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当社が掲げている“xRテック”という言葉を聞いた時に分野的に縁遠い方には正直、具体的な事業を想像しにくかったり、実際に働くスタッフがどんな仕事をしているのか、というのが伝わりにくいと感じています。なので今回少しでもバルスのことを知ってほしいと思い、バルス社員のインタビューを行ないました!
第一回目はユニバーサルミュージックからメジャーデビューも果たした男性2人組バーチャルユニットMonsterZ MATEのプロデューサーを務め、バルスの創業メンバーでもある木戸文祥のインタビューをお届けします。
昨今話題になる”Vtuber”、つまりバーチャルキャラクターを運営するとは一体どういう仕事なのか?そして、その先にはどんなエンタメの未来を見据えているのか?を少しでも感じていただけたら幸いです。
Vtuberの登場に見出したエンタメの新たな可能性
ーーまず始めに、木戸さんがバルスで担当している具体的な業務を教えてください。
僕はバルスの自社コンテンツの音楽周りのプロデューサーと、ライブプラットフォームSPWNの演出プロデューサーを担当しています。その中でもMonsterZ MATEに関していうとメンバーとかなり近い立場にいます。CMOという肩書きも持っていますが、これは”Marketing”と”Music”の2つの意味があるんです。
ーーこれまで運営プロデューサーが具体的な経緯や業務内容について話すことは少ないと思うんですが、そもそもMonsterZ MATEの企画の発端はどういったものだったんでしょうか?
バルスの立ち上げ以前、レコード会社で『初音ミク』といったVOCALOID(音声合成ソフト)を使ったネットクリエイターの音源をリリースしたり、アニメ音楽(アニソン)の仕事に携わってきたんですが、Vtuberとして『キズナアイ』が2016年末に登場した時に、これまでやってきた仕事の中出来なかったことや物足りなく感じていたものを補完できるんじゃないかと思ったんですよ。
具体的には『初音ミク』のライブだと、お客さんとリアルタイムでのインタラクションが難しかったり、アニメだと基本的にワンクールで終わってしまい流れ作業で次の作品にどんどん移っていってしまうことだったり。そのキャラクターや作品が好きなファンからするともっと長く同じ時間を共有できて、そこから更に新しいものを生み出すことに繋がる土壌を、新しい技術で作れるんじゃないかなと思いました。
クリエイターのジレンマを解消する新しい表現方法
ーーなるほど、木戸さんの経歴的な文脈とも合致したと。その中で音楽に特化した男性キャラの設定を選んだ理由はなぜですか?
当初、Vtuberには女の子のキャラクターが多かったので、「男の子で喋れて歌えるユニット」というのがまず最初にテーマとしてありました。そしてMonsterZ MATEにはさらに重要なテーマが2つあって「週に3本、企画系の動画をアップする」「月に1曲、オリジナル曲をMVとして発表する」というものでした。
コーサカをやっている高坂はしやん、アンジョーのun:cの2人と出会い、共に企画を詰めていく中でこれをやろうと決めた理由があって、バーチャルなので生身のアーティストと同じことをやってもしようがない。メジャーアーティストはリリースがあるプロモーション期間の時しかメディアや表に出てこないけれど、ファンはアーティストが普段からどんなことを考えて、どんな思いで楽曲を発表しているのか、そういった背景を見たいはずだと。それをMonsterZ MATEでは見せていこうと。
アニメみたいに設定をガチガチに決めるのではなく視聴者と同じ時間を生きて、どういうきっかけで歌詞を書いたのかや、夏になったから夏っぽい曲を歌いたくなってリリースするとか。
そして、はしやんもun:cもそれぞれネットを拠点に10年以上活動していて一定数ファンがいる。実際に音源を出したら歌声ですぐファンに特定されるし、それに対して取り繕うのも違和感がある。だから最初から”魂バレ”しても強度が揺るがないスタンスでアバターを被り新しい音楽ユニットをスタートさせる、という方針が決まりました。
ーーバーチャルキャラクターが“魂バレ”を最初からしている、というのは確かに方針としては珍しいですよね。
すでにキャリアがある2人がアバターを被ることで、音楽ひとつとっても新しいことにチャレンジしやすくなったと思うんです。
例えば、クリエイターが持つジレンマでよくあることなのですが、ファンに求められることと、自分達がやりたいことってどこかのタイミングでずれてしまうことがあるのですが、そういったギャップを埋めるために、こういった手段で新しい表現方法を取り入れる。ただ単純にボカロやアニメといったコンテンツを補う技術にとどまらず、クリエイターが活躍できる機会を増やせる、もっと広い意味では人間の働く可能性がアバターを活用して広げられるんじゃないかなと思います。
エンジニアの技術で創り出す臨場感あるエンタメ空間
ーー実際にMonsterZ MATEを運営する中で、音楽制作以外にバーチャルキャラクターを表現するためのエンジニアリング、3DCG、演出部分といった点でも苦労することも多いと思いますが。
演者の動きに癖があったりすると、モデルのターゲッティングの設定を細かくチューニングする必要があったりするんですが、バルスのCGアーティストやエンジニアは実際の動きを元にずれてしまう部分を少しずつチューニングしてクオリティを上げていく、そういう一見地味な仕事を大変ですが面白がってくれていますね。
初期の動画と最新の動画を見比べると結構違いが出ているので、コンテンツの裏側には常に作り手が関わっており、演者とともにスタッフも一緒に成長していくというのを再認識できて興味深いです。
もともとコンテンツへの愛があったり、現場感を持っているスタッフが多いので、いいものを作ろう、っていう気持ちが強いんです。コードで何を書いているかはわからないけど、求めているものは同じだなと感じますよ。
ーーMonsterZ MATEで将来実現したい夢や目標は何ですか?
生身のアーティストではできないことを逆手にとってそれをどんどん形にしていきたいですね。ゆくゆくは日本だけじゃなくて、世界のファンに向けて届けられるようになりたいと思っています。今、僕らのライブプラットフォーム「SPWN」を活用して、ファンの方があっ!と驚くようなことも計画しているので、楽しみにしていてください。
というわけで、第一回目としてMonsterZ MATEのプロデューサーを務めるCMOの木戸のインタビューをお届けしました。xRテックカンパニー、バルスの仕事に興味を持っていただいた方はぜひご連絡お待ちしております!