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営業からあこがれの広報へのキャリアチェンジ。そんなわたしが、再び営業職を選んでアドビに来た理由

大きな決断は、痛みを伴うことがあります。なぜなら、誰にだってできる決断ならば、悩んだり迷ったりはしないものだから。

社会人にとって、その大きな決断がキャリアに関するものであることは珍しくありません。私たちの日々の生活の中で、仕事は大きな割合を占めています。

今アドビで製品のトレーニングサービスのセールスに携わる礒貝は、営業を経験後、強い想いを持って広報へとキャリアチェンジ。しかしながら、再び営業にキャリアチェンジし、アドビへとやってきました。

彼女が願った広報職のキャリアを捨て、営業職を選ぶ理由とは。そして、5社目となる今、アドビを転職先として選択した理由とはなんでしょうか。

(プロフィール)

礒貝 美希:アドビ カスタマーソリューションズ統括本部 アドビデジタルラーニングサービス ラーニングコンサルタント

就職活動の軸は「東京」×「英語」のみだった

礒貝が新卒で入社したのは、大手英会話スクールでした。北海道出身の礒貝の入社動機は至ってシンプル。さまざまな人が行き交う都市で、英語を活かした仕事がしたいから。

礒貝 「幼いときから、英語教師だった母の影響で英語に触れる機会が多く、海外に対する興味がありました。そこで、大学3年生のとき、1年間アメリカに留学したんです。

向こうの大学は夏休みが長いので、その時間を使ってヨーロッパにも足を伸ばしたんですよね。バックパックを背負って、シカゴ、ニューヨーク、フロリダを渡って、ロンドン、パリ、ミラノまで。ロンドンでは、1ヶ月くらい住んでみたり。

北海道からほとんど出たことのない学生が、突然海外の都会で暮らすと、人の多様性に驚くばかりなんです。そうして日本に戻ってきて、いざ就活を始めるときに考えたのが、人の多様性がある街に行きたい。そして、英語を活かしたい。このふたつでした」

英会話スクールには、営業として入社。ハードワークながらも社会人としての基礎体力を付ける時間だったと礒貝は振り返ります。

礒貝 「営業目標を達成していないと帰ることすらままならない。達成のために足りない数字や今自分がやるべきことをすぐに答えられないと上司から厳しく怒られる、そんな環境でした。たまたま配属が目標数字の大きい店舗だったこともあり、常にテレアポを続けるような毎日でした。日中は店舗で生徒さんの対応、閉店してからはテレアポ、その繰り返しでしたね」

東京に来たことを、正直少し後悔した。その想いを、礒貝は「東京って住むところじゃないと思いました」と、苦笑い混じりに表現します。

上京してから4ヶ月、1年目の夏休みを迎えた頃。会社の厳しさに耐えかねた同期が次々と退職を決める中、礒貝はなんとか3年だけ続けようと覚悟を決めました。退職が頭をよぎる日々でも耐え続けた背景には、北海道で娘を思い続ける父からの言葉があったといいます。

礒貝 「父は、わたしが決断したことに異議を唱えるタイプではないんです。むしろ、いつだって応援してくれるような人で。ところが、わたしが『北海道に戻ろうかな』と電話口で漏らすと、こう言いました。

『たった数ヶ月東京にいるだけで、なにがわかるの?』と。

考え直してみたら、ああそうだなと。そこで、まずは3年間だけ頑張ってみようと決めたんです」

宣言通り、3年間を英会話スクールに費やした礒貝は、転職を決断。出版やイベント企画を行う小さなベンチャー企業が転職先でした。

キャリアプランの中での仕事の立ち位置を模索した


英会話スクールを退職後、アドビの入社に至るまでには3社を経験した礒貝。2社目はベンチャー企業でのイベント企画や営業などを、3社目は大手映像制作会社でのイベント企画を担いました。3社目の経験が、礒貝にとってはキャリアを選択する上での大きな転機となったといいます。

礒貝 「大手映像制作会社で配属されたプロモーション事業部は、ウェブ・イベントなどの企画制作を行う部署でした。クライアントの広報部や広告代理店と協力しながら、企業の広報宣伝活動に携わるのが主な仕事です。そこでは、CSR活動の一環として子どもたちをターゲットにしたイベントを多く開催しました。

イベントの中身を考えて、提案して、推進するまでがわたしの仕事。自社のプロモーションではなくクライアントのプロモーションがメインでしたが、すごくやりがいもあり面白いと思うようになっていたんです」

このとき、礒貝の中にはふたつの感情が生まれました。ひとつは「もっと深く広報の仕事がしてみたい」。もうひとつは「自分の人生を考えたい」。3社目まで、礒貝が選んできたのは、どれも激務とされる会社ばかりでした。

いずれ経験するであろう結婚や出産を考えると、日々働き通しの生活には終止符を打たなければならないと考えるようになっていたのです。

礒貝 「考え抜いたとき、広報としての実力をしっかり付けたら、結婚・出産を経験しても働き続けられると思ったんです。そこで、次は自社広報を経験できる企業への転職を考えました」

選んだのは、広報未経験の礒貝を歓迎してくれた30人規模のアドテクノロジー系のベンチャーでした。長く働きたいと強い意志を持って入社したといいます。

礒貝 「転職したのが29歳のときだったので、そろそろ腰を据えて働きたいと考えていました。ただ、ベンチャー企業の、しかも初広報メンバーだったので、右も左もわからなくて。なんだかんだ、落ち着いて仕事をするってよりは勉強会に参加したり、見よう見まねでやってみたりと奔走している感じでした(笑)。

でも、これまでの3社と比較すると、とてもクリーンな社風でしたね。残業はあるもののそれまでほど大変ではなかったです。結局4年8ヶ月勤めたのですが、その間に結婚して、家族で鎌倉の古民家に移住して。ライフスタイルもずいぶんと変わりました」

「転職する気はなかった。でも、やっぱり営業も悪くないと思ったんです」


4社目での経歴が5年に差し掛かろうとしたタイミングでありながら、礒貝には当時、転職の意思はありませんでした。紆余曲折はありながらも、まだ頑張り続けたいと思う環境だったためです。

ところが、プライベートで参加したイベントで、その考えは少し異なったものに。

礒貝 「たまたま、友人と集まってBBQをしていた日があったのですが、そこの参加者のひとりが、アドビで働く女性だったんです。イベントの日には仕事の話をほとんどしていなかったのですが、後々SNSで繋がった際に働く業界が一緒だということがわかり、仕事や働き方の話をするようになって。『アドビなら、想い描いている通りの働き方が実現できるよ。一度、うちに面談にきてみない?』と誘ってもらって。

当時の職場で働き続けたいとは感じていたものの、それでも帰宅時間は毎日21時を超えていたので家族への負い目がありました。そこで、話だけでも聞いてみようと、アドビに行ってみたんです」

職種は、もう続けないだろうと思っていた営業でしたが、話を聞いてみると興味ばかりが湧いたと礒貝は語ります。外資企業であることから、学生時代から志していた「英語を使って働く」ことが、再び実現することも転職にポジティブになれる要素のひとつでした。

礒貝 「面談をしたときに、のちに上司にとなるシンガポール人の方と電話会議をしたんです。そのときに『やっぱり英語で話すのって楽しい!!!』と思ってしまって(笑)。仕事を通じた新しい出会いも予感し、これもご縁だなあと、最後はアドビで営業として働くことを決断しました」

20代は、やりたいことに夢中になっていた。そんな自分も好きだけれど、30代になってから、ライフスタイルを意識したり、好きなことよりも向いていることを仕事にする自分も悪くない。礒貝は、そう考えるようになっていました。

礒貝 「一度広報という仕事を経験したからこそ、なんだかんだ、わたしは営業に向いていると感じる瞬間が多々あるんですよね。

それに、アドビは仕事とプライベートの時間をしっかりと分けて全力で楽しみ尽くす人が多い職場なんです。もちろん泥臭く仕事をこなすタイミングだってありますが、仕事への質や効率を徹底的に追及して成果をあげ、プライベートも充実させている人がとっても多い。

わたしにアドビを教えてくれた彼女は、まさにわたしが目指す働き方を実践している女性のひとりでしたから」

アドビに転職後、さらにライフステージは変わり、2児の母となった礒貝。産休や育休を挟みながらも、仕事とプライベートを両立し、大きな裁量を持って働けていることに対する喜びが大きいと語ります。

礒貝 「17時〜18時の間には、会社から退出している人が多いので、自分も違和感なくフレックスタイムやリモートワークをフル活用し、フルタイム勤務をこなせています。子育て中の身なので、場所や時間を切り替えながら働けるのは嬉しいです。どうやったら最も効率よく成果があげられるかを毎日真剣に考え、集中して仕事ができているのでなおさらです。そして常にサポーティブな上司やチームメンバーには感謝しかないですね」

自分自身のキャリアには、さんざん悩んできた。もしかしたら、寄り道だらけだったのかもしれない。それでも、アドビで働く礒貝の姿は、常に前向きで能動的です。インタビュー後には「これからは、仕事と家庭の二軸を欲張りたい」と、笑顔で語ってくれました。



礒貝がアドビに入社してから、印象に残っているのは「Be Assertive(=断定的になれ)」と告げられたこと。周りの人をたてがちな礒貝に、上司がかけた言葉です。

そんな言葉を受け「これまでのキャリアに自信と誇りを持ちながら仕事に挑み続けたい」と強く宣言してくれた礒貝。これからも彼女は「Assertive」であり続けながら、しなやかに、自分らしいキャリアを生み出していくのでしょう。

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