数字は、管理のための道具だと思われがちです。計画と実績を並べ、差が出たら理由を問う。達成すれば評価され、未達なら説明を求められる。そうした場面で使われることが多いので、無理もないと思います。
私たちは、数字をもう少し違う位置づけで扱っています。数字は、経営者を孤独にしないためにある。今回は、この考え方についてお話しします。
経営者には、相談できる相手が少ない
会社の一番上に立つ人は、判断の重さを分け合う相手を持ちにくい立場にあります。資金の見通し、人の問題、事業をどこまで広げるか。どれも社内に共有しづらく、社外に話すには前提の説明が長くなりすぎます。
結果として、不安を抱えたまま決めることになります。本当は誰かと突き合わせたいのに、突き合わせる材料が言葉しかない。言葉だけでは、聞く側も一般論でしか返せません。そこで会話が止まります。
私たちが顧客の経営に入るとき、最初に手をつけるのはこの部分です。
不安に、輪郭を与える
漠然とした不安は、扱いようがありません。「このままで大丈夫だろうか」は、そのままでは打ち手に変換できないからです。
だから私たちは、まず現状を数字にします。手元の資金があと何ヶ月もつのか。どの事業がどれだけ稼いでいて、どこで目減りしているのか。今の計画が前提としている条件は何で、それが外れたときに何が起きるのか。
数字にすると、不安は課題に変わります。課題になれば、優先順位がつけられます。優先順位がつけば、今週やることが決まります。大きすぎて動けなかったものが、動ける大きさに割れていく。この過程そのものが、経営者の負荷を下げます。
悪い数字が出ることもあります。それでも、見えていない状態よりは軽いと考えています。見えていれば手が打てるからです。
同じ数字を見ている人がいるということ
もうひとつ大事だと思っているのは、数字が共通言語になることです。
同じ表を見て、同じ前提で話せる相手がいる。それだけで、判断は一人で抱えるものではなくなります。私たちが「順調です」という報告で済ませないのも、ここに理由があります。感覚の言葉で交わされた会話は、後から検証できません。数字で合わせておけば、認識のずれがその場で見つかります。
決めるのは経営者です。私たちが決めることはありません。ただ、決める材料を揃え、判断の過程に並んで立つことはできます。私たちが継続して伴走することにこだわるのも、一度きりの提案では、この関係がつくれないからです。
私たち自身も、創業期の当事者です
これは、外から眺めて言っていることではありません。私たちもいま創業期にあり、決めなければならないことが次々に出てきます。
だから、判断の重さも、材料がないまま決めることの心細さも、他人事ではありません。自社の数字も同じ考え方で扱い、迷ったときは感覚ではなく数字に戻る。顧客に伝えていることと、自分たちの運び方を一致させておきたいと思っています。
一緒に働きませんか
仕組みも文化も、まだこれから固めていく段階です。数字の見せ方ひとつ、報告の型ひとつを、自分の手で決めていける時期だと思っています。
経理や財務の経験がなくても構いません。数字を、人を評価するためではなく、人の判断を支えるために使いたい。その感覚を持っている方と働きたいと考えています。
少しでも気になったら、一度話を聞きに来てください。