一つのプロモーションには、たくさんの人が関わります。企画する人、つくる撮る人、届ける人。だからこそ、途中で担当が変わっていくのが当たり前になっています。
自分が獲得した案件が、翌週には別のチームに移っている。数ヶ月後、SNSで流れてきたその企画を見て、「あ、こういう形になったんだ」と初めて知る。広告や販促の仕事をしていると、そんなに珍しい話ではないと思います。
GLAPには、その途中で手を離さない人がいます。最初のご相談をいただくところから、企画、実行、世の中に届くところまで。同じ人が、最初から最後まで担当します。社内では、この役割を「フロント」と呼んでいます。
フロントがいることで、何が変わるのか。営業チームを率いる玉井さんに、お話を聞いてみました。
1|フロントとは、始めから終わりまでストーリーを紡ぐ人
GLAPでは、プランナー/SNS運用/キャスティング/クリエイティブなどの様々な専門スキルを持ったメンバーが一つのチームとなり、大手企業・一流ブランドのプロモーションを、戦略設計からクリエイティブ制作、SNSマーケティング、広告運用、キャスティングまで一気通貫で手がけています。
その中でプロジェクト全体を支えるのが、フロント(営業チーム)です。
GLAPの「フロント」は、案件の獲得、提案サポート、受注後の進行管理、クライアント窓口まで、案件のはじまりから終わりまでを担当する働き方です。
多くの代理店では、新規開拓を担当する「営業」と、納品までを管理する「ディレクター」は別の人が担います。GLAPでは、この二つを同じ人が担います。
一般的に営業と聞いてイメージされるのは、案件を取ってきて、社内に渡し、納品して、数字を報告する人です。しかしGLAPのフロントの仕事は、そこだけではありません。
最初の相談を受けた時点で、「この企画は誰のどんな気持ちを動かすのか」というストーリーの輪郭を描く。そして企画、制作、現場、報告に至るまで、そのストーリーがズレていないかを最後まで見届ける。管理だけでも、数字づくりだけでもなく、一本のストーリーを紡ぐことがフロントの役割です。
2|なぜ、この役割が必要なのか
フロントは、クライアントとのコミュニケーションを担いながら、社内のさまざまな職種をつなぐハブのような存在。
クライアントから「あの件、どうなっていますか?」と相談があれば、状況を確認して必要なメンバーにつなぐ。
プランナーから「この制作、誰に相談するのがいい?」と聞かれれば、適切なメンバーを探してつなぐ。
制作チームから「クライアントにこれを確認したい」と言われれば、クライアントとのコミュニケーションを担う。
そうやって、案件に関わる人たちの間を行き来しながら、仕事がスムーズに進む状態をつくっていきます。
もちろん、すべてを自分で解決する必要はありません。
むしろ大切なのは、「これは自分で答えることなのか」「誰に相談すれば早いのか」「クライアントにはどう伝えるのがいいのか」を判断すること。
クライアントのことも、社内のメンバーのことも知っているからこそ、その間に立って動かすことができます。
その積み重ねが、クライアントからの「何かあったらまずこの人に相談しよう」という信頼にもつながっていく。
そして社内からも、「困ったらフロントに聞けば、必要な人につないでくれる」と頼られる。
外と中、そして職種と職種の間に立って、人と仕事を動かしていく。
それが、GLAPにおけるフロントの役割です。
3|フロントがいると、いないとで、どう変わるのか?
分業型の体制で、こんな経験はないでしょうか。
提案の場では、「なぜこの企画なのか」を熱を込めて話した。ご一緒できることも決まった。でも、その後は別の担当者に引き継がれ、自分は次の案件へ。数ヶ月後に完成したものを見て、悪くはないけれど、あのとき話した意図とは少しズレている気がする——。
フロントという役割は、その「ズレ」を減らしていく役割でもあります。
分業型では、自分の仕事の答えが、数字という形でしか返ってきません。売れたか、届いたか、達成したか。
フロントの場合は、それより先に返ってくるものがあります。プロモーション撮影当日にモニターを覗き込んだクライアントの反応。公開後にSNSで流れてきた、知らない人の口コミ。数字だけではない、たくさんの人の心が動いた瞬間を目にすることができます。
4|フロントという立場の魅力
フロントが、最初にやること。それは、カレンダーに日付を入れていく作業です。撮影はいつやるのか。素材はいつまでに用意するのか。広告の配信開始はいつか。まだ何も決まっていない数ヶ月分に、一つずつ締切を置いていきます。
「WBSを引くのが、フロントの最初の仕事だと思っています。引いて、各チームに連携して振り出して、遅れないように全部見ていく。毎週の定例で"今こういう状況です"と報告していく。それが一番の動き方のもとですね」
では、日々いちばん多い動きは何か。少し考えてから返ってきた答えが、この仕事をよく表していました。
「時間を切ることが一番多い気がします。この日までにこうやって進めていこう、と」
派手な交渉ではありません。期日を切り、進行を見て、遅れそうなところに先回りして声をかける。複数の案件を同時に担当しながら、それぞれのプロジェクトが円滑に進むようにサポートします。
もう一つの仕事は、信頼関係をつくることです。
企画の質やスケジュールの正確さとは別に、「この人に任せて大丈夫だ」と思ってもらえているかどうかで、案件の進み方は変わります。ただ、これに決まったやり方はありません。玉井さんが挙げてくれたのは、対照的な2つの例でした。
一つは、途中から担当を引き継いだ案件。クライアントとの初対面が、いきなりキックオフの場という状況でした。
「意識したのは、WBSをめちゃくちゃ細かくしたことです。その説明を僕のほうからさせてもらった。多分、そこで信頼を取れたかなと思っています」
前任者から代わったばかりで、相手が少し不安に思っている場面です。ここで返せるのは、言葉ではなく情報の精度でした。全工程を細かく分解し、自分の口で説明する。「この人は全部把握している」と伝わったところから、関係が始まります。
もう一つは、観光プロモーションの案件。ロケハンの合間に、30分ほど雑談する時間があったそうです。
「そこでめちゃくちゃ仲良くなって。この間の撮影中は、ずっと無駄話をしていました」
こちらは逆に、仕事の話をしなかったことが効いた例です。距離が縮まりそうな場面で、無理に案件の話に戻さない。
異常に細かいWBSと、ロケハンの30分。まったく違うように見えて、やっていることは同じです。不安な相手に寄り添い、その時、その人に合わせた信頼関係の構築を行っていくこと。それがプロジェクトを成功に導くための潤滑油になります。
5|どんなチームなのか?
<営業チームはどんなメンバーがいるのか>
営業チームを率いる玉井さんは、大手広告代理店でメディア営業を経験した後にGLAPへ。プランニングチームやキャスティングチームのマネージャーを兼務しながら、自身もフロントとして案件を担当しています。
フロント業務を担うメンバーは、他にも二人。縁の下の力持ちとしてチームを支える男性メンバーと、持ち前の明るさでプロジェクトを前に進める女性メンバーです。近々、新しいメンバーが1名加わる予定です。
メンバーは20代が中心。経験のあるリーダーと組みながら、年齢が若いメンバーが実際に案件を任されているチームです。
<どんな雰囲気のチームなのか>
雰囲気を聞くと、迷いなくこう返ってきました。
「めちゃくちゃ仲がいいです。和気あいあいで、雰囲気は部活に近いかもしれない」
ただ、話を聞いていくと、その「仲の良さ」は少し種類が違うようでした。
フロントは、社内でもっとも多くの職種と関わるポジションです。プランナー、SNS運用、キャスティング、クリエイティブ。案件が動くたび、あらゆるメンバーと話すことになります。しかも、決まった正解がある仕事ではありません。この企画は誰の気持ちを動かすのか——その問いに向き合うには、思ったことをそのまま言い合える関係が要ります。
だからこのチームでは、年次や役職はあまり関係がありません。提案をつくるときは、立場に関係なく意見を出し合いながら形にしていく。
同時に、相手への想像力も欠かせません。玉井さんは、社内に何かを頼むときも「この言い方だと角が立たないか」を必ず考えるといいます。対等に話すことと、雑に扱うことは違うからです。
「それはあなたの仕事でしょ」と線を引く空気は、ここにはありません。上下ではなく、横に並んで話す。目標が決まったら、全員で同じ方向を向く。玉井さんは、そういう意味で「部活っぽさ」と伝えてくれました
6|これから、挑戦したいこと
これからフロント(営業チーム)として何をしたいか、玉井さんに聞きました。
「フロントがちゃんと前にいて、後ろにそれぞれのプロフェッショナルがいる。そうしたチームがもっと増えて、自分たちでも経験したことのないプロジェクトに挑戦してみたいです」
「一人では受けきれない規模のプロジェクト。戦略設計から制作、運用まで一気に走らせるプロジェクト。多くの人の感動を生む仕掛けが必要なプロモーションなど。チームで組んだからこそできることを、もっと多く経験していきたいですし、フロントとしてそのプロジェクトの中心で面白いことを企んでいきたいです」
最後に
フロントにも、もちろん数字の目標があります。それを追いかける日もあります。
ただ、数字は結果の記録でしかありません。売上が立つ前に、必ず先に起きていることがあります。
予期せぬトラブルに遭遇してもなんとか乗り切った日々。撮影当日、モニターを覗き込んだクライアントが「あ、いいですね」と小さく言ってくれたこと。クリエイティブ公開後に、知らない人がその投稿をシェアしてくれていること。
誰かの心が動いた瞬間があって、そのあとに数字がついてくる。順番はいつもこちらです。だからこの仕事に残るのは、結果としての数字だけではなく、その商品を好きになった人が増えた、という事実です。
では、その瞬間はどこから生まれるのか。企画書も予算も何もない段階で、誰かが「これ、面白そうじゃないですか」と最初に言っている瞬間。そこがすべての起点です。
その一言を最初に口に出し、誰かが反応する形になるまで運びきる。それがフロントの役割です。フロントがいることで、GLAPは誰かの"好き"の始まりに寄り添う存在として、遊びゴコロある仕掛けを作っていくことができます。