全力でやろうと心に決めていました。私ができることは、豊泉家の取り組みや良さを内外に発信し、豊泉家のファンを増やしていくことです。その結果、ご利用者が増えたり、グループの成長の原動力となってくれる方を採用することができればと思っています。将来的には入社のキッカケでもある、経営にも関わっていきたい。
ーー失敗経験などはないのでしょうか?
何でも自分でやりたいタイプなので、いろいろと抱えこんでしまうところがあります。しかし、抱え込んでいると仕事が回らなくなって、結果チームのメンバーにも負担をかけてしまうこともしばしばありました…。それで、自分で何でもかんでもやることはやめました。
相手の立場・状況を考えつつ頼れるようになったと思います。後輩にも助けてと言えるようになりました。これからは、人に任せたり頼ったりしつつ、マネジメントを中心に学んでいきたい。ある程度、裁量権を持たせてもらえているのも豊泉家の懐の深さを感じます。
ーー瀬戸根さんの仕事哲学などはありますか?
常に吸収していきたい・学びたい・成長していきたいと考えています。今は広報部マネジャーで管理職ですが、さらに上を目指して経営にも携わっていきたいです。今のポジションで吸収できることはすべて吸収したい、分からないことがあれば調べる、現場にも聞くなど精力的に行動し、実力をつけていこうと思っています。
ーー豊泉家グループは瀬戸根さんの情熱にこたえてくれる組織だと?
フェロー第一経営だから、フェローが学びたい意欲を後押しする環境が整っています。幅広い研修で学びの機会も多く、やる気さえあればチャンスを与えてくれる感じです。
これはフェローを大切にするトップの経営理念が生きているおかげ。食料品や電気代が値上がりするなか、インフレ対策として通常ボーナスに加え、特別リワードも支給されました。フェローのことを常に考えてくれていると感じます。
また成長スピードの速さも豊泉家ならではです。私が入社した時は社会福祉法人が1つと、その他のグループ法人がいくつかある程度だったのが、今では16法人となり、職員数も500人から1500人まで増えています。私も豊泉家のスピードに遅れないよう成長していきたいですね。
ーーこれから目指すところを教えてください
フェロー全員が笑顔で過ごせる組織にするのが目標です。豊泉家を地域に根付かせ、パナソニックやベネッセなど大手企業のような知名度のあるグループになりたいと思っています。
そのために、対応力があり何でもできる人財になりたい。地域の方、フェローの皆さん、ご利用者とそのご家族、みんなに頼られる存在になれるよう、知識も経験も増やしていきたいです。自分の為だけではなく、自分ができることを増やして、皆さんからも頼られる存在になりたいと思います。